問題
賃貸住宅管理業法上の行政処分に対する不服申立(審査請求・行政事件訴訟)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイです。
取消訴訟の対象は「処分その他公権力の行使に当たる行為」です。業法第22条の業務改善命令は、管理業者に業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずるもので、処分性を満たし取消訴訟の対象となります。イが正しい記述です。
アは誤りです。業法に審査請求前置の規定はなく、直接取消訴訟を提起できます(行政事件訴訟法第8条第1項)。
ウは誤りです。取消訴訟は、処分があったことを知った日から6箇月を経過すると提起できません(行政事件訴訟法第14条第1項)。処分の日から1年以内でも同じです。
エは誤りです。審査請求で処分が取り消・変更されることもあり、救済にならないとは言えません。
オは誤りです。業法に特別の定めはなく、行政不服審査法・行政事件訴訟法が適用されます。
業法処分に対する不服申立の体系:
| 手続 | 適用法 | 期間 |
|---|---|---|
| 審査請求 | 行政不服審査法 | 処分があったことを知った日の翌日から3か月(処分の日の翌日から1年でも不可) |
| 取消訴訟 | 行政事件訴訟法 | 処分があったことを知った日から6箇月(処分の日から1年でも不可) |
| 前置主義 | なし(業法に規定なし) | 審査請求と取消訴訟は自由選択(行政事件訴訟法第8条第1項) |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 行政事件訴訟法第8条第1項は、審査請求ができる場合でも直ちに取消訴訟を提起することを妨げないとし、法律に裁決を経た後でなければ提起できない旨の定めがあるときだけを例外としています。業法にその定めはありません。
- イ(正): 業務改善命令は管理業者に義務を課す公権力の行使で、処分性を満たします。正答です。
- ウ(誤): 行政事件訴訟法第14条は、処分があったことを知った日から6箇月(第1項)、処分の日から1年(第2項)のいずれかを経過すると提起できないとしています。両方の期間を守る必要があり、1年以内なら6箇月を過ぎてもよい、ということはありません。
- エ(誤): 審査請求では、処分の違法だけでなく不当も審理され、処分が取り消・変更されることがあります。
- オ(誤): 業法は不服申立について特別の定めを置いておらず、行政不服審査法・行政事件訴訟法が一般法として適用されます。
【処分性の要件・業法処分の取消訴訟・前置主義の不採用・出訴期間・執行停止】
「処分性」の要件と業法処分への適用:
行政事件訴訟法第3条第2項の取消訴訟の対象は「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」です。
処分性の判断の目安:
1. 行政庁が公権力の主体として一方的に行う行為であること
2. 国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定する行為であること
業法上の主な処分の処分性:
| 業法上の行為 | 処分性 | 理由 |
|---|---|---|
| 業務改善命令(第22条) | あり | 管理業者に措置をとる義務を課す |
| 業務停止命令(第23条第1項) | あり | 業務を禁止する |
| 登録取消(第23条第1項・第2項) | あり | 法的地位(登録)を消滅させる |
| 登録拒否(第6条) | あり | 申請を拒絶する |
| 指示(第33条)・業務停止命令(第34条) | あり | 特定転貸事業者等に義務を課す |
| 行政指導 | なし | 法的拘束力がない |
前置主義が採用されていないこと:
行政事件訴訟法第8条第1項により、審査請求を先に経るかどうかは、個別の法律に定めがない限り自由選択です。業法には審査請求前置の定めがないため、被処分者は審査請求(行政機関による審査)と取消訴訟(司法審査)を状況に応じて選べます。
出訴期間の二重の制限(行政事件訴訟法第14条):
1. 主観的期間:処分又は裁決があったことを知った日から6箇月(第1項)
2. 客観的期間:処分又は裁決の日から1年(第2項)
どちらか一方でも経過すれば、原則として提起できなくなります。
審査庁の構造:
地方整備局長(権限の委任を受けた処分庁)が行った処分に対する審査請求は、最上級行政庁である国土交通大臣が審査庁となります。国土交通大臣自身が処分庁である場合は、国土交通大臣に審査請求をします。
執行停止の申立てと業務継続の問題:
業務停止命令に対して審査請求・取消訴訟を提起した場合:
- 審査請求・訴訟の提起は処分の効力を自動停止しない(行政不服審査法第25条第1項・行政事件訴訟法第25条第1項)
- 業務停止命令の効力は審査請求中・訴訟中も継続
- 別途「執行停止」を申し立て、認められれば一時的に効力が停止(行政不服審査法第25条第2項以下・行政事件訴訟法第25条第2項以下)
業務停止命令に対する執行停止は、事業継続への影響が大きいことから申し立てられることがありますが、認められるかどうかは事案次第です。
実務での不服申立の選択:
管理業者(弁護士と相談の上)が不服申立手段を選択する際の観点:
1. 期間: 審査請求(知った日の翌日から3か月)と取消訴訟(知った日から6箇月)の期限管理
2. 審理の範囲: 審査請求は処分の不当も審理対象、取消訴訟は違法性の審理
3. 執行停止: どちらの手続でも申立て可能
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律e-Govで原文を読む
- 行政不服審査法第25条e-Govで原文を読む
- 行政事件訴訟法第8条・第14条・第3条・第25条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政事件訴訟法第3条・第8条・第14条・第25条・行政不服審査法第25条・賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第22条 確認日: 2026-09-30(e-Gov 本文で行政事件訴訟法第8条・第14条・第25条、行政不服審査法第25条を照合) 出典: e-Gov 法令検索 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

