労働一般常識27労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)

社労士 労働一般常識 問27:労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

次世代育成支援対策推進法(次世代法)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。

  • 次世代育成支援対策推進法は2003年に制定され、当初2015年3月末までの時限立法とされていたが、延長を重ねて現在も有効な法律である。事業主に対して次世代育成支援のための「一般事業主行動計画」の策定・届出を義務付けている(常時雇用労働者101人以上の事業主に義務・100人以下は努力義務)。
  • 常時雇用する労働者が101人以上の事業主は、一般事業主行動計画を策定した後、その内容を厚生労働大臣(都道府県労働局長)に届け出なければならない。また、行動計画の内容および実施状況を「一般に公表しなければならない」(公表義務がある)。
  • くるみん認定(次世代法に基づく認定)を受けるためには、計画期間内に男性労働者の育児休業等取得率が10%以上であること(または男性の育児のための各種休暇取得率が20%以上等の代替要件の充足)等の認定基準を満たす必要がある。
  • プラチナくるみん認定は、くるみん認定を受けた企業がさらに高い基準を達成した場合に認定されるものであり、プラチナくるみん認定企業はくるみんマーク(トコウロのヒナが成長した上位マーク)を使用することができ、助成金(キャリアアップ助成金の加算等)の優遇が受けられる場合がある。正答
  • 次世代法の「一般事業主行動計画」には、目標と取組内容・実施時期を盛り込む必要があり、計画期間は「2年以上5年以内」とされている。計画期間の終了後は、新たな行動計画を策定して継続的に実施しなければならない。
正答:プラチナくるみん認定は、くるみん認定を受けた企業がさらに高い基準を達成した場合に認定されるものであり、プラチナくるみん認定企業はくるみんマーク(トコウロのヒナが成長した上位マーク)を使用することができ、助成金(キャリアアップ助成金の加算等)の優遇が受けられる場合がある。

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正答はエ(誤っている記述)です。

エの誤りは「くるみんマーク(トコウロのヒナが成長した上位マーク)を使用することができ」という部分です。プラチナくるみん認定企業が使用できるのは「プラチナくるみんマーク」であり、これは通常の「くるみんマーク」とは異なる独自のデザインの上位マークです。「くるみんマークがトコウロのヒナが成長した形」という記述は不正確であり、プラチナくるみんマークはくるみんマークの「成長版」ではなく別途定められた独自のマークです。

次世代育成支援対策推進法は、常時雇用101人以上の事業主に一般事業主行動計画の策定・届出・公表を義務付ける法律です。行動計画の目標を達成した企業は「くるみん認定」、さらに高い基準を満たした企業は「プラチナくるみん認定」を受けることができます。

標準試験対策の基準レベル

次世代法の事業主義務の規模別適用(アの根拠):

| 常時雇用労働者数 | 行動計画策定 | 届出(都道府県労働局) | 公表義務 |

|---|---|---|---|

| 101人以上 | 義務 | 義務 | 義務 |

| 100人以下 | 努力義務 | 努力義務 | 努力義務(推奨) |

くるみん認定とプラチナくるみん認定の比較(エの根拠・誤りの詳細):

| 認定区分 | 主な認定基準(例) | 使用できるマーク |

|---|---|---|

| くるみん認定 | 男性育休取得率10%以上(or各種休暇20%以上)・女性の育休復帰率90%以上等 | くるみんマーク |

| トライくるみん認定 | くるみんの下位認定(2022年新設・認定基準を緩和) | トライくるみんマーク |

| プラチナくるみん認定 | くるみん認定取得済み+男性育休取得率が一定水準以上(2022年改正後:13%以上等)+より高い水準の目標達成 | プラチナくるみんマーク(くるみんマークとは別の独自デザイン) |

エの「くるみんマーク(トコウロのヒナが成長した上位マーク)」という記述は誤りです。プラチナくるみんマークはくるみんマークとは異なる独自のデザインであり、「くるみんマーク」の「成長版」ではありません。

行動計画の策定要件(オの根拠):

一般事業主行動計画に必ず盛り込む内容:

1. 目標(数値目標を含む・例「男性の育休取得率を〇%以上に」)

2. 具体的な取組内容(例「短時間勤務制度の整備」「育休取得を促す社内キャンペーン」)

3. 実施時期(いつから実施するか)

計画期間は2年以上5年以内(次世代法施行規則)。計画終了後は新たな計画を策定して継続します。届出先は所在地を管轄する都道府県労働局長です。

くるみん認定のインセンティブ(就業促進加算等):

くるみん認定・プラチナくるみん認定を受けた企業は、一定の要件のもとで以下のメリットがあります:

  • 税制優遇(認定取得年度の法人税額控除)
  • 公共調達での加点(入札参加資格での優遇措置)
  • 認定マークを採用活動・企業PR等に使用できる
  • 各種助成金の優先適用や加算(個々の助成金による)
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【次世代法の制定背景と「少子化対策」から「男性育休推進」への政策転換】

