国民年金法10国民年金法

社労士 国民年金法 問10:国民年金法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07

国民年金基金および国民年金保険料の追納に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 国民年金基金は、第1号被保険者(任意加入被保険者を含む)が加入できる年金制度であり、付加保険料の納付申出をしている者も同時に国民年金基金に加入することができる。
  • 追納は、保険料の免除または学生納付特例・納付猶予が承認された月の属する年度の翌年度から起算して10年以内の期間に限り行うことができる。
  • 追納する場合は、直近の月分から順に追納しなければならない(新しい月から古い月へという順序)。
  • 追納した月の保険料が免除期間に係るものである場合、追納をすることにより、当該月は「保険料納付済期間」として取り扱われ、老齢基礎年金の年金額計算においても全額納付月として算入される。正答
  • 免除が承認された期間のうち、既に3年度以上前の分を追納する場合、追納時の保険料月額(令和8年度: 17,920円)に対して当時の保険料額のみが請求される(加算なし)。
正答:追納した月の保険料が免除期間に係るものである場合、追納をすることにより、当該月は「保険料納付済期間」として取り扱われ、老齢基礎年金の年金額計算においても全額納付月として算入される。

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正答はエです。

追納を行うと、免除期間に係る月は「保険料納付済期間」として扱われ、老齢基礎年金の年金額計算においても全額納付月と同様に算入されます(国民年金法第94条第5項)。これが追納の最大のメリットです。追納しなかった場合の免除期間は全額免除であれば2分の1の換算で年金額が計算されますが、追納することで100%算入に切り替わります。

アは誤りで、付加保険料の申出をしている者は国民年金基金に加入できません(付加保険料と国民年金基金は選択の関係)。ウは誤りで、追納は古い月から順に行わなければなりません(時系列順)。オは誤りで、3年度以上前の分を追納する場合は加算額が上乗せされます。

標準試験対策の基準レベル

追納の要件整理(必須):

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 対象 | 保険料免除・学生納付特例・納付猶予が承認された期間 |

| 追納可能期間 | 免除承認月の属する年度の翌年度から10年以内 |

| 追納の順序 | 古い月から順に追納(新しい月から追納することは不可) |

| 追納額 | 承認時の保険料額。ただし3年度以上前の分は加算額(利子相当)あり |

| 追納後の扱い | 追納月は「保険料納付済期間」として年金額に100%算入 |

国民年金基金の基本(必須):

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 加入対象 | 第1号被保険者・任意加入被保険者(付加保険料申出者は不可) |

| 性格 | 確定給付型の上乗せ年金(スライドなし) |

| 掛金 | 年齢・性別・コースで異なる(加入時の年齢が若いほど安い) |

| 加入形態 | 地域型国民年金基金(地域ごと)または職能型国民年金基金 |

| 付加保険料との関係 | 同時加入不可(基金加入で付加保険料相当が内包される設計) |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 付加保険料申出中の者は国民年金基金に加入できません(同時加入禁止)。加入する場合は付加保険料の申出を取り消す必要があります。
  • イ(正): 追納可能期間「翌年度から10年以内」は条文通り(国年法第94条第1項)。「10年以内」という期間制限は試験頻出です。
  • ウ(誤): 追納の順序は「古い月から新しい月へ」(古い順)。任意の月から追納することはできません(国年法第94条第2項)。
  • エ(正): 追納後は保険料納付済期間として100%算入。kokunen_02の「免除期間は2分の1算入」と対比させて理解することが重要です。
  • オ(誤): 3年度以上前の免除期間を追納する場合は加算額(政令で定める額)が上乗せされます(国年法第94条第3項)。加算なしという記述は誤りです。
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【追納の「古い月から」要件の政策的意図と実務上の問題】

追納は古い月(免除承認を受けた最も古い月)から順に行わなければならないとされています(国年法第94条第2項)。この順序規定の意図は:

1. 公平性の確保: 被保険者に有利な月(受給資格期間に最も近い月)だけを選択的に追納されると、制度設計上の費用計算が狂う可能性がある

2. 財政上の安定: 古い月から追納させることで、長期的な追納パターンを制度的にコントロールする

実務上の問題点:

  • 10年前の免除期間(3年度以上前)を追納すると加算額が発生し、当時の保険料(令和8年度より安かった場合でも)に利子相当が上乗せされる
  • 例: 令和3年度の免除期間を令和8年度に追納する場合(5年度前=3年度以上前に該当)→ 令和3年度の保険料月額(16,610円)に加算額が上乗せされた額を支払う必要がある
  • 追納前に「追納した方が得か、しない方が(年金額が少なくても)得か」を損益計算することが実務アドバイスとして重要です

【追納の損益分岐点計算】

全額免除期間の追納の損益分岐点:

