労働一般常識28労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)

社労士 労働一般常識 問28:労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度(2022年4月改正後)を前提とすること。

  • 女性活躍推進法は、常時雇用する労働者が101人以上の一般事業主(国・地方公共団体を除く民間企業等)に対して、「一般事業主行動計画」の策定・届出・社内周知・公表を義務付けている(令和4年4月の改正で301人以上から101人以上に拡大)。
  • 一般事業主行動計画の策定に当たっては、まず自社の女性の活躍状況に関する「状況把握・課題分析」を行い、その結果を踏まえた目標・取組内容を定めることが求められる。状況把握の必須項目(基礎項目)は、①採用した労働者に占める女性比率・②男女の継続勤務年数の差異・③労働時間の状況・④管理職に占める女性労働者の割合の4項目である。
  • 女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」は、行動計画を届け出た企業が一定の認定基準を満たした場合に厚生労働大臣から認定を受けるものであり、認定の段階は3段階(えるぼし1〜3段階)に分かれている。さらに、3段階全てを達成した企業が高い水準を満たす場合に「プラチナえるぼし認定」を受けることができる。
  • 女性活躍推進法に基づく情報公表の義務は、常時雇用する労働者が**301人以上**の一般事業主にのみ課されており、101人以上300人以下の中規模事業主については情報公表は努力義務にとどまる(令和4年4月改正後も変更なし)。正答
  • 女性活躍推進法では、301人以上の大規模事業主に対して、職業生活に関する機会の提供に関する項目(採用割合・管理職割合等)と職業生活と家庭生活との両立に関する項目(育休取得率・残業時間等)の各1項目以上(計2項目以上)の情報公表が義務付けられている。
正答:女性活躍推進法に基づく情報公表の義務は、常時雇用する労働者が**301人以上**の一般事業主にのみ課されており、101人以上300人以下の中規模事業主については情報公表は努力義務にとどまる(令和4年4月改正後も変更なし)。

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正答はエ(誤っている記述)です。

エの誤りは「情報公表義務は301人以上のみ」という部分です。女性活躍推進法第20条は、令和4年(2022年)4月の改正により、情報公表義務が301人以上から101人以上の一般事業主に拡大されました。101人以上300人以下の中規模事業主も情報公表が義務(努力義務ではない)となっています。

ア(正しい): 行動計画の策定・届出義務は令和4年4月改正で301人以上→101人以上に拡大。正確な記述です。

イ(正しい): 状況把握の必須項目(基礎項目)は現在も4項目(①採用比率②継続勤務年数差③労働時間④管理職比率)で、令和4年改正でも変更ありません。

ウ(正しい): えるぼし認定は1〜3段階の3段階+プラチナえるぼしという構成で正確です。

オ(正しい): 301人以上の大規模事業主は「機会提供」と「両立」の2区分から各1項目以上(計2項目以上)を公表する義務があります。

標準試験対策の基準レベル

女性活躍推進法の事業主義務(アの根拠・改正経緯):

| 常時雇用労働者数 | 行動計画策定・届出・公表 | 情報公表 | えるぼし認定申請資格 |

|---|---|---|---|

| 301人以上 | 義務(旧来から) | 義務(2区分各1項目以上) | あり |

| 101〜300人 | 義務(令和4年4月〜) | 義務(1項目以上・令和4年4月〜) | あり |

| 100人以下 | 努力義務 | 努力義務 | あり(届出を行えば)|

エの誤りの核心(「301人以上のみ」→「101人以上」):

令和4年(2022年)4月の女性活躍推進法改正で、情報公表義務は301人以上から101人以上に拡大されました。「101〜300人は努力義務」という記述は令和3年3月以前の旧制度の説明であり、令和8年度試験基準日(2026年4月10日)時点の制度としては誤りです。

なお、公表すべき情報の量・区分は規模によって異なります:

  • 301人以上: 「機会提供」と「両立」の2区分から各1項目以上(計2項目以上)を公表
  • 101〜300人: 1項目以上の公表(区分指定なし)

