問題
行政処分前の手続き(業法および行政手続法)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答(誤っているもの)はオです。
行政手続法第13条第1項第1号イは、「許認可等を取り消す不利益処分」をしようとするときは聴聞を行うと定めています。登録の取消しはこれに当たるため、「弁明の機会付与で足りる」という記述が誤りです(業務停止命令は、原則として弁明の機会の付与の対象です)。
ア(行政手続法の適用)・イ(聴聞での口頭の意見陳述)・ウ(弁明は原則として書面)・エ(聴聞は相当な期間をおいて書面で通知)はいずれも正しい記述です。
聴聞と弁明の機会付与の比較(行政手続法第13条第1項):
| 手続 | 必要な場面 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 聴聞 | 許認可等の取消し(イ)、資格・地位の直接のはく奪(ロ)、役員等の解任命令(ハ)、行政庁が相当と認めるとき(ニ) | 期日に口頭で意見を述べ、証拠書類等を提出 | 第13条第1項第1号 |
| 弁明の機会付与 | 第1号イ〜ニに当たらない不利益処分 | 原則として弁明書の提出 | 第13条第1項第2号・第29条 |
登録の取消し(業法第23条):聴聞(第1号イ)
業務停止命令・業務改善命令(業法第23条第1項・第22条):原則として弁明の機会の付与(行政庁が相当と認めれば聴聞=第1号ニ)
各選択肢の解説:
- ア(正): 業法の不利益処分には行政手続法第13条の意見陳述の手続が適用されます。正しい記述です。
- イ(正): 聴聞の期日には、当事者は意見を述べ、証拠書類等を提出することができます。正しい記述です。
- ウ(正): 行政手続法第29条第1項は「弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(弁明書)を提出してするものとする」と定めています。正しい記述です。
- エ(正): 行政手続法第15条第1項は「聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて」、予定される不利益処分の内容・根拠法令、原因となる事実、期日・場所等を書面で通知しなければならないと定めています。正しい記述です。
- オ(誤・正答): 登録取消しは第13条第1項第1号イの聴聞が必要です。「弁明の機会付与で足り、聴聞は不要」は誤りです。
【聴聞手続の流れ・弁明の機会付与との差異・業法処分との対応・聴聞調書・不服申立との関係】
聴聞手続の流れ(行政手続法第15条以下):
1. 聴聞の通知(第15条第1項):聴聞の期日までに相当な期間をおいて、①予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項、②原因となる事実、③聴聞の期日及び場所、④聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地を書面で通知
2. 資料の閲覧:当事者は、処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる
3. 聴聞の期日:主宰者のもとで、当事者は意見を述べ、証拠書類等を提出し、行政庁の職員に質問することができる
4. 聴聞調書・報告書の作成:主宰者が経過を記録し、意見を報告
5. 処分の決定:行政庁は聴聞調書・報告書の内容を十分に参酌して処分を決定
通知の時期について、行政手続法は「相当な期間」と定めるだけで、日数(2週間など)を定めていません。
弁明の機会付与との差異:
| 比較 | 聴聞 | 弁明の機会付与 |
|---|---|---|
| 手続きの場 | 期日を設定した口頭の手続 | 原則として弁明書の提出(第29条第1項) |
| 口頭での意見 | 認められる | 行政庁が認めた場合のみ |
| 証拠書類等の提出 | 可能 | 可能(第29条第2項) |
| 使用場面 | 許認可等の取消し等(第13条第1項第1号) | それ以外の不利益処分(同項第2号) |
業法処分への適用区分:
| 処分 | 必要な手続き |
|---|---|
| 登録取消し(第23条第1項・第2項) | 聴聞(許認可等の取消し=第1号イ) |
| 業務停止命令(第23条第1項) | 原則として弁明の機会の付与(第2号)。行政庁が相当と認めれば聴聞(第1号ニ) |
| 業務改善命令(第22条) | 原則として弁明の機会の付与 |
| 特定転貸事業者等への業務停止命令(第34条) | 原則として弁明の機会の付与 |
聴聞調書の重要性:
聴聞調書には当事者が述べた意見・提出した証拠が記録されます。この調書は:
1. 処分庁が処分を決定する際の基礎資料
2. 不服申立・取消訴訟における証拠
3. 行政処分の適正手続き遵守の証明
賃管士が所属する会社が聴聞を受ける際には、弁護士等の専門家に相談し、主張と証拠を整理して臨むことが重要です。
行政手続法と業法の関係:
業法は聴聞・弁明の手続を個別に定めておらず、行政手続法が一般法として適用されます。業法上の処分(業務改善命令・業務停止命令・登録取消し等)は「不利益処分」(行政手続法第2条第4号)に当たるため、第13条第2項の適用除外に当たらない限り、同条第1項の手続きが必要です。
実務での注意(聴聞に備えた準備):
管理業者が聴聞通知を受けた場合の準備:
1. 弁護士への即時相談: 聴聞の性格・対応策を確認
2. 関連書類の収集: 処分の根拠とされた違反行為に関する書類・反論証拠の収集
3. 聴聞当日の準備: 陳述書の作成・証拠資料の整理
4. 改善措置の実施: 聴聞前に違反を是正し改善状況を証明
- 行政手続法第15条・第13条・第29条・第2条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政手続法第13条・第15条・第29条・賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第22条・第23条 確認日: 2026-09-30(e-Gov 本文で行政手続法第13条・第15条・第29条を照合) 出典: e-Gov 法令検索 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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