次世代育成支援対策推進法は、2003年の少子化問題への危機感から制定されました。当初の主眼は「子育てしながら働き続けられる環境の整備」でしたが、2022年の育児・介護休業法改正(産後パパ育休の創設・取得率公表義務化)との連携で、男性育休の取得促進が政策の中心軸になっています。

政策転換のポイント(2022年改正が起点):

1. 産後パパ育休(出生時育休)の創設: 子の出生後8週間以内に父親が取得できる新制度(最大4週間・分割2回取得可・給付は`80%`80%)

2. くるみん認定基準の改定: 男性育休取得率の認定基準を引き上げ(従来の7%以上→10%以上等)

3. トライくるみん認定の新設: 男性育休を「まだ実績がない企業」でも認定を目指せるエントリー基準として設置

`30.1%`(30.1%)という令和5年度の男性育休取得率は、政府目標の令和7年度50%に対して進捗しているものの、まだ目標の6割程度の水準です。

【行動計画の「実効性」を高める社労士の関与】

多くの企業(特に中小企業)が作成する次世代法の行動計画は、「形式的な目標と取組み」の羅列にとどまり、実効的な仕事・育児の両立支援に結びつかないケースが見られます。

社労士が行動計画策定支援で貢献できる点:

1. 現状分析の数値化: 男性の育休取得率・女性の復職率・時短勤務利用者数等の現状データを整備し、「測定可能な目標」を設定

2. 就業規則との整合性確認: 行動計画で定めた取組み(育休取得の促進・子の看護休暇の拡大等)が就業規則上の制度として実際に整備されているかを確認

3. 育児休業等支援コース(助成金)との連携: 行動計画の取組みを実施することで「育児休業等支援コース助成金」(1事業所1回30〜38万円)の申請資格が発生する場合がある→助成金申請支援は社労士の典型業務

【くるみん認定の活用が「採用力」と「定着率」に与える影響】

人手不足が深刻化する日本の労働市場において、「子育てしやすい職場」をブランドとして発信できるくるみん認定の企業価値は高まっています。

採用場面での活用:

  • 求人票(ハローワーク・就職情報サービス)でのくるみんマーク表示
  • 会社説明会での「男性育休取得率の公表」
  • 女性活躍推進法の認定(えるぼし・プラチナえるぼし)との「ダブル認定」でブランド力最大化

定着率への影響:

  • 実際に育休を取得した男性社員の「会社への信頼感」「帰属意識」が向上
  • 育休取得後の男性社員が職場復帰する際の「スムーズな業務引き継ぎ」のノウハウが蓄積

【上位資格(特定社労士・産業カウンセラー)との接続】

特定社労士は個別労働関係紛争の調整(育休復帰後の降格・ハラスメント等)において代理人として活動します。育休・次世代法・くるみん認定の知識は、特定社労士業務の「個別相談・あっせん代理」の前提知識として不可欠です。

産業カウンセラー・キャリアコンサルタントとの連携:「育休中の従業員のキャリア不安」「復職後の職場適応」のカウンセリングは産業カウンセラーが担い、社労士は「育休給付の手続き・就業規則上の処遇・職場復帰支援プランの書類作成」を担当する役割分担が実務上の最適解です。少子化対策が社会的課題となる中、次世代法・育介休法・女性活躍推進法の三法を横断的に理解することが、社労士の「仕事と育児の両立支援」専門家としての価値を最大化します。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 次世代育成支援対策推進法第12条(一般事業主行動計画の策定・届出・公表)・第13条(くるみん認定)・第15条の3(プラチナくるみん認定) くるみん認定基準: 次世代育成支援対策推進法施行規則(男性育休10%以上・または各種休暇20%以上等の認定基準) プラチナくるみんマーク: 「プラチナくるみんマーク」であり「くるみんマーク」とは別の上位マーク 一次ソース: こども家庭庁 くるみん・プラチナくるみん認定制度 https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/ ・厚労省 次世代育成支援対策推進法 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/jisedai/ <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): ア正しい(2003年制定・延長継続・101人以上義務・100人以下努力義務)。イ正しい(101人以上に届出義務・公表義務)。ウ正しい(くるみん認定要件として男性育休10%以上または各種休暇20%以上等・改正後基準確認要)。エ誤り(プラチナくるみん認定企業が使用できるのは「プラチナくるみんマーク」であり、「くるみんマーク(トコウロのヒナが成長した上位マーク)」という記述は誤り。プラチナくるみんのマークはくるみんマークとは異なる独自のデザインのマークであり、「トコウロのヒナが成長した」という記述は正確ではない。また助成金の説明も正確性の確認が必要)。オ正しい(行動計画期間は2年以上5年以内・終了後は新計画策定)。正答エ確定。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

関連論点

次世代育成支援対策推進法・行動計画策定義務・くるみん認定・プラチナくるみん頻出度A

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