問題
遺族基礎年金の額に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はイです。
子のみが遺族基礎年金を受給する場合の加算規定(第39条の2)は「受給権を取得した子が二人以上あるとき」に適用されます。子が1人だけのときはこの規定の適用がなく、第38条の基本額(847,300円)のみが支給されます。
アは誤り。子の加算額は1人目・2人目は各243,800円ですが、3人目以降は各81,300円と低くなります。ウは誤り。子のみ受給の場合、基本額に加算額を加えた合計額を子の数で除します(基本額のみを除すのではありません)。エは誤り。年齢による多寡はなく、合計額を人数で均等に除します。オは誤り。昭和31年4月1日以前生まれの老齢基礎年金満額(月額70,408円)は、以後生まれの満額(月額70,608円)より低い額です。
遺族基礎年金の受給パターンによる額の違い:
| 受給者 | 根拠条文 | 計算方法 |
|---|---|---|
| 子のある配偶者 | 第39条 | 基本額+子の加算額(1・2人目は各243,800円、3人目以降は各81,300円) |
| 子のみ(1人) | 第38条のみ | 基本額(847,300円)のみ・加算なし |
| 子のみ(2人以上) | 第39条の2 | (基本額+子の加算額の合計)÷子の数 |
イの正の詳細(子が1人のときに第39条の2が適用されない理由):
第39条の2は「当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について遺族基礎年金の受給権を取得した子が二人以上あるとき」に適用される規定です。子が1人であれば按分の必要がなく、第38条の基本額がそのまま支給されます。
ウの誤りの詳細(按分の対象は合計額):
子が3人の場合、第39条の2第1項により、基本額に「その子のうち一人を除いた子」について加算額(1人は243,800円相当、以降は81,300円相当)を加えた合計額を子の数(3人)で除します。基本額だけを分けるわけではありません。
オの誤りの詳細(生年月日区分):
老齢基礎年金の満額は生年月日で区分され、昭和31年4月2日以後生まれの方が昭和31年4月1日以前生まれより高い額(月額70,608円 対 月額70,408円)です。遺族基礎年金の基本額(第38条)も老齢基礎年金満額(第27条)と同じく「78万900円×改定率」で計算されるため、同じ大小関係になります。
【遺族基礎年金の「子のある配偶者」と「子のみ」の給付構造の違い】
遺族基礎年金は、受給者が「子のある配偶者」か「子のみ」かによって計算条文が分かれています(第39条・第39条の2)。この構造は、配偶者が子を養育する場合と、配偶者が既に死亡・離婚等で存在せず子だけが遺族となる場合とで、給付の受け皿を明確に分けるための設計です。
子のみ受給時の按分の考え方:
子のみが受給権者となる場合、受給権を取得した子がそれぞれ受給権を持ちます(遺族の範囲は第37条の2)。ただし、子の人数分の基本額をそれぞれ支給するのではなく、「基本額+加算額の合計」を子の数で除して各子に配分します(第39条の2第1項)。加算の対象は「子のうち一人を除いた子」なので、同じ人数の子がいる「子のある配偶者」の場合(第39条第1項・子全員が加算対象)と比べると、総額は子1人分の加算額だけ少なくなります。
子の数の増減による改定:
第39条の2第2項により、受給権を有する子の数に増減があったときは、その増減を生じた日の属する月の翌月から年金額が改定されます。出生や、子の側の失権事由(婚姻・養子縁組・18歳到達年度末経過など)による人数変動に応じて機動的に見直される仕組みです。
生年月日区分(昭和31年4月1日)の意義:
改定率は、受給権者が65歳に達した日の属する年度の初日の属する年の3年後の年の4月1日の属する年度(基準年度)以後は、第27条の3(調整期間中は第27条の5)により物価変動率を基準に改定され(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは名目手取り賃金変動率)、それより前は第27条の2(調整期間中は第27条の4)により名目手取り賃金変動率を基準に改定されます。この2つの率が分かれた年度の差が残っているため、昭和31年4月1日以前生まれの方の満額がわずかに低くなっています。遺族基礎年金の基本額(第38条)も「78万900円×改定率」なので、同じ区分・大小関係が生じます。なお、子の加算額(第39条第1項・第39条の2第1項)は「第27条の3及び第27条の5の規定の適用がないものとして改定した改定率」を使うため、生年月日による区分はありません。
社労士実務との接続:
遺族相談において、配偶者を亡くした後に別の遺族(例えば再婚した元配偶者との間の子)が複数いる場合など、按分計算が複雑になるケースがあります。社労士は「加算額の対象人数」と「按分の対象人数」を正確に区別し、机上の計算を誤らないことが求められます。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第38条(年金額)・第39条第1項(配偶者に支給する遺族基礎年金の額)・第39条の2第1項・第2項(子に支給する遺族基礎年金の額)・第27条の2〜第27条の5(改定率)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) e-Gov 法令API v2 で全文照合 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

