問題
労働保険料徴収法における二元適用事業に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はウ(誤っている記述)です。
法第39条第1項は「都道府県及び市町村の行う事業その他厚生労働省令で定める事業については、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなしてこの法律を適用する」と定めています。「国の行う事業」は同条第1項の対象に含まれておらず、二元適用事業ではありません。国の行う事業については、同条第2項が「労働者の範囲」に関する別段の定めを認めるにとどまります。ウは国を都道府県・市町村と同列に二元適用事業として扱っており誤りです。
ア・イ・エ・オはいずれも法第39条・同法施行規則第70条(オは雇用保険法附則第2条第1項各号)の条文どおりの正しい記述です。
二元適用事業の範囲(法第39条・同法施行規則第70条):
| 区分 | 二元適用事業に含まれるか |
|---|---|
| 都道府県の行う事業 | 含まれる(法第39条第1項本文で直接規定) |
| 市町村の行う事業 | 含まれる(同上) |
| 国の行う事業 | 含まれない(法第39条第2項で労働者の範囲の特例のみ規定) |
| 都道府県に準ずるもの・市町村に準ずるものの行う事業 | 含まれる(同法施行規則第70条第1号) |
| 港湾労働法上の港湾運送の行為を行う事業 | 含まれる(同条第2号) |
| 雇用保険法附則第2条第1項各号に掲げる事業(農林の事業/畜産・養蚕・水産の事業(船員が雇用される事業を除く)) | 含まれる(同条第3号) |
| 建設の事業 | 含まれる(同条第4号) |
ウが誤りである根拠:
法第39条第1項は「都道府県及び市町村」の行う事業と明記しており、「国」は含まれていません。国の行う事業は同条第2項で別途「労働者の範囲」に関する省令委任が定められているのみで、労災・雇用の保険関係を別個の事業とみなす二元適用の扱いは受けません。
各選択肢の精査:
- ア(正): 二元適用事業の定義(労災・雇用の保険関係を別個の事業とみなす)は法第39条第1項どおり。それ以外の事業は施行規則第1条で「一元適用事業」と呼ばれる。
- イ(正): 都道府県・市町村の行う事業は法律上直接、二元適用事業(法第39条第1項)。
- ウ(誤・正答): 国の行う事業は二元適用事業に含まれない(法第39条第1項・第2項)。
- エ(正): 施行規則第70条の4類型どおり。
- オ(正): 雇用保険法附則第2条第1項第1号は農林の事業、第2号は畜産・養蚕・水産の事業(船員が雇用される事業を除く)を掲げている。
【なぜ「国」だけが二元適用事業から除かれているのか(ウの誤りの核心)】
法第39条は第1項で「都道府県及び市町村の行う事業その他厚生労働省令で定める事業」を二元適用事業と定め、第2項で「国の行なう事業及び前項に規定する事業については、労働者の範囲…に関し、厚生労働省令で別段の定めをすることができる」と定めています。条文の構造上、第1項(二元適用事業の指定)の対象は「都道府県及び市町村」と「省令で定める事業」に限られ、「国」は第2項で別途扱われる独立した区分です。
第2項を受けた施行規則第71条は、「国の行う事業及び法第三十九条第一項に規定する事業」に使用される労働者のうち、労災保険に係る保険関係に係る事業では労災保険法の適用を受けない者、雇用保険に係る保険関係に係る事業では雇用保険法の適用を受けない者を、徴収法第2章〜第4章の適用について労働者としないと定めています。つまり国の行う事業は、労働者の範囲の特例(第2項・施行規則第71条)の対象ではあっても、労災・雇用を別個の事業とみなす二元適用(第1項)の対象ではありません。ウのように国を都道府県・市町村と同列の二元適用事業として扱うのは、条文の文言(「都道府県及び市町村」)を超えて対象を広げてしまう誤りです。
厚生労働省令で定める二元適用事業(エ・オの補足)
法第39条第1項の「その他厚生労働省令で定める事業」は、同法施行規則第70条により次の4類型と定められています。①都道府県に準ずるもの及び市町村に準ずるものの行う事業、②港湾労働法第2条第2号の港湾運送の行為を行う事業、③雇用保険法附則第2条第1項各号に掲げる事業、④建設の事業。③の雇用保険法附則第2条第1項は、第1号に「土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業」、第2号に「動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業(船員が雇用される事業を除く。)」を掲げています。同項はこれらのうち一定のものを当分の間の任意適用事業(暫定任意適用事業)とする規定ですが、施行規則第70条第3号は「各号に掲げる事業」と定めているため、二元適用の対象は任意適用とされるものに限られず、各号の農林・畜産・養蚕・水産の事業が対象になります。
二元適用事業と一元適用事業の違い
一元適用事業は労災保険と雇用保険を一つの保険関係としてまとめて申告・納付する事業であるのに対し、二元適用事業は両者を別個の保険関係として、それぞれ別の労働保険番号・別の申告書で管理します(法第39条第1項)。
社労士実務での留意点
地方公共団体や建設業の顧問先の労働保険事務を扱う社労士は、対象が二元適用事業に該当するかどうかを法第39条第1項の文言(「都道府県及び市町村」と「国」の区別)に照らして正確に判定することが、労働保険番号・申告書の管理を誤らないための出発点になります。
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律e-Govで原文を読む
- 雇用保険法e-Govで原文を読む
- 労働者災害補償保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第39条(適用の特例)、同法施行規則第1条(一元適用事業の定義)・第70条(適用の特例を受ける事業)・第71条(労働者の範囲に関する特例)、雇用保険法附則第2条第1項(適用範囲に関する暫定措置) 一次ソース: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084#Mp-At_39 、同施行規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000008#Mp-At_70 、雇用保険法 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 (法令API v2で全文取得・確認日2026-09-30) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

