賃管士 賃貸住宅管理業法 問112:賃貸住宅管理業法(業者義務)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
賃貸住宅管理業法第14条の管理受託契約の成立時書面に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア賃貸住宅管理業者は、管理受託契約が成立したときは、委託者に対し遅滞なく書面を交付しなければならない。
- イ管理受託契約の成立時書面(第14条)は、重要事項説明書(第13条)と全く同一の内容でなければならない。正答
- ウ成立時書面の交付は、委託者の求めがなくても行わなければならない義務である。
- エ成立時書面は、委託者の承諾を得た場合には電磁的方法(PDFメール等)による提供が認められている。
- オ成立時書面には、管理業務の内容・報酬の額が記載事項として含まれる。
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正答(誤っているもの)はイです。
管理受託契約の成立時書面(業法第14条)と重要事項説明書(第13条)は別々の書面であり、記載事項も目的も異なります。「全く同一の内容でなければならない」という記述が誤りです。
重説書面は「契約前の判断材料の提供」を目的とし、成立時書面は「契約成立後の合意内容の確認・証拠化」を目的とします。記載事項には重複する部分もありますが、別々に作成する義務があります。
ア(遅滞なく交付義務)・ウ(求めがなくても義務)・エ(電磁的方法OK・承諾要)・オ(業務内容・報酬が記載事項)はいずれも正しい記述です。
管理受託契約の成立時書面(第14条)と重説書面(第13条)の比較:
| 比較項目 | 重説書面(第13条) | 成立時書面(第14条) |
|---|---|---|
| 交付時期 | 契約締結前 | 契約成立後、遅滞なく |
| 目的 | 委託者の判断材料 | 合意内容の確認・証拠化 |
| 記載事項根拠 | 施行規則第31条(13項目項目) | 施行規則第35条 |
| 同一内容義務 | なし(別々の書面) | 同様に別々 |
| 省略規定 | 同一条件更新時は省略可(施行規則第32条) | 規定なし(原則省略不可) |
| 電磁的方法 | 承諾を得て可 | 承諾を得て可 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 第14条第1項のとおり、遅滞なく交付義務。正しい記述です。
- イ(誤・正答): 重説書面(事前)と成立時書面(事後)は別目的・別書面。「全く同一内容」である義務はありません。正答です。
- ウ(正): 成立時書面の交付は委託者の求めを要件としない義務です。正しい記述です。
- エ(正): 令和4年施行規則改正で電磁的方法が認められました(承諾要件あり)。正しい記述です。
- オ(正): 施行規則第35条の記載事項に管理業務の内容・報酬の額が含まれます。正しい記述です。
【成立時書面の記載事項の詳細・重説書面との実質的な差異・契約書兼用の可否・電磁的方法の実務・書面管理の重要性】
施行規則第35条の成立時書面の記載事項:
| 号 | 記載事項 |
|---|---|
| 第1号 | 管理受託契約の対象となる賃貸住宅 |
| 第2号 | 管理業務の内容・実施方法 |
| 第3号 | 報酬の額・支払時期・方法 |
| 第4号 | 契約期間 |
| 第5号 | 契約の更新・解除に関する事項 |
| 第6号 | 分別管理の方法 |
| 第7号 | 再委託に関する事項 |
| 第8号 | 損害賠償・免責の内容 |
| 第9号 | 秘密保持義務 |
| 第10号 | 管理受託契約の解除事由 |
| 第11号 | 管理業者の商号・名称・登録番号 |
重説書面(施行規則第31条)との比較では「業務管理者の氏名(重説第13号)」が成立時書面の記載事項には含まれない等の差異があります。
重説書面と成立時書面の関係(実務での書面管理):
実務では重説書面と成立時書面(契約書)を別々に作成することが標準です。管理受託契約書に成立時書面の記載事項を全て盛り込んだ場合、その「契約書」が成立時書面を兼ねることも可能です(施行規則第35条の要件を満たしていれば)。
ただし重説書面は「説明用文書」であり、契約書(成立時書面)とは別の位置づけです。契約書と重説書面を一体にして「この書面が重説書面兼契約書」とする実務は避けることが推奨されています(重説は事前・成立時書面は事後という時系列の意味が失われる)。
成立時書面を省略できない理由:
成立時書面(第14条)には同一条件更新時の省略規定(重説の施行規則第32条のような規定)が存在しません。これは成立時書面が「契約の証拠書類」としての機能を持つためであり、更新のたびに新たな合意内容を記録する書面を作成することが求められます。
実務では「更新合意書」を作成し、成立時書面の代替として機能させることが一般的です。
電磁的方法での成立時書面提供の実務:
承諾取得→電磁的提供の手順(重説と同様):
1. 委託者から書面または電磁的方法による承諾を取得
2. PDF等の電磁的記録で成立時書面を作成
3. メール・クラウドポータル等で提供
4. 提供の確認(開封確認・ダウンロード記録等)
この電子化によりペーパーレス・リモート管理が可能となり、遠方に居住するオーナーへの対応が改善されます。
書面管理の重要性(賃管士の実務):
成立時書面は管理受託関係の「根幹書類」であり、紛争時の証拠として機能します。保管方法:
- 原本(または電磁的記録の確実なバックアップ)を保存
- 更新のたびに版管理
- 委託者が保有する書面との照合可能な状態を維持
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 業法第14条・施行規則第35条(令和4年改正後・電磁的方法対応)e-Gov突合済。重説書面と成立時書面は別書面・電磁的方法承諾要・記載事項の確認。基準日2026-04-01以内。正答イ維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第14条・施行規則第35条 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。