労働保険料徴収法13労働保険料徴収法

社労士 労働保険料徴収法 問13:労働保険料徴収法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

労働保険料徴収法における雇用保険印紙に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 日雇労働者に賃金を支払う事業主は、雇用保険印紙を日雇労働被保険者手帳に貼付することによって、日雇労働被保険者の雇用保険料(印紙保険料)を納付することができる。事業主は日雇労働者の賃金から労働者負担分を控除した上で印紙を貼付する。正答
  • 雇用保険印紙の購入は、都道府県労働局で行わなければならず、郵便局その他の窓口では購入することができない。
  • 事業主は使用しなかった(未使用)雇用保険印紙を任意のタイミングで政府に払い戻しを請求することができ、払戻しに際して手数料は発生しない。
  • 雇用保険印紙の種類は1種類のみであり、日雇労働被保険者の賃金水準にかかわらず一律の印紙額で納付が行われる。
  • 雇用保険印紙の貼付・消印を怠った事業主に対しては、その貼付・消印をしなかった雇用保険印紙の金額の3倍に相当する過怠税が徴収される。
正答:日雇労働者に賃金を支払う事業主は、雇用保険印紙を日雇労働被保険者手帳に貼付することによって、日雇労働被保険者の雇用保険料(印紙保険料)を納付することができる。事業主は日雇労働者の賃金から労働者負担分を控除した上で印紙を貼付する。

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正答はアです。

日雇労働被保険者の雇用保険料(印紙保険料)は、事業主が雇用保険印紙を日雇労働被保険者手帳に貼付・消印することで納付します。このとき事業主は労働者負担分の印紙保険料を賃金から控除した上で印紙を貼付し、事業主負担分と合わせて納付します(アが正しい)。

イは誤りで、雇用保険印紙は郵便局でも購入可能です(都道府県労働局限定ではない)。ウは誤りで、未使用印紙の払戻しは原則として年度末(3月31日)から一定期間内に申請するもので、任意のタイミングで請求できるわけではありません。エは誤りで、雇用保険印紙は賃金水準に応じて3種類(1級・2級・3級)があります。オは誤りで、過怠税は貼付・消印をしなかった印紙の金額の3倍相当ではなく正確には「同額の3倍を超えない範囲で」という規定で、3倍が上限です。

標準試験対策の基準レベル

雇用保険印紙の仕組み(徴収法第22条〜第27条):

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 用途 | 日雇労働被保険者の印紙保険料の納付手段 |

| 種類 | 3種類(1級・2級・3級)(賃金水準に応じて使い分け) |

| 貼付義務者 | 日雇労働者に賃金を支払う事業主 |

| 購入場所 | 都道府県労働局・郵便局等(郵便局での購入可) |

| 未使用の払戻し | 年度更新の際等に国(政府)への払戻し請求が可能(手続き要) |

| 過怠税 | 貼付・消印しなかった場合、当該印紙と同額の3倍を超えない範囲で課税 |

各選択肢の精査:

  • ア(正・正答): 事業主が日雇労働被保険者手帳に印紙を貼付・消印する方法で印紙保険料を納付。労働者負担分は賃金控除。
  • イ(誤): 郵便局でも購入可。「都道府県労働局限定」は誤り。
  • ウ(誤): 払戻しは年度末等の定められた手続き内。「任意のタイミング」「手数料なし」は不正確(実務上は手数料的な処理なしで行われるが「任意タイミング」は誤り)。
  • エ(誤): 3種類(1級〜3級)。賃金日額の区分に応じて適用種類が変わる。
  • オ(誤): 過怠税は「3倍に相当する」ではなく「3倍を超えない範囲」(上限3倍)。「3倍に相当する」と決め打ちすると誤り。

雇用保険印紙と通常の月例保険料との違い:

一般・高年齢被保険者の雇用保険料は賃金総額に料率を掛けた月例徴収ですが、日雇労働被保険者は就労1日ごとに印紙を使って納付する仕組みです。この「印紙方式」は日雇い労働の性格(雇用関係が1日単位で完結する)に対応した設計です。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【雇用保険印紙制度の歴史的背景と現代的意義】

雇用保険印紙制度は1975年の雇用保険法制定時に設けられた制度で、日雇労働者(主として建設・港湾・短期農業労働者)の雇用保険料を「就労の都度」確実に徴収するための仕組みです。通常の月額保険料徴収では「雇用関係が1日で終わる日雇い労働者の保険料をどう管理するか」という問題に対応できず、印紙方式という独自の徴収制度が選択されました。現代では「日雇い労働」の形態はアルバイト・ギグワーク等に変化していますが、雇用保険印紙を利用する対象は依然として建設業の日雇い労働者等に限定されており、制度利用者は減少傾向にあります。

【3種類の印紙と賃金水準区分の判定】

雇用保険印紙は1級・2級・3級に分類されます。1級は賃金が一定額以上の高い日雇い労働者向け(保険料額も高い)、3級は低賃金の日雇い労働者向けです。実務では「その日の賃金日額が何円以上か」という判定を行い、対応する等級の印紙を日雇労働被保険者手帳に貼付・消印します。消印をしないと貼付したと認められないため、賃金支払時に必ず消印を行うことが必要です。

【過怠税の法的性格と3倍という数字の意味】

過怠税は「不納付への制裁」として設けられており、正確には「貼付・消印をしなかった印紙の額と同額の3倍を超えない範囲」という上限規定です。過怠税の課税権者は税務当局ではなく「都道府県労働局長」です。収入印紙等の過怠税と同様の趣旨ですが、社会保険料領域の特殊な徴収メカニズムとして社労士試験で時折出題されます。

【日雇労働求職者給付金と印紙貼付実績の連動:日雇い労働者の権利保護】

日雇労働被保険者が失業した場合に受給できる「日雇労働求職者給付金」の受給要件には「前2か月の保険印紙の貼付実績(1・2級合計または3級含む日数要件)」があります。事業主が印紙を貼付しなかった(または不適切な等級の印紙を使用した)場合、日雇労働者は受給要件を満たせず給付を受けられなくなります。このことから「印紙の適正な貼付・消印は日雇労働者の社会保障権を守るための義務」という側面があります。社労士として日雇い労働者を雇用する事業主に対し、印紙の適正管理と日雇労働被保険者手帳の確認を指導することは法令遵守の観点から重要な業務です。

根拠: 労働保険料徴収法第22条〜第27条。厚生労働省「労働保険料の申告・納付の手続き(印紙保険料)」(確認日2026-04-10)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険料徴収法第22条(印紙保険料)、第25条(雇用保険印紙の購入)、第26条(払戻し)、第27条(過怠税) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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