労働一般常識15労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)

社労士 労働一般常識 問15:労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。

  • 育児休業は、子が1歳(または一定の要件を満たす場合は1歳6か月・2歳)に達するまでの期間について取得することができる。育児休業の取得回数は1回に限られており、育児休業を一度取得して職場に復帰した後は、同一の子について再度育児休業を取得することはできない。
  • 2022年10月施行の改正により新設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、子の出生後8週間以内に4週間(28日)を上限として取得できる育児休業である。この産後パパ育休は2回まで分割して取得することができる。正答
  • 介護休業は、要介護状態にある対象家族1人について通算93日を上限として取得できる。2016年の法改正により、93日を上限として3回まで分割して取得することが認められた。取得回数の上限が3回であるため、3回目の終了後に同一の対象家族について再度取得することはできない。
  • 有期契約労働者は、育児休業の取得要件を満たさないため、育児休業を取得することができない。有期労働者(パートタイム・契約社員)が育児休業を取得するためには、正社員(無期雇用)へ転換する必要がある。
  • 育児休業を取得した労働者は、育休終了後に職場復帰する際、育休前の職位・職場に原則として復帰させなければならない。事業主が育休取得を理由として職位の降格・賃金の引下げ等の不利益な取扱いをすることは不当な取扱いとして禁止されている。
正答:2022年10月施行の改正により新設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、子の出生後8週間以内に4週間(28日)を上限として取得できる育児休業である。この産後パパ育休は2回まで分割して取得することができる。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・通達も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

正答はイ(正しい記述)です。

2022年10月施行の改正により、子の出生後8週間以内に取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」が新設されました。上限は28日(4週間)で、2回まで分割して取得できます。これは通常の育児休業(子1歳まで・2回分割)とは別の制度です。

アは誤りで、通常の育児休業も2022年改正で2回まで分割して取得できるようになりました(「1回のみ」は改正前の旧制度)。ウは誤りで、介護休業の3回分割の上限に誤りはありませんが、「3回目終了後は取得できない」という記述は93日の通算上限を超えない限りは3回が上限(93日から余った日数があれば追加取得は不可・3回以内で93日まで)という点で検討が必要です。エは誤りで、一定の要件を満たす有期労働者も育児休業を取得できます。オは概ね正しい記述です。

標準試験対策の基準レベル

2022年改正後の育児休業の分割取得(最重要整理):

| 制度 | 取得対象 | 上限期間 | 分割回数 | 施行日 |

|---|---|---|---|---|

| 通常の育児休業 | 子1歳まで(延長で最大2歳) | 子の年齢による | 2回まで分割可 | 2022年10月1日 |

| 産後パパ育休(出生時育児休業) | 子の出生後8週間以内 | 28日(4週間) | 2回まで分割可 | 2022年10月1日 |

| 介護休業 | 要介護対象家族1人につき | 通算93日 | 3回まで分割可 | 2017年1月1日 |

有期労働者の育児休業取得要件(エの誤りの解説):

2022年4月施行の改正で、有期労働者の育児休業取得要件が緩和されました。

| 改正前(2022年4月前) | 改正後(2022年4月〜) |

|---|---|

| ①雇用継続1年以上 ②子が1歳6か月になるまでの間に契約が満了することが明らかでない | ①の「雇用継続1年以上」の要件を廃止(②のみに)。労使協定で別途1年以上継続雇用を要件とすることは可能 |

現行では「育休申出時点で子が1歳6か月に達するまでの間に雇用契約が満了することが明らかでない有期労働者」は育児休業を取得できます(エの「取得できない」は誤り)。

ウ(介護休業3回分割)の正確な理解:

介護休業は対象家族1人につき通算93日・3回まで分割が正しい。「3回目終了後に取得不可」という記述は「3回の分割回数制限」と「93日の通算上限」の両方の制限から生じます。93日内であれば3回目が終わっても「3回の上限はすでに使った」ため新たな介護休業は取得できません(ウの趣旨は概ね正しいが、「93日の通算上限」という本質的な制限への言及が欠けている点で不正確)。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【2022年改正の全体像と「男性育休取得促進」の政策意図】

2022年は育児・介護休業法の大規模改正が段階的に施行された年です。

| 施行時期 | 主な改正内容 |

|---|---|

| 2022年4月1日 | ①有期労働者の育休取得要件緩和(雇継1年要件廃止) ②育休取得状況の公表義務(従業員1,000人超) ③妊娠・出産の申出者への周知・意向確認義務 |

| 2022年10月1日 | ④産後パパ育休(出生時育児休業)新設 ⑤通常育児休業の2回分割取得 ⑥育休中の就業(労使協定・本人同意) |

| 2023年4月1日 | ⑦育休取得状況の公表義務(従業員300人超) |

産後パパ育休の「設計の核心」—パパが取りやすくするための工夫:

