問題
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)における情報公表義務に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度(令和7年法律第63号による2026年4月1日施行の改正後)を前提とすること。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイ(正しい記述)です。
女性活躍推進法第20条第1項は、常時雇用する労働者の数が300人を超える一般事業主に、①男女の賃金の差異、②管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、③職業生活に関する機会の提供の実績、④職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備の実績の4項目の公表を義務付けています。
アは誤りで、行動計画の策定・届出が義務になるのは常時雇用する労働者が100人を超える事業主で(第8条第1項)、101〜300人の事業主も義務の対象です。ウは誤りで、101〜300人の事業主は①②に加え、③又は④のいずれか一方も公表しなければなりません(第20条第2項)。エは誤りで、100人以下の事業主の公表は努力義務です(第20条第3項)。オは誤りで、第20条は情報を定期的に公表しなければならないと定めています。
女性活躍推進法20条(現行・改正後)の公表項目の整理:
| 常時雇用労働者数 | 根拠 | 公表項目 |
|---|---|---|
| 301人以上(300人を超える) | 20条1項 | ①男女の賃金の差異 ②管理職に占める女性割合 ③機会提供の実績 ④両立支援の実績 の4項目全て |
| 101人以上300人以下 | 20条2項 | 前項①②の2項目+③又は④のいずれか一方(合計3項目以上) |
| 100人以下(8条7項の事業主) | 20条3項 | 1項各号のうち少なくとも1の情報を公表するよう努めなければならない(努力義務) |
各選択肢の正誤:
- ア(誤): 策定・届出の義務は100人超の事業主(8条1項)。101〜300人も義務で、努力義務(8条7項)になるのは100人以下の事業主。
- イ(正): 20条1項どおり。
- ウ(誤): 101〜300人は①②に加え③又は④のいずれか一方も公表義務。
- エ(誤): 100人以下の事業主の公表は努力義務であり、義務ではない。
- オ(誤): 20条1項・2項はいずれも「定期的に公表しなければならない」と定めている。
8条と20条の規模要件の対応: 8条1項(100人超で行動計画策定義務)・20条1項(300人超で4項目公表義務)・20条2項(100人超のうち300人超を除く、つまり101〜300人で3項目以上公表義務)・20条3項(8条7項の100人以下の事業主は努力義務)という4段階の区分を、規模の数字ごとに正確に対応させることが本問の核心です。
【女性活躍推進法20条(令和7年法律第63号による改正)の現行条文】
女性活躍推進法第20条は、令和7年法律第63号による改正が2026年4月1日に施行され、現行の条文は次のとおりです。
第1項: 「第八条第一項に規定する一般事業主(常時雇用する労働者の数が三百人を超えるものに限る。)は、厚生労働省令で定めるところにより…その事業における女性の職業生活における活躍に関する次に掲げる情報を定期的に公表しなければならない」として、①男女の賃金の差異、②管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、③職業生活に関する機会の提供に関する実績(前二号を除く)、④職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績の4号を列挙しています。
第2項: 「第八条第一項に規定する一般事業主(前項に規定する一般事業主を除く。)」(=101人以上300人以下の事業主)について、「一 前項第一号及び第二号に掲げる情報 二 前項第三号に掲げる情報又は同項第四号に掲げる情報の少なくともいずれか一方」を公表しなければならないと定めています。つまり①②は必須、③④はいずれか一方の選択制です。
第3項: 「第八条第七項に規定する一般事業主」(=100人以下で努力義務として行動計画を策定した事業主)について、「第一項各号に掲げる情報のうち少なくとも一の情報を定期的に公表するよう努めなければならない」と、努力義務にとどめています。
【改正前後の比較(令和8年度試験での出題ポイント)】
e-Gov で改正前(2026年3月31日時点)の第20条を確かめると、第1項は300人超の事業主に「職業生活に関する機会の提供に関する実績」と「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」の2つの号を公表させ、第2項は101〜300人の事業主にそのいずれか一方の公表を求める構造で、「男女の賃金の差異」「管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合」は法律の号として独立していませんでした。改正後(2026年4月1日〜)は、この2つが第1号・第2号として法律に明記され、300人超は4項目すべて、101〜300人は①②が必須で③④はいずれか一方、という内容に強化されました。社労士試験では改正前の区分と改正後の区分を混同させる出題が想定されるため、条文の文言を正確に区別する必要があります。
【8条・9条の行動計画・認定制度との関係】
第8条第1項は常時雇用労働者数100人超の事業主に一般事業主行動計画の策定・届出を義務付け、第7項は100人以下の事業主に策定・届出の努力義務を課しています。第9条は、第8条第1項又は第7項の届出をした事業主からの申請に基づき、厚生労働大臣が、取組の実施状況が優良であること等の基準に適合する旨の認定(えるぼし認定)を行うことができると定めています。法律上の権限者は厚生労働大臣ですが、第32条と「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」第21条により、第8条第1項の届出や第9条の認定などの権限は所轄都道府県労働局長に委任されており、実務上の申請先は都道府県労働局です(次世代法の「くるみん認定」も同様の委任の仕組みです)。
【社労士実務との関係】
社労士は、事業主の常時雇用労働者数の算定に応じた行動計画・情報公表の義務区分(301人超・101〜300人・100人以下)の判定、公表項目の選定支援(101〜300人の事業主における③④のいずれを選ぶか)、えるぼし認定・プラチナえるぼし認定の申請支援を担います。次世代法・育児介護休業法と併せて、規模要件が法律ごとに異なる点(次世代法は100人、女性活躍推進法は100人・300人、育介法の育休取得状況公表は300人)を正確に区別することが実務上のミス防止に直結します。
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 女性活躍推進法第8条第1項(100人超の事業主の行動計画策定義務)・第7項(100人以下の努力義務)・第9条(基準適合の認定・えるぼし認定)・第20条第1項(300人超の事業主の4項目の定期的な公表義務)・第2項(101〜300人の事業主の公表義務・1号2号+3号又は4号のいずれか一方)・第3項(100人以下の事業主の公表の努力義務)・第32条(権限の委任)、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令第21条(第8条第1項・第9条等の権限の所轄都道府県労働局長への委任) 一次ソース: e-Gov 法令API v2 `law_data/427AC0000000064`(女性活躍推進法)を2026-04-01時点(令和7年法律第63号による改正の施行後)と2026-03-31時点(改正前)の2版、`law_data/427M60000100162`(一般事業主行動計画等に関する省令)を2026-04-01時点で取得し、8条・9条・20条・32条・省令21条の条文全文で正誤と改正前後の違いを確認した(改正法番号は law_revisions で確認)。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

