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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 国民年金法 問60|改定率の改定の構造

問題

社労士 | 国民年金法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

国民年金の年金額の改定に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

受給権者が65歳に達した日の属する年度の初日の属する年の3年後の年の4月1日の属する年度(基準年度。おおむね68歳に達する年度)以後に適用される「基準年度以後改定率」は、第27条の3第1項により、物価変動率を基準として改定しますが、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率を基準とします。

イは誤り。基準年度前には第27条の2(調整期間中は第27条の4)が適用され、基準年度以後の第27条の3(調整期間中は第27条の5)とは別の規定です。ウは誤り。名目手取り賃金変動率が1を下回る場合は、第27条の4第2項により調整率を用いず、名目手取り賃金変動率を基準とします。エは誤り。調整率は、公的年金被保険者総数の比率の3乗根となる率に0.997を乗じて得た率です(第27条の4第1項第1号・第2号)。オは誤り。名目手取り賃金変動率は、物価変動率に、標準報酬平均額の変動に基づく率(第27条の2第2項第2号)と保険料率の変化に基づく率(同項第3号)を乗じて得た率です。

新規裁定者と既裁定者で異なる改定規定:

対象者通常時の規定調整期間(マクロ経済スライド発動時)の規定
新規裁定者(基準年度前)第27条の2(名目手取り賃金変動率を基準)第27条の4(名目手取り賃金変動率に調整率を乗じる)
既裁定者(基準年度以後)第27条の3(物価変動率、ただし物価>賃金なら賃金)第27条の5(第27条の3の基準に調整率を乗じる)

アの正の詳細:

第27条の3は「受給権者が六十五歳に達した日の属する年度の初日の属する年の三年後の年の四月一日の属する年度(基準年度)以後において適用される改定率(基準年度以後改定率)の改定については、…物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)を基準とする」と定めています。基準年度以後は物価変動率が基準ですが、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは低い方の名目手取り賃金変動率が使われる、という読み方になります。

ウの誤りの詳細(名目下限の仕組み):

第27条の4第2項は「名目手取り賃金変動率が一を下回る場合の調整期間における改定率の改定については、前項の規定にかかわらず、名目手取り賃金変動率を基準とする」と定めています。賃金がマイナスの年度は、マクロ経済スライドによる追加の調整(さらなる抑制)を行わず、賃金の変動率をそのまま用います。

【マクロ経済スライドの規定構造と新規裁定者・既裁定者の区分の意義】

マクロ経済スライドは、少子高齢化に応じて年金の給付水準を自動的に調整する仕組みで、国民年金法上は第27条の2から第27条の5までの複数の条文に分かれて規定されています。

通常時の改定(調整期間外):

第27条の2は、平成16年度における改定率を1とし(第1項)、毎年度、「名目手取り賃金変動率」を基準として改定率を改定する旨を定めています(第2項)。名目手取り賃金変動率は、①物価変動率(前々年に対する前年の全国消費者物価指数の比率)に、②厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額の変動に基づく率(物価の変動を除いた3年平均)と、③保険料率の変化に基づく率を乗じて得た率です(同項各号)。これが基準年度前の受給権者に適用される基本ルールです。

基準年度以後改定率(既裁定者向け、第27条の3):

受給権者が65歳に達した日の属する年度の初日の属する年の3年後の年の4月1日の属する年度(基準年度)以後は、物価変動率を基準に改定します。ただし物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率を基準とします(第27条の3第1項)。

調整期間における特例(第27条の4・第27条の5):

マクロ経済スライドが発動される「調整期間」においては、新規裁定者は第27条の4、既裁定者は第27条の5に基づき、それぞれの基準となる率(名目手取り賃金変動率、又は物価変動率〔物価>賃金なら賃金〕)に「調整率」を乗じて改定率を算出します。調整率は、公的年金被保険者総数の比率(5年前の年の4月1日の属する年度に対する前々年度の比率)の3乗根となる率と、0.997(一般に平均余命の伸びを勘案した率と説明される固定値)を乗じた率で、1を上回るときは1とします(第27条の4第1項第1号・第2号)。

名目下限の仕組み(第27条の4第1項・第2項):

第27条の4第1項は、算出された率(名目手取り賃金変動率×調整率×前年度特別調整率)が1を下回るときは1とみなす旨を定めており、これにより通常の枠組みでは年金の名目額が前年度を下回らないよう配慮されています。ただし第2項により、名目手取り賃金変動率そのものが1を下回る(賃金がマイナスの)場合は、この枠組み自体を適用せず、名目手取り賃金変動率をそのまま基準とします。つまり、賃金の下落による年金額の低下自体はあり得ますが、賃金がプラスの年度に、マクロ経済スライドの調整によって名目額が前年度を下回ることはない、という構造です。

キャリーオーバー(特別調整率)の仕組み:

第27条の4第3項の「特別調整率」(平成29年度を1として設定)は、その年度に名目下限のために反映しきれなかった調整分を翌年度以降に繰り越す仕組み(キャリーオーバー)に対応する規定です。名目手取り賃金変動率が低い年度が続くと、繰り越された調整分が蓄積し、賃金・物価が上昇した年度にまとめて反映されることがあります。

社労士実務との接続:

年金額の改定の仕組みを相談者に説明する際、社労士は「新規裁定者(65歳前後)」と「既裁定者(68歳以降、基準年度以後)」とで適用される規定・基準となる変動率が異なることを踏まえ、単純に「賃金と物価の低い方」とだけ説明すると不正確になる点に注意が必要です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第27条の2(改定率の改定等)・第27条の3(基準年度以後改定率)・第27条の4(調整期間における改定率の改定の特例)・第27条の5(調整期間における基準年度以後改定率の改定の特例)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) e-Gov 法令API v2 で全文照合 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 改定率の改定の構造(新規裁定者と既裁定者の違い・調整期間の特例
  • 頻出度A

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