問題
次世代育成支援対策推進法(次世代法)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はア(正しい記述)です。
次世代育成支援対策推進法第12条第1項は「国及び地方公共団体以外の事業主…であつて、常時雇用する労働者の数が百人を超えるものは、行動計画策定指針に即して、一般事業主行動計画…を策定し、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない」と定めています。
イは誤りで、100人以下の事業主にも策定・届出の努力義務があり(第5項)、一律に禁止されているわけではありません。ウは誤りで、100人を超える事業主は、行動計画を策定・変更したときに労働者に周知させるための措置を講じなければなりません(第12条の2第1項・義務)。努力義務になるのは100人以下の事業主です(同条第2項)。エは誤りで、行動計画を策定・変更したときは、これを公表しなければなりません(第4項)。オは誤りで、目標は数値を用いて定量的に定めなければなりません(第3項後段)。
次世代法12条・13条の条文どおりの整理:
| 項目 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 策定・届出義務 | 12条1項 | 常時雇用労働者数100人超の事業主に義務。厚生労働大臣へ届出 |
| 努力義務 | 12条5項 | 常時雇用労働者数100人以下の事業主は策定・届出に努める |
| 目標の定量化 | 12条3項後段 | 育児休業等の取得状況・労働時間の状況に係る数値を用いて定量的に定めなければならない |
| 公表義務 | 12条4項 | 行動計画を策定・変更したときは、これを公表しなければならない |
| 労働者への周知 | 12条の2 | 100人超は周知の措置を講じなければならない(1項)。100人以下は努力義務(2項) |
| 基準適合の認定 | 13条 | 届出をした事業主からの申請に基づき、基準に適合する旨の認定を行うことができる(法律上は厚生労働大臣。施行規則18条で所轄都道府県労働局長に委任) |
各選択肢の正誤:
- ア(正): 12条1項どおり。
- イ(誤): 100人以下は努力義務(禁止ではない)。
- ウ(誤): 100人超の事業主の労働者への周知は義務(12条の2第1項)。
- エ(誤): 公表は義務(12条4項)。
- オ(誤): 目標は定量的に定める必要がある。
「100人」の閾値: 次世代法の策定・届出義務は「常時雇用する労働者の数が百人を超えるもの」=101人以上が義務、100人以下は努力義務、という条文の文言を正確に押さえることが本問の核心です。
【12条の行動計画策定義務の全体構造】
次世代法第12条は、一般事業主行動計画に関する義務を次のように段階的に定めています。
1. 第1項: 常時雇用する労働者の数が100人を超える一般事業主は、行動計画策定指針に即して一般事業主行動計画を策定し、厚生労働大臣に届け出なければならない(変更時も同様)。
2. 第2項: 一般事業主行動計画には、①計画期間、②次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標、③実施しようとする次世代育成支援対策の内容及びその実施時期を定めるものとする。
3. 第3項: 行動計画を策定・変更しようとするときは、雇用する労働者の育児休業等の取得の状況及び労働時間の状況を把握し、改善すべき事情について分析した上でこれを定めなければならない。第2項第2号の目標については、育児休業等の取得の状況及び労働時間の状況に係る数値を用いて定量的に定めなければならない。
4. 第4項: 行動計画を策定・変更したときは、これを公表しなければならない。
5. 第5項: 常時雇用する労働者の数が100人以下の事業主は、策定・届出に努めなければならない(努力義務)。
6. 第6項: 第3項・第4項の規定は、第5項の事業主(100人以下)が行動計画を策定・変更する場合について準用する(この場合「定めなければ」は「定めるよう努めなければ」、「公表しなければ」は「公表するよう努めなければ」と読み替える)。
7. 第7項: 第1項の事業主が届出又は公表をしない場合、厚生労働大臣は相当の期間を定めて届出又は公表をすべきことを勧告することができる。
このように、100人超の事業主は策定・届出・目標の定量化・公表・労働者への周知(第12条の2)のすべてが義務、100人以下の事業主はこれらすべてが努力義務という対称的な構造になっており、義務と努力義務のどちらの規定なのかを条文の文言(「しなければならない」か「努めなければならない」か)で正確に区別することが試験対策上重要です。
【13条の認定制度と実務】
第12条の2は、行動計画を策定・変更したときの労働者への周知について、100人超の事業主には義務(1項)、100人以下の事業主には努力義務(2項)を課し、100人超の事業主が周知の措置を講じない場合には第12条第7項の勧告の規定を準用しています(3項)。
第13条は、第12条第1項又は第5項の規定による届出をした一般事業主からの申請に基づき、厚生労働大臣が、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと、当該行動計画を実施し目標を達成したことその他厚生労働省令で定める基準に適合する旨の認定を行うことができると定めています(いわゆる「くるみん認定」)。認定を受けた事業主は、商品・広告等に厚生労働大臣の定める表示を付することができます(第14条)。第23条と施行規則第18条により、第12条第1項の届出の受理や第13条の認定などの権限は所轄都道府県労働局長に委任されているため、実務上の申請先は都道府県労働局です。さらに、認定一般事業主のうち実施状況が優良な事業主は特例認定(第15条の2・いわゆる「プラチナくるみん」)を受けることができ、特例認定を受けると第12条第1項・第5項の行動計画の策定・届出の規定が適用されなくなる代わりに、毎年少なくとも1回、次世代育成支援対策の実施の状況を公表しなければなりません(第15条の3)。具体的な認定基準の数値は厚生労働省令で定められており、改正が重ねられているため、最新の省令を確認する必要があります。
【社労士実務との関係】
社労士は、事業主の常時雇用労働者数の算定(100人超か以下か)、行動計画の策定支援(目標の定量化を含む)、厚生労働大臣への届出書類の作成、公表の実施状況の確認、くるみん認定申請の代行等を担います。次世代法は女性活躍推進法・育児介護休業法と関連が深く、複数法にまたがる行動計画・公表義務の規模要件(100人・101人・300人等)を混同しないことが実務・試験の両面で重要です。
- 次世代育成支援対策推進法第12条e-Govで原文を読む
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 次世代育成支援対策推進法第12条第1項(100人超の事業主の策定・届出義務)・第3項後段(目標の定量的な設定)・第4項(公表義務)・第5項(100人以下の事業主の努力義務)・第12条の2第1項(労働者への周知義務)・第13条(基準適合の認定)・第23条(権限の委任)、同法施行規則第18条(第12条第1項・第13条等の権限の所轄都道府県労働局長への委任) 一次ソース: e-Gov 法令API v2 `law_data/415AC0000000120`(次世代育成支援対策推進法)・`law_data/415M60000100122`(同法施行規則)を2026-04-01時点(asof 指定)で取得し、12条・12条の2・13条・15条の2・15条の3・23条・施行規則18条の条文全文で正誤を確認した。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