  • 免除期間の年金額算入: 追納前=2分の1算入、追納後=100%算入(差額=1月あたり老齢基礎年金満額÷480×(1-1/2))
  • 令和8年度満額(代表値・年額換算: 70,608円/月×12)を基準に1か月分の差額を計算:

- 追納による年金増額(1か月分)≒ 年額70,608円/月×12 ÷ 480 × 1/2

- ≒ 847,296円 ÷ 480 × 0.5 ≒ 月約882円の年金増額(年額

※ この数値はVolatileBoxの70,608円/月から算出(令和8年度代表値)。

  • 追納コスト(3年度以上前でない場合): 当時の保険料額(例: 16,610円/月・令和3年度)
  • 損益分岐点: 16,610円 ÷ 882円/年 ≒ 約19年(19年受給すれば追納費用を回収)

65歳から受給開始して84歳まで生存すれば損益が合うという計算になります。健康状態が良好で長生きが見込まれる場合は追納が有利です。

【国民年金基金の「確定給付型」の意味と加入限度額】

国民年金基金は確定給付型(DB型)で、加入時の年齢・性別・選択したコースで将来の年金額が確定します。iDeCo(確定拠出型)と異なり:

  • 運用リスクは基金が負担(加入者は運用成績によって年金額が変わらない)
  • 代わりにインフレ対応は弱い(スライドなしのため実質価値が下がる)

加入限度額:

  • 令和8年度試験基準日(2026-04-10)時点の現行: 第1号被保険者のiDeCo拠出上限は月68,000円(国民年金基金とiDeCoの合算上限が月68,000円)
  • 令和8年12月施行予定改正: 第1号被保険者の拠出上限が月68,000円→75,000円に引き上げ(IDECO_LIMIT_KAISEI_DATE=2026-12-01)。ただし試験基準日(2026-04-10)時点で未施行=令和8年度試験は現行68,000円が出題対象(出題対象外=7.5万円選択肢は誤り)
  • 令和6年12月のiDeCo改正(企業型DC加入者の上限変更)は社一・厚生年金連動論点として既施行

【「追納」vs「前納」vs「口座振替割引」の違い(実務混同注意)】

| 制度 | 対象 | タイミング | 効果 |

|---|---|---|---|

| 追納 | 免除・特例・猶予の承認を受けた過去の期間 | 10年以内(遡って) | 年金額への算入 |

| 前納 | 将来の保険料を先払い | 6か月・1年・2年単位で先払い | 保険料の割引(節約) |

| 口座振替割引 | 当月分を早引き落とし | 当月分を月初引き落とし | 月あたり50円の割引 |

追納と前納は全く性格が異なります(追納=過去の免除期間の穴埋め、前納=将来分の先払い割引)が、「追納」と「前納」を混同する誤りが試験で誘導されることがあります。

【上位接続:社会保険一般常識との連動(iDeCoの上限改正・2024〜)】

令和6年12月1日施行のiDeCo改正(企業型DC加入者の個人型DC加入限度額の変更・会社員の上限引上げ等)は社一科目の重要改正論点です。第1号被保険者(自営業者)のiDeCo上限(月68,000円・国民年金基金との合算)は変更されていませんが、制度全体の把握が社労士として求められます。

社労士試験の「社会保険一般常識」では国民年金基金・iDeCoの制度概要を押さえつつ、「第1号被保険者がどの上乗せ制度を選択できるか」という横断知識(付加年金/国年基金/iDeCoの三択・各々の上限・税制メリット)が最重要の実務知識です。

<!-- 監修確定 2026-06-07 legal-reviser: (1)正答エ(追納後は保険料納付済期間として年金額に全額算入)はe-Gov国年法第94条第4項で確認・正しい。(2)選択肢ア:付加保険料申出者は国民年金基金加入不可(国年法第127条第3項)・条文通り=誤り。選択肢イ:追納期間「翌年度から10年以内」(国年法第94条第1項)正しい。選択肢ウ:「古い月から」は誤りで、正しくは「期間の経過順(古い順)」を原則とするが新しい月から納付することも可(国年法施行令第10条)→ウは「古い月から順に納付しなければならない」と「新しい月から不可」とまでは断定しないため微妙。本問は「正しいもの」を選ぶ問題で、最も明確に正しいのはエ。(3)iDeCo改正(令和8年12月施行・68000→75000円)は試験基準日(2026-04-10)時点で未施行=現行68,000円が出題対象とvolatile_masterに新規登録(IDECO_LIMIT_KAISEI_DATE)。(4)基準日外改正混入なし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第94条(追納)・第128条以下(国民年金基金)・第87条の2(付加保険料との関係) 数値参照: KOKUNEN_HOKENRYO_MONTHLY={{KOKUNEN_HOKENRYO_MONTHLY}}(17,920円/月・令和8年度)・2026-04-01発効(一次確認: 日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150327.html) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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