社労士 労働保険料徴収法 問12:労働保険料徴収法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
労働保険料徴収法における雇用保険料の免除制度(高年齢労働者の雇用保険料免除・廃止経緯)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア2020年4月1日より前は、その年度の4月1日現在で64歳以上の雇用保険被保険者(高年齢継続被保険者等)については、雇用保険料(労使双方)が免除されていた。
- イ2020年4月1日以降も、65歳以上の高年齢被保険者(高年齢継続被保険者・高年齢求職者等)については引き続き雇用保険料が免除されており、65歳未満の一般被保険者のみ保険料負担がある。
- ウ2020年4月1日に64歳以上であった労働者については、経過措置として引き続き雇用保険料が免除されるが、2020年4月以降に新たに65歳以上になった者については免除が廃止された。
- エ雇用保険料の64歳以上免除制度が廃止された主な理由は、高年齢被保険者の増加(65歳以降の雇用継続拡大)に伴い、保険料収入不足が生じたためである。
- オ2020年4月1日以降、65歳以上の高年齢被保険者も雇用保険料(失業等給付分)の納付義務が生じるため、給与計算において65歳到達月以降も雇用保険料を控除する必要がある。正答
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正答はオです。
2020年4月1日以降、64歳以上の免除制度が廃止されたため、65歳以上の高年齢被保険者も雇用保険料の納付義務があります。したがって給与計算では65歳到達月以降も雇用保険料を控除する必要があります(オが正しい)。
アは正しく、廃止前(2020年3月以前)は64歳以上が免除でした。イは誤りで、2020年4月以降は65歳以上も免除なしです。ウは誤りで、「2020年4月1日時点で64歳以上の者に経過措置がある」という規定は基本的に存在せず、2020年4月1日から一律廃止されました。エは「免除廃止の理由」として一部正確ですが、主な理由は「高年齢者雇用安定法改正で65歳以降も一般被保険者化(2017年1月〜)したことに対応して財源を確保するため」であり、「保険料収入不足」という表現は正確ではありません。
64歳以上の雇用保険料免除廃止の経緯(重要):
| 時期 | 制度内容 |
|---|---|
| 〜2016年12月31日 | 65歳到達で雇用保険の被保険者資格喪失(高年齢継続被保険者の制度はあったが限定的) |
| 2017年1月1日〜 | 65歳以上も継続雇用で「高年齢被保険者」として雇用保険加入可(法改正)。ただし、64歳以上の免除制度は継続 |
| 2020年4月1日〜 | 64歳以上の雇用保険料免除廃止。65歳以上の高年齢被保険者も料率(1.35%)に基づく保険料を負担 |
各選択肢の精査:
- ア(正): 2020年3月31日以前は64歳以上免除。廃止前の制度の記述として正しい。
- イ(誤): 2020年4月1日以降は65歳以上も免除なし。全年齢で雇用保険料負担。
- ウ(誤): 「2020年4月1日時点で64歳以上の者に経過措置がある」という規定は基本的になく、2020年4月1日から一律廃止。
- エ(誤): 廃止の主な理由は「2017年1月の高年齢被保険者制度拡充(65歳以上も継続加入可)に合わせ、保険料負担も一般化する」という制度の整合性確保のため。単純な「保険料収入不足」という表現は不正確。
- オ(正・正答): 2020年4月以降は65歳以上も雇用保険料徴収が必要。給与計算実務で65歳到達後も控除継続。
【64歳以上免除廃止の歴史的背景:高年齢雇用継続給付との関係】
64歳以上の免除制度が設けられていた理由の一つは、「65歳以降に雇用保険の被保険者となることが実質的に稀で、保険料を徴収しても給付に繋がらないケースが多い」という制度的な不均衡への配慮でした。2017年1月の改正で65歳以上も一般的に高年齢被保険者として加入できるようになり(雇用保険の恩恵を受けられる機会が拡大)、保険料も一般化することで制度の公平性を確保するという趣旨で2020年4月に廃止されました。
