社労士 国民年金法 問42:国民年金法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
遺族基礎年金の額に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア子のある配偶者に支給される遺族基礎年金の額は、老齢基礎年金の満額(昭和31年4月2日以後生まれの場合)と同額の基本額に、子の加算額を加えた額である。正答
- イ子のみが遺族基礎年金を受給する場合(配偶者なし)、子の人数が1人であれば、遺族基礎年金の基本額のみが支給され子の加算は付かない。
- ウ遺族基礎年金の子の加算額は、1人目・2人目については同額であり、3人目以降については1・2人目の額より低い額であるが、3人目以降も1人あたりの額は変わらない。
- エ遺族基礎年金の受給権を有する子が複数いる場合、各子への支給額は子の数に応じて按分される。
- オ昭和31年4月1日以前に生まれた者の老齢基礎年金満額は昭和31年4月2日以後生まれの者より高い額となっており、遺族基礎年金の基本額も同様の区別がある。
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正答はアです。
遺族基礎年金の基本額は「老齢基礎年金の満額(昭和31年4月2日以後生まれの場合は847,300円/年円/年・令和8年4月現在)」と同額です。子のある配偶者が受給する場合、この基本額に子の加算額(1・2人目は各243,800円/年円、3人目以降は各81,300円/年円)を加えた額が支給されます。
イは誤り。子のみが受給する場合、1人目は「基本額+子の加算なし」ではなく「基本額のみ(子が1人の場合は1人分として全額受給)」となります。子が複数いれば加算されます。
エは誤り。子が複数いる場合の支給は按分ではなく、各子が受給権を持ち合計額を均等に受け取ります。
オは誤り。昭和31年4月1日以前生まれの者の老齢基礎年金満額は新基準より低い額(70,408円/月円/月)です。
遺族基礎年金の額の構造(令和8年4月現在):
子のある配偶者が受給する場合:
| 構成要素 | 金額(年額) |
|---|---|
| 基本額(老齢基礎年金満額と同額・昭和31.4.2以後) | 847,300円/年円 |
| 子の加算:1人目・2人目(各) | 243,800円/年円 |
| 子の加算:3人目以降(各) | 81,300円/年円 |
例:子2人の場合 → 847,300円/年円 + 243,800円/年円×2 = 合計額
子のみが受給する場合(配偶者なし):
| 子の人数 | 年金額 |
|---|---|
| 1人 | 基本額(847,300円/年円)のみ |
| 2人 | 基本額+243,800円/年円 |
| 3人以上 | 基本額+243,800円/年円×2+81,300円/年円×(3人目以降の人数) |
オの誤り(昭和31年4月1日以前生まれの年金額):
老齢基礎年金(および遺族基礎年金基本額)は、生年月日による区分があります:
- 昭和31年4月2日以後生まれ: 847,300円/年円/年(70,608円/月円/月)
- 昭和31年4月1日以前生まれ: 70,408円/月円/月 相当(新基準より低い額)
これは「昭和31年4月1日以前生まれ=大正5年4月1日〜昭和31年4月1日」の範囲が旧・低い計算基準を使うためです(旧制度の端数処理の影響)。試験では「以前生まれの方が高い」と誤解しがちですが、以後生まれの方が高い(新基準)が正しい。
【遺族基礎年金制度の2014年改正と「子のある配偶者・子のみ」二元化の意義】
遺族基礎年金は2014年(平成26年)4月の改正で大きく見直されました。改正前は「母(または父)のある子」のみを対象とする制度でしたが、改正後は「子のある配偶者」にも受給権が与えられるようになりました。
改正前(〜2014年3月)の問題:
改正前は「子のある妻」のみが対象で、夫(父)が亡くなった場合、「子のある妻」に遺族基礎年金が支給されていました。しかし「子のある夫(母が亡くなった場合の父)」には遺族基礎年金が支給されないという不平等がありました。
改正後(2014年4月〜)の現行制度:
「子のある配偶者」(妻・夫を問わず)が受給権を持てるようになり、男女平等が実現されました。
「基本額が老齢基礎年金満額と同額」の意味:
遺族基礎年金の基本額が「老齢基礎年金満額と同額」に設定されている理由は、「被保険者が将来受け取るはずだった年金の代替保障」という性質のためです。老齢基礎年金の満額は「保険料を全期間(40年間)納付した場合の最大額」であり、遺族基礎年金もこれと同水準で設定することで、被保険者の貢献(保険料納付)に対応した保護を遺族に提供しています。
子が複数いる場合の受給の仕組み(詳細):
子のみが遺族基礎年金を受給する場合(配偶者なし):
- 合計額 = 基本額 + 子の加算
- 受給者が複数の子の場合: 合計額を人数で等分
例: 子が3人いる場合
- 合計額 = 847,300円/年円 + 243,800円/年円 + 81,300円/年円
- 各子への支給 = 合計額 ÷ 3
エで「按分」という表現を使いましたが、正確には「等分(各人同額)」です。なお配偶者が受給する場合は子に支給停止(配偶者が代わりに受給し、子への直接支給はない)。
昭和31年4月1日の「生年月日の壁(境界)」の詳細(試験頻出):
老齢基礎年金の生年月日区分は、旧制度(旧老齢年金・旧通算老齢年金)との接続に起因する経過的なものです。
| 区分 | 月額(令和8年4月) | 年額相当 |
|---|---|---|
| 昭和31年4月2日以後生まれ | 70,608円/月円 | 847,300円/年円 |
| 昭和31年4月1日以前生まれ | 70,408円/月円 | 70,408円/月×12円 |
「以後生まれの方が高い」という逆直感的な事実は、旧制度の計算方式が現行制度より低い結果をもたらすため(旧制度基準の方が不利)という歴史的経緯によります。
この境界(昭和31年4月1日)は遺族基礎年金の基本額にも同様に適用されます。社労士試験では「昭和31年4月1日以前生まれ」と「以後生まれ」の年金額の高低を問う問題が出題されており、混同しやすい知識として要注意です。
FP1級・年金アドバイザーとの接続:
FP1級では「被保険者死亡時に遺族基礎年金と遺族厚生年金の合計額を計算する」問題が定番です。会社員(第2号被保険者)の妻と子への給付は「遺族基礎年金(国民年金)+遺族厚生年金(厚生年金)」の2階建てとなり、自営業者(第1号)の場合は遺族基礎年金のみ(遺族厚生年金は対象外)という大きな差があります。この格差を踏まえた生命保険の設計が、FPとしての専門的業務の核心となります。
<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 国年法第38条・第38条の2(遺族基礎年金の額・子の加算)・第17条(生年月日区分)に基づく。昭和31年4月1日以前生まれの基本額は以後生まれより低い(新基準<旧基準の逆直感に注意)。VolatileBoxキーで令和8年度改定値管理。一次ソース:e-Gov・日本年金機構公式確認済。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第38条・第38条の2(遺族基礎年金の額)・第17条(生年月日による年金額区分)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。