問題
賃貸住宅管理業の登録拒否処分に対する不服申立に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はオです。
行政不服審査法第18条第1項は、処分についての審査請求を「処分があったことを知った日の翌日から起算して三月」を経過したときはすることができない、と規定しています。オが正しい記述です。
アは誤りです。業法に審査請求を排除する規定はなく、審査請求も取消訴訟もできます。
ウは誤りです。審査請求は処分の効力を自動的に停止しません(行政不服審査法第25条第1項)。
エは誤りです。取消訴訟は、処分があったことを知った日から6箇月を経過すると提起できません(行政事件訴訟法第14条第1項)。「1年」は処分の日から数える別の期間(同条第2項)です。
イは誤りです。審査請求と取消訴訟を同時に提起することは法律上禁止されていません。
行政処分(登録拒否)に対する不服申立の体系:
| 手続 | 申立先 | 期間 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 審査請求 | 国土交通大臣 | 処分があったことを知った日の翌日から3か月(処分の日の翌日から1年でも不可) | 行政不服審査法第18条第1項・第2項 |
| 取消訴訟 | 裁判所(地方裁判所) | 処分があったことを知った日から6箇月(処分の日から1年を経過しても不可) | 行政事件訴訟法第14条第1項・第2項 |
| 差止訴訟 | 裁判所 | — | 行政事件訴訟法第37条の4 |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 業法に審査請求の排除や審査請求前置の規定はなく、審査請求と取消訴訟のどちらも利用できます。
- オ(正): 行政不服審査法第18条第1項の3か月(処分があったことを知った日の翌日から起算)。正答です。
- ウ(誤): 審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げません(行政不服審査法第25条第1項)。別途「執行停止」の申立てが必要です。
- エ(誤): 行政事件訴訟法第14条第1項は「処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したときは、提起することができない」と定めています。知った日から1年以内なら提起できる、という記述は誤りです(1年は同条第2項の処分の日から数える期間)。
- イ(誤): 審査請求と取消訴訟の同時提起は法律上禁止されていません。実務では審査請求→裁決→取消訴訟という流れも多いですが、同時提起もできます。
【不服申立制度の全体像・審査請求の手続・取消訴訟の要件・審査請求前置の有無・執行停止】
行政不服審査法の全体像(平成26年法律第68号・現行):
平成26年に全部改正された行政不服審査法では、処分についての不服申立ては原則として「審査請求」に一本化されています。現行の体系:
1. 審査請求: 処分庁に上級行政庁がある場合はその最上級行政庁、ない場合は処分庁に対して行う
2. 再調査の請求: 法律に定めがある場合に、処分庁に対して行う簡易な手続(審査請求と選択)
3. 再審査請求: 法律に定めがある場合に、裁決に不服がある者が行う
業法の登録拒否に対する審査請求は:
- 申立先:国土交通大臣(権限の委任を受けた地方整備局長等が処分した場合も、最上級行政庁である国土交通大臣)
- 申立期間:処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法第18条第1項)
- 客観的期間:処分があった日の翌日から1年を経過すると不可(同条第2項)
審査請求前置の有無:
審査請求を経なければ取消訴訟を提起できない(審査請求前置)とするには、個別の法律の定めが必要です(行政事件訴訟法第8条第1項ただし書)。業法にはそのような規定はないため、申請者は:
1. 審査請求のみ提起
2. 取消訴訟のみ提起
3. 審査請求と取消訴訟を同時提起
のいずれも選択できます。
取消訴訟の要件(行政事件訴訟法):
取消訴訟の主な要件:
1. 出訴期間: 処分があったことを知った日から6箇月(第14条第1項)、処分の日から1年(第14条第2項)のいずれかを経過すると提起できない
2. 原告適格: 取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」(第9条)
3. 処分性: 行政処分(公権力の行使に当たる行為)であること
4. 被告: 処分をした行政庁の所属する国又は公共団体
業法処分に特有の不服申立の場面:
管理業者・申請者が不服申立を行う主な場面:
- 登録拒否処分(第6条の欠格事由に該当するとして拒否)
- 業務改善命令(第22条)
- 業務停止命令・登録取消し(第23条)
これらの処分は行政不服審査法・行政事件訴訟法の対象となります。
執行停止の申立て(重要):
審査請求をしても処分の効力は止まりません(行政不服審査法第25条第1項)。処分の執行等を止めたい場合は、審査庁に執行停止を求めます(同条第2項以下)。取消訴訟を提起した場合も同様に、処分の効力は止まらず(行政事件訴訟法第25条第1項)、裁判所に執行停止を申し立てる必要があります。
賃管士の実務への応用:
賃管士が所属する会社が行政処分(特に業務停止命令・登録取消し)を受けた場合の対応:
1. 処分通知書の内容を詳細に確認
2. 弁護士への即時相談(不服申立の可否・期間・方法の検討)
3. 審査請求の期間(3か月)と出訴期間(6箇月)を逃さない管理
4. 執行停止申立ての検討(業務継続の緊急性がある場合)
5. 処分内容が不当な場合は取消訴訟への準備
- 行政不服審査法第18条・第25条e-Govで原文を読む
- 行政事件訴訟法第14条・第37条の4・第8条・第25条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政不服審査法第18条・第25条・行政事件訴訟法第8条・第14条・賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 確認日: 2026-09-30(e-Gov 本文で行政不服審査法第18条・行政事件訴訟法第14条を照合) 出典: e-Gov 法令検索 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