状況把握の必須項目(基礎項目)4項目(イの根拠・正確な制度):

女性活躍推進法施行規則第3条で定める「基礎項目」(必ず把握すべき項目)は以下の4項目です。令和4年改正後も変更はありません:

1. 採用した労働者に占める女性労働者の割合

2. 男女の平均継続勤務年数の差異

3. 労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況

4. 管理職に占める女性労働者の割合

これらは「基礎項目」として全事業主が把握すべき最低限の項目です。これに加えて「男女の賃金の差異」(301人以上企業・令和4年7月施行)等が情報公表の義務項目として追加されていますが、状況把握の「基礎4項目」自体は変わっていません。

えるぼし認定の3段階(ウの根拠):

| 段階 | 認定基準の概要 |

|---|---|

| えるぼし1段階 | 5項目の認定基準のうち1〜2項目を満たしたもの |

| えるぼし2段階 | 5項目のうち3〜4項目を満たしたもの |

| えるぼし3段階 | 5項目すべてを満たしたもの |

| プラチナえるぼし | えるぼし3段階+より高い水準の取組みが認められたもの |

えるぼし認定の5項目基準:①採用・②継続就業・③労働時間等の働き方・④管理職比率・⑤多様なキャリアコース(女性の内部登用等)

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【「男女の賃金格差」情報公表が社会に与えたインパクト】

2022年7月から始まった301人以上企業への男女賃金格差の公表義務化(女性活躍推進法施行規則改正)は、日本社会に大きな波紋を呼びました。各企業の格差データが「JEED・厚生労働省の両立支援のひろば」に掲載され、採用・投資判断の材料として活用されるようになっています。

主な実態(令和5年度調査):

  • 正規雇用の男女賃金差:女性は男性の約75〜80%(年功型賃金において女性が管理職に少ない影響が大)
  • 全労働者(非正規含む)の男女賃金差:女性は男性の約60%台(非正規比率が女性に高い影響)
  • 業種別格差:金融・保険業は格差が大きく(60%台)、教育・学習支援業は比較的小さい(80%台)

社労士が企業顧問として取り組むべき課題:

1. 賃金格差の「見える化」と原因分析: 格差が大きい企業の多くは「女性が非正規に多い」または「管理職比率が低い」ことが原因→根本原因に応じた対策が必要

2. 同一労働同一賃金との連携: 非正規の女性労働者の賃金改善(パートタイム・有期雇用法に基づく均等・均衡待遇)と女性活躍推進を一体的に推進

3. 男性育休取得の推進と管理職登用の連携: 男性が育休を取得することで女性管理職の比率向上を阻害する要因(「女性が主たる子育て担当」という固定観念)を解消

【令和4年改正の全体像:情報公表義務拡大と賃金格差の公表義務化の同時改正】

令和4年(2022年)の改正は2段階で実施されています:

| 施行時期 | 改正内容 |

|---|---|

| 令和4年(2022年)4月1日 | 行動計画策定・情報公表の義務が301人以上→101人以上に拡大 |

| 令和4年(2022年)7月8日 | 301人以上企業への男女の賃金の差異の情報公表義務化 |

この2つを混同しないことが重要です。「101人以上への拡大」(4月施行)と「男女賃金差異の公表義務化」(7月施行)は別の施行日です。社労士試験では「どの改正がいつ施行されたか」という細部の数値確認が頻出です。

【女性活躍推進法・次世代法・育介休法の「三法連携」と行動計画の一体化】

実務的に行動計画を策定する際、以下の3法の行動計画が要求されます:

  • 次世代育成支援対策推進法: 一般事業主行動計画(育児関連)
  • 女性活躍推進法: 一般事業主行動計画(女性活躍)
  • 育児・介護休業法: 育休取得状況の公表義務(令和4年〜300人超・令和7年〜100人超)

これらの行動計画を別々に策定するよりも、一体的に策定・管理することが実務上は効率的です。

社労士が「行動計画コンサル」として提供できる具体的なサービス:

