問題
賃貸住宅管理業法の業務停止命令および罰則体系に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はオです。
業法第44条は「30万円以下の罰金」(刑事罰)を定め、対象には変更届出の懈怠(第7条・第1号)、業務管理者を選任しない(第12条第1項・第2号)、従業者証明書・標識(第17条・第19条・第5号)、帳簿(第18条・第6号)、秘密保持義務違反(第21条・第7号)等が含まれます。「過料」は第46条の廃業等の届出(第9条第1項)の懈怠だけ(20万円以下)です。
業務停止期間を延長できる規定はありません(イ誤り)。秘密保持義務違反(第44条第7号)は両罰規定(第45条)の対象から除かれています(エ誤り)。業務改善命令は業務停止命令の前提条件ではありません(ア誤り)。
罰則体系の整理(業法第41〜46条):
| 行為 | 罰則 | 種類 | 条文 | 両罰規定(第45条) |
|---|---|---|---|---|
| 無登録営業・不正登録・名義貸し | 1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金又は併科 | 刑事罰 | 第41条 | 対象 |
| 業務停止命令等(第23条第1項)違反・特定賃貸借の不実告知等・勧誘停止命令等違反 | 6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金又は併科 | 刑事罰 | 第42条 | 対象 |
| 特定賃貸借契約の締結前・締結時書面の不交付等 | 50万円以下の罰金 | 刑事罰 | 第43条 | 対象 |
| 変更届出懈怠・業務管理者不選任・業務管理者不在時の契約締結・管理受託契約締結時書面(第14条)違反・従業者証明書・標識・帳簿・秘密保持義務違反・業務改善命令違反・報告拒否等 | 30万円以下の罰金 | 刑事罰 | 第44条各号 | 対象(第7号の秘密保持を除く) |
| 廃業等の届出懈怠(第9条第1項) | 20万円以下の過料 | 行政上の秩序罰 | 第46条 | — |
業務停止命令(業法第23条第1項)のポイント:
- 期間:1年以内(1年)で定める。延長の規定はない
- 命令に違反した場合:第42条第1号(6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金又は併科)。登録の取消し(第23条第1項第3号)も「することができる」
各選択肢の整理:
- ア(誤): 業務改善命令を前置する規定はない。
- イ(誤): 停止期間を延長できる旨の規定はない。
- ウ(誤): 業務停止命令違反の罰則は第42条第1号(6月以下/50万円以下)。1年以下/100万円以下(第41条)ではない。登録取消しも裁量。
- エ(誤): 秘密保持義務違反は第44条第7号(30万円以下の罰金)だが、第45条が「同条第七号を除く」と定めており両罰規定の対象外。
- オ(正): 第44条は30万円以下の罰金(刑事罰)。変更届出懈怠・帳簿・標識・秘密保持・従業者証明書等が対象。
【賃貸住宅管理業法における「罰金」と「過料」の区別】
制裁には、刑事罰(拘禁刑・罰金等)と、刑罰ではない過料(行政上の秩序罰)があります。賃貸住宅管理業法では:
第41〜44条=刑事罰:
- 罰金は刑事手続(送致・起訴・公判)で科され、確定すれば前科となる
- 第41条(無登録営業・不正登録・名義貸し:1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金又は併科)/第42条(業務停止命令等違反・特定賃貸借の故意の不告知・不実告知・勧誘停止命令等違反:6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金又は併科)/第43条(特定賃貸借契約の書面違反:50万円以下の罰金)/第44条(30万円以下の罰金)
第46条=過料:
- 過料は刑罰ではなく、前科にならない
- 第9条第1項の廃業等の届出をせず、又は虚偽の届出をしたときに20万円以下の過料(賃貸住宅管理業法の過料規定はこれのみ)
両罰規定(第45条)の範囲:
第45条は、法人の代表者や従業者等がその法人等の業務に関して「第四十一条から前条まで(同条第七号を除く。)の違反行為をしたとき」に、行為者を罰するほか法人等にも各本条の罰金刑を科すと定めています。第44条第7号(秘密保持義務違反)は除外されているため、秘密を漏らした従業者等個人は処罰されますが、法人に両罰規定による罰金は科されません。試験では「第44条の罪は原則として両罰規定の対象、ただし第7号(秘密保持)は除外」という形で問われます。
業務停止命令の期間:
第23条第1項は「一年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずる」と定めています。命じた期間を延長する規定はありません。1年未満の範囲で違反の重大性に応じた期間を定めることが比例原則上求められます。宅建業法も業務停止は1年以内とされており、同じ上限です。
業務停止命令に違反して業務を続けた場合の罰則は第42条第1号(6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金又は併科)であり、無登録営業などに適用される第41条(1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金又は併科)とは異なります。さらに命令違反は「前条若しくはこの項の規定による命令に違反したとき」(第23条第1項第3号)に当たり、登録の取消しの理由にもなりえます。
秘密保持義務(業法第21条)の実務的重要性:
賃貸住宅管理業では、オーナーの財産状況や入居者の個人情報を多く扱います。賃貸住宅管理業者は、正当な理由がある場合でなければ業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならず、賃貸住宅管理業を営まなくなった後も同様です(第21条第1項)。代理人・使用人その他の従業者も、業務を補助したことについて知り得た秘密について同じ義務を負い、従業者でなくなった後も続きます(同条第2項)。個人情報保護法の義務とも重なるため、両方を整合的に理解することが実務上重要です。
確認日: 2026-09-30。出典: 賃貸住宅管理業法第21条・第23条・第41条〜第46条(e-Gov)。
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第21条e-Govで原文を読む
- 宅地建物取引業法e-Govで原文を読む
- 個人情報の保護に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第23条第1項(登録の取消し・1年以内の業務停止)、第42条第1号(業務停止命令違反)、第44条各号(変更届出懈怠・帳簿不備・標識未掲示・秘密保持違反等の罰金)、第45条(両罰規定・第44条第7号を除く)、第46条(廃業等の届出懈怠:20万円以下の過料) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