産後パパ育休(出生時育児休業)が「通常の育児休業」と別建てで設計されている理由は、父親が産後直後(子の出生後8週間以内)に休業しやすくするためです。

通常の育児休業は「休業開始1か月前までの申出」が原則ですが、産後パパ育休は「休業開始2週間前までの申出」で取得できます(緊急の場合により柔軟な対応が可能)。また、「育休中の就業(一時的・臨時的な就業)」が産後パパ育休では制度上認められており、「完全休業でなく、週に数日は仕事しながら」という柔軟な取り方が可能です(ただし本人・事業主双方の合意が必要)。

育休中就業の「就業可能時間の上限」:

産後パパ育休中の就業は、休業期間中の所定労働日数・所定労働時間の2分の1以下という上限があります。これを超えた場合は育休と認められなくなります(育休給付金の支給にも影響)。

「出生後休業支援給付金」との連動(令和7年4月施行改正):

2025年4月施行の改正で「出生後休業支援給付金」(13%%の上乗せ・最大28日間・両親がそれぞれ14日以上取得する場合)が創設されました(育児休業給付67%+本給付13%%=合計80%%、社会保険料免除と合わせて手取り実質10割相当)。この給付制度は産後パパ育休制度の「2回分割・夫婦同時取得可」という柔軟性と組み合わせることで、男性の育休取得インセンティブを大幅に高めました。令和5年度の男性育休取得率が初めて30%を超えた(30.1%%)背景の一つです。

介護休業の「3回分割」と「実務での使い方」:

介護休業の93日・3回分割は「介護の山場(入退院・施設入所等)に応じて計3回、集中的に休業して対応する」という設計です。「最初から長く連続して休む」ではなく「必要な時期に集中して使う」ことを想定しています。実際の介護は「本人が在宅か施設かによって家族の関与の濃淡が変わる」ため、3回の分割取得は実態に即した柔軟な対応を可能にします。

ただし、介護休業は「長期的な施設ケアの担い手」ではなく「介護体制が整うまでの期間的なつなぎ」という位置づけです。社労士試験では「介護休業=長期の介護期間全体をカバーする制度ではない」という点が重要な理解です。これに加えて「介護休暇(1日単位・時間単位)」「所定外労働・時間外労働・深夜業の制限」「介護のための短時間勤務制度」等の周辺制度との組み合わせで、実際の介護と仕事の両立が図られます。

社労士はこれらの制度を使った「介護離職防止のための就業規則整備・相談対応」を事業主支援の中心に据えることが求められています。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 育児・介護休業法第5条(育児休業の申出・取得要件・2回分割可)・第9条の2〜第9条の5(産後パパ育休=出生時育児休業・28日上限・2回分割可)・第11条・第15条(介護休業・対象家族1人につき通算93日・3回上限)・第5条第1項括弧書き(2022年4月改正で有期労働者の雇継1年要件廃止)・第10条(不利益取扱いの禁止) 施行日: 産後パパ育休・育休2回分割=2022年10月1日/有期労働者要件緩和=2022年4月1日 一次ソース: e-Gov 育児・介護休業法 https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000076 ・厚労省 改正育介法概要 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 一次ソース突合。①2022年10月改正で通常の育児休業も2回分割取得可(育介法第5条第2項)→ア「1回に限られる」は誤り。②産後パパ育休=出生時育児休業(育介法第9条の2〜):子の出生後8週間以内・28日(4週間)上限・**2回分割可**(第9条の2第4項)→イ正解。③介護休業=対象家族1人につき通算93日・3回まで分割可(第15条)。3回の上限を使い切る・93日通算を使い切ると同一対象家族について原則再取得不可→ウ概ね正しい記述(重大な誤りではないが「不正確な部分あり」として正答とはしない)。④2022年4月改正で有期労働者の雇継1年要件廃止(第5条第1項括弧書き)。子が1歳6か月までに契約満了が明らかでない有期労働者は育休取得可→エ「取得できない・正社員転換要」は誤り。⑤育休取得を理由とする不利益取扱い禁止(第10条)→オ正しい。正答イで確定。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

関連論点

育児・介護休業法の育休・介護休業取得要件と複数回分割(育休2回・介護3回頻出度A

労働一般常識の他の問題

1
労務管理その他労働に関する一般常識(労一)
2
労務管理その他労働に関する一般常識(労一)
3
労務管理その他労働に関する一般常識(労一)
4
労務管理その他労働に関する一般常識(労一)
5
労務管理その他労働に関する一般常識(労一)
6
労務管理その他労働に関する一般常識(労一)
労働一般常識の一覧

科目別に解いて、社労士に合格

10科目のオリジナル問題。各問に根拠条文とAI解説(3レベル)付き・閲覧無料。