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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働一般常識 問24|労働協約の拡張適用・地域的一般的拘束力・4分の3要件・労組法17条/18条

問題

社労士 | 労働一般常識 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働組合法(労組法)に規定する労働協約の拡張適用(一般的拘束力)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はア(正しい記述)です。

アの記述は労組法第17条(事業場における一般的拘束力)を正確に説明しています。一の事業場で同種の労働者の4分の3以上が一の労働協約の適用を受けるに至ったとき、その事業場に使用される他の同種の労働者にも当該労働協約が自動的に拡張適用されます。

イは誤りです。労組法第18条(地域的一般的拘束力)の数値要件は条文上「大部分」と規定されており、「3分の2以上」という分数は条文に明記されていません。判例・学説上は4分の3を目安とする見解もありますが、条文の正確な表現を押さえてください。ウは誤りです。第17条の要件は「3分の2」でも「過半数」でもなく4分の3以上です。エは誤りです。第18条の申立て要件は「一の労働協約の当事者」であり、「多数組合」という別の概念を条件としていません。オは誤りです。第17条の拡張適用は「当該事業場」に限定されており、同一企業の他の事業場には当然には適用されません。

第17条(事業場単位の一般的拘束力)と第18条(地域的一般的拘束力)の比較:

項目第17条(事業場単位)第18条(地域的)
適用範囲一の事業場一定の地域
数値要件同種労働者の4分の3以上(条文に明記)同種労働者の「大部分」(条文の文言/分数の明記なし・解釈上は4分の3が目安とされる見解あり)
発動方式自動適用(要件充足で当然適用)申立て → 労働委員会の決議 → 厚生労働大臣または都道府県知事の決定
適用対象当該事業場の他の同種労働者当該地域で従業する他の同種労働者・使用者

第18条の「申立て制」(イの根拠・誤りの訂正):

地域的一般的拘束力(第18条)は、自動適用ではなく申立て→労働委員会の決議→厚生労働大臣または都道府県知事の決定というプロセスを要します。

  • 申立て者:一の労働協約の当事者(労働組合または使用者)の双方または一方
  • 決議:労働委員会
  • 決定者:厚生労働大臣(全国規模)または都道府県知事(都道府県単位)
  • 決定の効果:当該地域の同種労働者および使用者への協約内容の拡張適用

イの「3分の2以上」という数値は条文に根拠がありません。第18条の数値要件は条文上「大部分」と規定されており、明確な分数の指定はない点が重要です(17条が「4分の3」を明記しているのと対照的)。判例・学説上は実質的には4分の3以上が必要とする見解が有力ですが、条文の正確な文言は「大部分」です。

第17条の地理的限定(オの根拠・誤りの確認):

第17条は「一の事業場」に限定されており、同一企業内の別事業場には自動拡張されません。これは事業場ごとの労使関係の独立性を尊重した規定です。

【一般的拘束力制度の歴史的背景と「組合率低下」の現代的課題】

日本の労働組合の推定組織率は長期的に低下傾向にあり(最新値は厚生労働省「労働組合基礎調査」で確認)、労働協約の適用を受ける労働者は全体の少数派です。

一般的拘束力の位置づけ:

  • 企業別組合が中心の日本では、第17条の「事業場単位の拡張適用」が主に機能してきた
  • 組合組織率の低下・非正規労働者の増加により、第17条の「4分の3以上」を満たせる事業場が減り、一般的拘束力の実効性は低下している

【第17条の「4分の3」の意義とその効果】

「4分の3以上」という高い閾値を設定しているのは、少数の非組合員のために協約当事者の労使が交渉した条件を覆すことへの抵抗感を緩和するためです。4分の3以上が適用を受けている場合、その事業場でその協約が「支配的基準」となっていると評価されます。

自動適用の範囲:

  • 「他の同種の労働者」とは、組合員でない労働者(非組合員)が主な対象
  • 「同種」の判断は、職種・職務内容・雇用形態等で判断(パートと正社員が同種か否かは争点になりうる)
  • 組合員でない労働者にとっては、有利な条件だけでなく不利な条件も適用される(デメリットもある)

なお、第17条は「一の事業場」に限定される規定であるため、例えば本社と工場で別々の組合・協約がある場合、本社の協約が4分の3要件を満たしても工場の非組合員に自動適用されることはありません。

【第17条の「同種の労働者」判断を巡る法的争点】

「同種の労働者」の解釈は、実務上の重要な争点です。特に正規労働者(組合員)と非正規労働者(パートタイマー・有期雇用)が同一事業場に混在する場合の取扱いが問われます。

現代的な課題:

1. 均等待遇の観点: 同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用法)の制定により、「正規・非正規の協約上の格差」が合理性なく維持されることへの批判が強まっている

2. 第17条と均等待遇法の関係: 非組合員(非正規)に不利な協約内容が拡張適用される場合、均等待遇の観点から問題になりうる

【地域的一般的拘束力(第18条)の実際の活用と限界】

第18条の地域的一般的拘束力は、戦後の一部産業・地域での活用事例はありましたが、現代では実質的にほとんど機能していない制度と言われます。

活用の困難な理由:

1. 「大部分」要件: 同一地域の同種労働者の大部分が一の協約の適用を受けていることが必要で、組合率が低下した現代では達成が困難

2. 「一の労働協約」の特定の難しさ: 産業別・地域別の横断的協約が少ない日本では、地域の大部分をカバーする「一の協約」が存在しにくい

3. 手続のハードル: 当事者の申立て→労働委員会の決議→厚生労働大臣又は都道府県知事の決定という手続が必要

社労士は労使関係の専門家として、第17条・第18条の一般的拘束力の現代的意義と限界を理解した上で、企業の協約交渉・労使協定の設計を支援する役割を担います。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働組合法第17条(一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上)・第18条(一の地域において従業する同種の労働者の大部分・当事者の双方又は一方の申立て・労働委員会の決議・厚生労働大臣又は都道府県知事の決定) 一次ソース: e-Gov 労働組合法第17条・第18条 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 ・厚生労働省 労働組合法の概要 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudoukumiai.html 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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