問題
特定賃貸借契約(マスターリース契約)の更新時の手続きに関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオです。
特定賃貸借契約の更新時に賃料等の条件変更がある場合は、変更内容に関する説明・書面交付の義務が生じます。国交省は、施行規則第45条各号の事項を変更しようとするときは、変更のあった事項について書面の交付等を行ったうえで重要事項説明をする必要があるとしています。オが正しい記述です。
アは誤りです。国交省の「解釈・運用の考え方」は、契約の同一性を保ったまま契約期間のみを延長するなど形式的な変更と認められる場合は、第30条の説明を行わないこととして差し支えないとしています。
イは誤りです。施行規則には、管理受託契約(第13条)にも特定賃貸借契約(第30条)にも「同一条件更新時の省略」の規定はありません。形式的な変更の扱いは、解釈・運用の考え方で両者とも同じように示されています。
エ・ウは明確に誤りです。
特定賃貸借契約更新時の手続き比較:
| 事項 | 管理受託契約(第13条) | 特定賃貸借契約(第30条) |
|---|---|---|
| 施行規則の省略規定 | なし | なし |
| 形式的な変更(契約期間のみの延長等) | 説明を行わなくて差し支えない(考え方) | 説明を行わなくて差し支えない(考え方) |
| 条件変更を伴う更新 | 変更事項について書面交付・説明 | 変更事項について書面交付・説明、締結時書面も変更事項について交付 |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 解釈・運用の考え方は、契約の同一性を保ったまま契約期間のみを延長する場合や、組織運営に変更のない商号・名称の変更など形式的な変更の場合は、第30条の書面交付・説明を行わないこととして差し支えないとしています。「同一条件でも必ず」は誤りです。
- イ(誤): 施行規則(第31条・第45条)はどちらも説明事項を列挙する規定で、「同一条件更新時の省略規定」はどちらにもありません。前提が誤りです。
- オ(正): 国交省の賃貸住宅管理業法ポータルサイト「よくある質問」は、施行規則第45条各号の事項を変更しようとするときは、変更のあった事項について書面の交付等を行ったうえで重要事項説明をする必要があるとしています。締結時書面(第31条)も、変更のあった事項について交付します。正答です。
- エ(誤): 更新の際に施行規則第45条の事項を変更するなら、変更事項の説明・書面交付が必要です。「自動更新だから業法上の手続きは一切不要」とは言えません。
- ウ(誤): 業法第30条の重説義務は「特定転貸事業者」に課される義務であり、賃貸住宅管理業者(登録事業者)限定ではありません。
【更新時手続きの制度的不明確性・実務運用・条件変更時の具体的義務・借地借家法の更新ルールとの接続・国交省解釈の動向】
管理受託と特定賃貸借の更新時手続きの制度的差異:
管理受託契約の重説(第13条・施行規則第31条)にも、特定賃貸借契約の重説(第30条・施行規則第45条)にも、施行規則に「同一条件更新時は説明を要しない」という規定はありません(施行規則第31条・第45条は説明事項を列挙する規定です)。
更新時の扱いは、国交省の「解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版)で示されています。第30条関係では「契約の同一性を保ったままで契約期間のみを延長することや、組織運営に変更のない商号又は名称等の変更等、形式的な変更と認められる場合は、本条に基づく…説明は行わないこととして差し支えない」とされ、内容に変更がある場合は変更のあった事項について書面を交付して説明する必要があります。
条件変更更新時の具体的な義務:
更新時に以下の条件変更がある場合は、業法上・民法上の義務が発生します:
| 変更内容 | 必要な対応 |
|---|---|
| 賃料の変更(増額・減額) | 変更内容の説明・成立時書面の作成・交付 |
| 契約期間の変更 | 成立時書面への記載 |
| 解約条件の変更 | 説明義務(第29条の故意不告知リスク回避) |
| 維持保全費用負担の変更 | 変更事項の説明(施行規則第45条第5号)・締結時書面(施行規則第47条第2号)の交付 |
| 転貸条件の変更 | 成立時書面への記載 |
特に「賃料の変更」は最判H15.10.21の文脈でも重要であり、家賃减額を更新時に実施する際には以下の手続きが実務上推奨されます:
1. 書面で新賃料の提示・変更理由の説明
2. オーナーへの十分な検討期間の付与
3. 変更後の条件での成立時書面の作成・交付
借地借家法の更新ルールとの接続:
特定賃貸借契約が普通建物賃貸借(普通借家)の場合、借地借家法の更新ルールが適用されます:
- 期間満了前の更新拒絶: 賃貸人(オーナー)からの更新拒絶には正当事由(第28条)が必要。賃借人(サブリース業者)からは正当事由不要で更新拒絶可。
- 法定更新: 更新拒絶の通知なし→法定更新→同一条件で継続。
- 終了通知期間: 期間満了の12か月前から6か月前までに通知(第26条)。
定期建物賃貸借の場合は法定更新なし・期間満了で終了(第38条)。更新通知(終了通知)の手続きは第38条第6項に従います。
業法上の更新手続きと借地借家法の更新ルールの関係:
業法第30条の重説義務・第31条の成立時書面義務は、借地借家法の更新ルール(法定更新・正当事由等)と独立した行政規制です。借地借家法上の更新が法的に成立していても、業法上の書面作成・説明義務は別途履行が必要です。
実務での更新時チェックリスト(賃管士の業務):
賃管士が特定賃貸借契約の更新を管理する場合の確認事項:
1. 更新時期の管理(法定通知期間内に通知できているか)
2. 条件変更の有無の確認(賃料・期間・費用分担等)
3. 変更がある場合:説明・成立時書面の作成
4. 同一条件の場合:確認書等の作成(省略した場合の記録保管)
5. 転借人(入居者)への通知(賃料変更時等)
6. 借地借家法の更新規定への適合確認
これらの管理を漏れなく実施することが、後日のトラブル防止と業法違反リスクの低減につながります。
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律e-Govで原文を読む
- 借地借家法e-Govで原文を読む
- 民法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第30条・第31条・国土交通省「解釈・運用の考え方」 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 / 国土交通省 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