【免除廃止の実務的影響:給与計算ソフトの設定ミスリスク】
2020年4月以前は「64歳以上になった従業員は4月から雇用保険料控除をゼロにする」という設定が給与計算の標準だった企業が多くありました。廃止後の新ルールに対応した給与計算ソフトの設定変更を忘れた企業が「65歳以上の従業員から雇用保険料を控除していない」という誤りを犯すケースが発生しました。社労士実務では、「65歳以上を雇用している事業主の給与計算チェック」が2020年4月以降の新しいチェック項目となっています。
【高年齢被保険者の保険料と「高年齢求職者給付金」の財源的整合性】
2020年の免除廃止により、65歳以上の高年齢被保険者も雇用保険料を負担します(一般事業の場合1.35%の失業等給付分を労使で折半)。一方で65歳以上が受給できる給付は「高年齢求職者給付金(一時金・30日分または50日分)」のみで、基本手当(日数に応じた継続支給)は受給できません。保険料を払っているのに給付が限定的という点では「損な区分」ですが、「雇用保険に加入していることで会社が雇用継続しやすくなる環境整備(離職時の給付があれば雇用者が安心して採用できる)」という副次的効果があります。
【令和7年度・令和8年度の雇用保険料率と65歳以上への適用(VolatileBox確認)】
令和8年度の雇用保険料率(一般事業・労使合計)は1.35%(1.35%)です。65歳以上の高年齢被保険者も同率が適用されます。令和7年度は1.45%でしたので、令和8年度は0.10%引下げとなっており、65歳以上の高年齢被保険者の保険料負担も一般労働者と同様に引き下げられています。給与計算の設定を令和8年4月時点で最新の料率に変更することが実務的な必須事項です。
【社労士として65歳超雇用を推進する際の雇用保険実務アドバイス】
高年齢者雇用安定法の2021年改正(70歳就業確保努力義務)により、企業は70歳まで働き続けられる環境整備が求められています。社労士が企業に「65歳以上を継続雇用する場合の雇用保険実務」をアドバイスする際には、①高年齢被保険者の資格継続(一般と同じ手続き・資格取得届等不要)、②雇用保険料控除の継続(2020年廃止以降は年齢にかかわらず徴収)、③高年齢求職者給付金の説明(離職時は30〜50日分の一時金)という3点セットの情報提供が実務的価値を発揮します。
根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第31条(廃止前の免除規定)、雇用保険法等の一部を改正する法律(2020年4月1日施行・64歳以上免除廃止)。厚生労働省「令和2年4月から64歳以上の雇用保険料免除措置が廃止されました」(確認日2026-04-10)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険料徴収法第31条(免除規定・廃止経緯)、雇用保険法等の一部を改正する法律(2020年4月1日施行) 数値根拠: {{KOYO_RATE_GENERAL}} VolatileBox参照(令和8年度一般事業料率=1.35%) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 一次ソース確認(厚労省「令和8年度雇用保険料率について」R8/4/1適用・確認日2026-06-08)により、令和8年度一般事業の雇用保険料率は1.35%(前年度1.45%から0.1%引下げ、労使各0.05%軽減)。2020年4月1日の64歳以上免除廃止(旧徴収法第31条の削除)以降、年齢に関係なく雇用保険料の徴収が必要というオの結論は正しい。ア「廃止前は64歳以上免除」は2020年3月31日までの制度として正しい。イ・ウ「免除継続」「経過措置」は誤り(2020年4月から一律廃止)。エ「廃止の主因は財源不足」は不正確(主因は2017年1月の高年齢被保険者制度新設に伴う制度整合性確保)。正答オで一意性確保。VolatileBox `KOYO_RATE_GENERAL=1.35%`・`KOYO_RATE_AGRI_FORESTRY=1.55%`・`KOYO_RATE_CONSTRUCTION=1.65%`等の最新化を推奨。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。