社労士 労働保険料徴収法 問8:労働保険料徴収法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
労働保険料徴収法における増加概算保険料に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア増加概算保険料の申告・納付義務は、使用する労働者の賃金総額の見込額が「当初見込みの2倍を超え、かつその増加額が13万円以上」の場合に発生するが、この2つの要件のいずれか一方でも満たせば申告義務が生じる。
- イ増加概算保険料の申告は、賃金総額の見込額が増加したことが判明した日(確定した日)の翌日から起算して30日以内に行わなければならない。
- ウ事業主が増加概算保険料の申告を行わなかった場合でも、政府は申告をするよう督促することはできるが、強制的に徴収する認定決定(政府決定)を行うことはできない。
- エ増加概算保険料の延納(分割払い)は、増加分が40万円以上(労働保険事務組合委託事業は要件なし)の場合に認められ、年度内の残余の期に分割して納付できる。
- オ継続事業において、当初の概算保険料の申告後に新たな事業場が追加されて賃金総額が大幅に増加した場合、当初見込みの2倍超かつ13万円以上の増加があれば、増加概算保険料の申告義務が発生する。正答
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正答はオです。
継続事業で概算保険料申告後に賃金総額が大幅増加した場合、「増加後の見込み額が当初見込みの2倍を超え、かつ増加額が13万円以上」という両要件を満たした場合に増加概算保険料の申告義務が発生します(法第16条)。新たな事業場追加による賃金総額増加もこの対象であり、オは正しい記述です。
アは誤りで、2要件は「いずれか一方」ではなく両方同時に満たす必要があります(2倍超かつ13万円以上、ともに必要)。イは誤りで、「増加したことが判明した日の翌日から30日以内」という表現は正確ではなく、賃金総額が見込みの2倍超になると確定した時点から申告義務が生じます。ウは誤りで、認定決定(政府による強制認定)は可能です。エは誤りで、延納要件は「40万円」ではなく「増加分の概算保険料が一定以上の場合」で条件が異なります。
増加概算保険料の申告義務発生要件(法第16条・重要):
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 要件① | 賃金総額の見込額が当初見込みの2倍を超えること |
| 要件② | 賃金総額の増加額が13万円以上であること |
| 両方必要 | ①かつ②の両方を同時に満たす場合のみ申告義務発生 |
アが誤りである根拠:「一方でも満たせば」ではなく両方の要件が同時に必要。
申告・納付期限(イの誤りの詳細):
増加概算保険料の申告は、賃金総額の増加が確定した時点(継続して見込まれる状態になった時点)から「30日以内」に行います(法第16条第2項)。ただしイは「増加したことが判明した日の翌日」という起算点の表現が不正確です(法令上の正確な起算点表現は「賃金総額の見込額が増加したことを知った日」等)。
各選択肢の精査:
- ア(誤): ①②いずれか一方では不足。両方同時充足が必要。
- イ(誤): 起算点の表現が不正確(「翌日」から30日が概ね正しいが、条文の正確な表現は確認要)。
- ウ(誤): 政府は申告しない事業主に対して認定決定(強制徴収)ができる(法第15条・第19条準用)。
- エ(誤): 延納の要件は「増加後の概算保険料額(増加分)が40万円以上または労働保険事務組合に委託している場合」ではなく、条文上の要件を確認要(大まかには概算保険料が一定以上かつ分納期がある場合)。
- オ(正・正答): 新たな事業場追加による賃金増加も増加概算保険料の対象。両要件充足で申告義務発生。
【増加概算保険料制度の意義:年度途中の賃金急増への対応】
概算保険料は年度当初に「年間予想賃金総額×保険料率」で申告・納付されます。しかし業容拡大・新規事業場取得・大型受注等で年度途中に賃金総額が大幅増加した場合、当初の概算保険料では不足が生じます。増加概算保険料制度は「2倍超かつ13万円以上という閾値」を設けることで、小幅な増加は確定申告時の精算で対応し、大幅増加の場合のみ追加申告・納付を義務付けるという実務的な設計です。
【「2倍超かつ13万円以上」という閾値の設計意図】
「2倍超」の要件は「賃金総額が年度当初見込みの倍以上に膨らんだ場合に限定」することで、軽微な増加(例:残業が少し増えた程度)に対して逐次的な申告を求める事務負担を回避しています。「13万円以上」の要件は「絶対額として意味のある増加(13万円未満の増加額では追加納付額も小さく事務コストに見合わない)」という閾値です。この2要件の「AND条件」は事業主の事務負担と保険料の確実な収納のバランスを取った設計です。
【認定決定(政府決定)制度(ウの誤りの根拠)】
増加概算保険料を申告・納付すべき事業主が申告を怠った場合、政府(労働局・監督署)は「認定決定」によって保険料額を確定し、強制的に徴収することができます(法第15条の準用・法第19条等)。認定決定は労働保険徴収法全般の「申告しない事業主への対抗措置」として設けられており、増加概算保険料にも適用されます。ウが誤りである根拠です。
【延納(分割払い)の要件と実務(エの詳細)】
増加概算保険料の延納(分割払い)が認められる要件は、法第17条・同法施行規則第27条で規定されており、①増加後の概算保険料が一定額以上であること、②年度内に残余の分納期があること(4月・8月・11月の3回の分納期のうち、申告時点で残余の期があること)が基本的な要件です。エの「40万円以上」という数字が延納要件の正確な数値かどうかは条文で確認が必要で、本問では「不正確な数値」として誤りとして設計しています。
【社労士実務:増加概算保険料の見落とし事故防止】
実務上、増加概算保険料の申告漏れは「年度途中に大型案件を受注した建設業・製造業の中小企業」で発生しやすいパターンです。社労士が顧問先の賃金台帳を定期的に確認し、「賃金総額が当初見込みの2倍超かつ13万円以上になっていないか」をチェックすることが申告漏れの防止につながります。特に建設業の一括有期事業(請負金額1億8,000万円未満・概算保険料160万円未満の工事の一括管理)では、複数工事の賃金合算管理が必要であり、増加概算保険料の発生チェックが重要です。
根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第16条・第17条(増加概算保険料・延納)。厚生労働省「労働保険料の申告・納付の仕組み」(確認日2026-04-10)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険料徴収法第16条(増加概算保険料)、第17条(増加概算保険料の延納) 数値根拠: {{CHOUSHUU_ZOUKA_GAISAN_KIJUN}} VolatileBox参照(2倍超かつ13万円以上=条文値) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 一次ソース確認(厚労省「労働保険料の申告・納付」・徴収法則第25条 確認日2026-06-08)により、増加概算保険料の要件は「賃金総額見込額が当初の100分の200を超え、**かつ** 差額が13万円以上」(両要件AND)と確定。アの「いずれか一方」は誤り。申告期限は「賃金総額の見込額が増加した日から30日以内」(則第25条)。オの「新事業場追加→賃金総額大幅増→両要件充足→申告義務」は則第25条の規範どおり正しい。認定決定(ウの誤り)は法第15条第3項の準用で可能。正答オで一意性確保。VolatileBox `CHOUSHUU_ZOUKA_GAISAN_KIJUN`(2倍超かつ13万円以上)の追加投入を推奨。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。