1. 3法それぞれの計画要件を一覧化し、重複する目標・取組みを統合した「統合行動計画」の作成

2. 目標達成のためのKPI設定・モニタリング(半期・年次での進捗確認)

3. くるみん認定・えるぼし認定・プラチナ認定の取得に向けたロードマップ作成

【えるぼし認定と「女性活躍」ブランドの採用・ESGへの活用】

プラチナえるぼし認定を取得した企業は、公共調達での加点評価を受けることができます(厚生労働省・内閣府の調達基準に明記)。また、ESG投資(Environment・Social・Governance)において「S(社会)」の評価指標として女性活躍の取組みが評価され、機関投資家からの評価向上に繋がります。

社労士がFP・中小企業診断士・税理士と連携してトータルサポートを提供できる領域:

  • 社労士:行動計画策定・認定取得支援・就業規則整備
  • 中小企業診断士:ダイバーシティ経営の事業戦略への組み込み
  • FP:女性役員の報酬設計・役員退職金規程の整備
  • 税理士:女性活躍推進関連の助成金・税制優遇の計画

女性活躍推進法の達成度は、今後の「同一労働同一賃金の徹底」「管理職クオータ制度の議論」と連動した日本の労働市場改革の中核課題です。社労士は制度の実務的な担い手として、企業の女性活躍推進を単なる「コンプライアンス対応」ではなく「企業価値向上の戦略」として位置づけるよう支援することが期待されます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 女性活躍推進法第8条(行動計画の策定・届出・公表)・第11条(えるぼし認定)・第19条の2(プラチナえるぼし認定)・第20条(情報公表) 情報公表義務: 女性活躍推進法第20条(101人以上の一般事業主に情報公表義務・令和4年4月改正で301人以上から101人以上に拡大) 状況把握の必須項目(基礎項目): 女性活躍推進法施行規則第3条(4項目・令和4年改正後も変更なし) 情報公表の2区分: 女性活躍推進法第20条第1項・女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画等に関する省令第19条 一次ソース: 厚生労働省 女性活躍推進法特集ページ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html ・e-Gov 女性活躍推進法第20条 https://laws.e-gov.go.jp/law/427AC0000000064 <!-- 監修確定 2026-06-08 差し戻し修正版(content-quality-officer・legal-reviser): 各肢の真偽判定(最終): ア=正しい(101人以上義務・令和4年4月拡大は事実通り正確)。 イ=正しい(女性活躍推進法施行規則第3条で必須把握項目(基礎項目)は4項目:①採用した労働者に占める女性比率②男女の平均継続勤務年数の差異③労働時間の状況④管理職に占める女性労働者の割合。令和4年改正後も4項目で変更なし。旧解説「8項目に拡充」は完全な事実誤認であり本修正版で訂正済み)。 ウ=正しい(えるぼし3段階+プラチナえるぼしの構成は正確)。 エ=誤り(「情報公表義務は301人以上のみ」は誤り。女性活躍推進法第20条は令和4年(2022年)4月の改正により、情報公表義務が301人以上から101人以上の一般事業主に拡大された。「101人以上300人以下は努力義務にとどまる」という記述は改正前の旧制度の説明であり、令和8年度試験基準日時点の制度として誤り)。 オ=正しい(301人以上は2区分(機会提供・両立)各1項目以上(計2項目以上)の公表義務が正確)。 最終正答: エ 構造: 1誤(エ・「301人以上のみ」→正しくは「101人以上」)・4正(ア・イ・ウ・オ) 重要訂正: 旧解説の「状況把握必須項目は令和4年改正で4項目→8項目に拡充」は完全な事実誤認。現在も4項目(基礎項目)で変更なし。本修正版で全解説レベルにおいて訂正済み。 公開可。段差性確認済み(beginner<standard<advanced)。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

関連論点

女性活躍推進法・情報公表義務・101人以上・行動計画・えるぼし認定頻出度A

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