賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 賃貸住宅管理業法 問101|サブリース業者の維持保全義務——修繕・清掃・管理の責任帰属

問題

賃管士 | 賃貸住宅管理業法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

サブリース(マスターリース)契約における賃貸住宅の維持保全義務に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答(誤っているもの)はアです。

維持保全の義務は民法第606条の賃貸人の義務であり、入居者との直接の賃貸借関係(転貸借)ではサブリース業者が民法第606条に基づく修繕義務を負います。しかしオーナー(賃貸人)も建物所有者として維持保全に完全に無関係ではありません。マスターリース契約の費用負担の取決め(誰が修繕費を負担するか)は当事者間の問題ですが、大規模修繕・建物の基本的な保全については最終的にオーナーの責任が残ります。「一切の義務を負わない」という記述が誤りです。

ウ・イ・エ・オは正しい記述です。

サブリース契約における維持保全義務の帰属:

当事者対入居者費用負担
サブリース業者(転貸人)入居者への修繕義務(民法第606条)を直接負うマスターリース契約の定めによる
オーナー(賃貸人)マスターリース業者(賃借人)への修繕義務(民法第606条)マスターリース契約の定めによる
費用の最終負担契約書の費用分担規定次第成立時書面(業法第31条)への記載必須

各選択肢の解説:

  • ウ(正): 転借人との関係では特定転貸事業者(転貸人)が直接の賃貸人として民法第606条の修繕義務を負います。正しい記述です。
  • イ(正): 業法第31条第1項第7号・施行規則第47条第2号(特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全に要する費用の分担に関する事項)が成立時書面の必須記載事項です。正しい記述です。
  • ア(誤・正答): オーナーも建物所有者・賃貸人として維持保全に対する義務が完全になくなるわけではありません。大規模修繕・法令上の維持義務(建築基準法等)はオーナーが負います。「一切の義務を負わない」は誤りです。
  • エ(正): 転貸借契約において転借人が善管注意義務に違反した場合(例:ペット禁止違反・過失による損傷)、転貸人(サブリース業者)は損害賠償を請求できます(民法第415条)。正しい記述です。
  • オ(正): マスターリース契約上の費用分担(オーナーとサブリース業者の内部関係)は、入居者(転借人)が直接当事者となる取決めではありません。入居者は転貸借契約の範囲でサブリース業者に対して権利義務を持ちます。正しい記述です。

【維持保全義務の法的構造・民法第606条の修繕義務・サブリース三者関係での帰属・費用分担の設計・大規模修繕の責任・実務での注意点】

民法第606条(修繕義務)の構造(令和2年改正後):

民法第606条(令和2年改正で現行化):

  • 第1項: 賃貸人は賃貸物の使用・収益に必要な修繕をする義務を負う(ただし賃借人の責に帰すべき事由がある場合は除く)
  • 第2項: 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は拒むことができない

誰がどの修繕を負担するかは、契約で具体的に定めておくことが重要です(サブリースでは、維持保全の費用の分担が業法の締結時書面の記載事項になっています)。

三者関係(オーナー・サブリース業者・入居者)での修繕義務の帰属:

```

オーナー(賃貸人)

↓ マスターリース契約(民法第606条の修繕義務)

サブリース業者(賃借人かつ転貸人)

↓ 転貸借契約(民法第606条の修繕義務)

入居者(転借人)

```

各関係での修繕義務:

1. オーナー → サブリース業者への修繕義務: マスターリース契約上の義務。費用分担は契約の取決めで定める。

2. サブリース業者 → 入居者への修繕義務: 転貸借契約上の義務。入居者が請求できる相手はサブリース業者。

費用負担の問題:

実務では「維持保全費用はサブリース業者が全額負担」というマスターリース契約が多いですが、この取決めは「オーナーとサブリース業者の内部費用分担」であり、入居者への関係では常にサブリース業者が修繕義務を負います。

大規模修繕(外壁・屋根・設備更新等)については、建物所有者(オーナー)の責任として費用の最終負担者はオーナーとなる場合が多く、サブリース業者が全額負担するという合意には限界があります。業法第31条(成立時書面)の「維持保全費用の分担」の記載義務は、この不明確な部分を事前に明示させる目的があります。

大規模修繕の責任帰属(実務上の重要論点):

修繕の種類負担者(慣行)業法上の要求
日常修繕(水漏れ・設備不具合等)サブリース業者(契約で定める)成立時書面に記載必須
大規模修繕(外壁・屋根・給排水管等)原則オーナー成立時書面に記載必須
入居者の善管注意義務違反による損傷入居者(損害賠償)転貸借契約で定める
経年劣化(通常損耗)オーナー(賃貸人負担が原則)ガイドライン準拠

賃管士試験での「維持保全」論点との接続:

賃管士試験では建築・設備科目(給排水・電気・消防等)と管理実務科目(修繕計画・原状回復)の知識がこの維持保全義務と結びつきます。

例えば「共用部の給水管が老朽化して漏水が発生した場合、誰が修繕費用を負担するか?」という問いに対しては:

1. 転借人(入居者)への責任→サブリース業者(転貸人)が修繕義務(民法第606条)

2. サブリース業者とオーナーの費用分担→マスターリース契約の定め(業法第31条記載事項)

3. 建築基準法上の維持管理義務→建物所有者(オーナー)が最終責任者

この三段構造を理解することが賃管士実務の核心です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法第606条・賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第31条・施行規則第47条 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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