問題
賃貸住宅管理業者Aは、甲市に本社(甲事務所)、乙市に支店(乙事務所)、丙市に出張所(丙事務所)の3つの事務所を有している。業務管理者の選任に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエです。
業務管理者は営業所又は事務所ごとに1名以上選任しなければならず(業法第12条第1項)、ある営業所・事務所の業務管理者は他の営業所又は事務所の業務管理者となることができません(同条第3項)。
丙出張所が賃貸住宅管理業の業務を行う「営業所又は事務所」に該当すれば、丙にも業務管理者が必要です(エが正しい)。名称が「出張所」でも、実態で判断します。本社に3名集めても支店に置かなければ違反です(イ誤り)。一時的な兼任も、同一市内の兼任も認められません(ウ・オ誤り)。
「営業所又は事務所」と業務管理者の選任義務:
業法第12条は「営業所又は事務所ごとに」業務管理者の選任を求めています。国交省「解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版)は、電話の取次ぎのみを行う施設や、維持保全業務に必要な物品等の置場などの施設は営業所又は事務所に該当しないとしています。名称が「出張所」でも、賃貸住宅管理業の業務を継続的に行う拠点であれば営業所又は事務所に当たり、業務管理者の選任が必要です。
各選択肢の整理:
- ア(誤): 営業所又は事務所ごとに選任が必要。1名で3つの事務所を兼ねることはできない(第12条第1項・第3項)。
- イ(誤): 人数が足りていても、各営業所・事務所に業務管理者を置かなければならない。本社に集中配置して支店に置かないのは違反。
- ウ(誤): 第12条第3項は兼任を例外なく禁止しており、一時的な兼任も認められない。業務管理者は登録事項ではなく、変更届出で解決する問題でもない。
- エ(正): 丙出張所が営業所又は事務所に該当するなら業務管理者の選任が必要。
- オ(誤): 同一市内・常時連絡可能でも兼任の例外はない(第12条第3項)。
業務管理者が欠けた場合:
営業所又は事務所の業務管理者として選任した者の全てが欠けるに至ったときは、新たに業務管理者を選任するまでの間、その営業所又は事務所で管理受託契約を締結してはなりません(第12条第2項)。違反は第44条第3号の罰金の対象です。
【「営業所又は事務所」の実態判断】
管理業法の「営業所又は事務所」は、賃貸住宅管理業の業務を継続的に行う拠点を指し、宅建業法の「事務所」と同様に実態で判断されます。国交省「解釈・運用の考え方」が、電話の取次ぎのみを行う施設や維持保全業務に必要な物品等の置場などは該当しないとしているのは、こうした施設では管理業務の中身が行われていないためです。
実務では、テレワークの普及などで「どこが営業所又は事務所か」が問題になる場面があります。判断に迷う場合は、国交省の最新の解釈・運用の考え方や所管の地方整備局に確認する必要があります(確認日: 2026-09-30)。
兼任禁止の条文と趣旨:
業法第12条第3項は「業務管理者は、他の営業所又は事務所の業務管理者となることができない」と定めています。「原則として」などの限定はなく、同一市内・同一建物内といった事情による例外も法律上ありません。一人の業務管理者が複数の営業所・事務所を掛け持ちすれば、それぞれの営業所での管理・監督(施行規則第13条の各事項)が形だけになるおそれがあるためと考えられます。
一方、国交省「解釈・運用の考え方」は「業務管理者が宅地建物取引士も兼務する等他の業務を兼務することが法違反となるものではない」としています。禁止されているのは「他の営業所又は事務所の業務管理者との兼任」であって、同じ営業所で他の業務を兼ねることではありません。
複数事務所をもつ管理業者の体制づくり:
1. 業務管理者の人員計画: 営業所・事務所の数だけ業務管理者を確保する
2. 資格者の育成: 施行規則第14条の要件(管理業務に関する2年以上の実務経験等+登録証明事業による証明又は宅建士で指定講習修了)を満たす人材を育てる
3. 新規事務所開設の条件: 業務管理者の確保を新規事務所開設の前提にする
4. 欠員対応: 業務管理者が全て欠けた営業所では、新たな選任まで管理受託契約を締結できない(第12条第2項)ことを踏まえ、後任候補を用意しておく
なお、登録申請の際には、業務管理者の配置の状況及び業務管理者が施行規則第14条の要件に該当する旨を記載した書面を添付します(施行規則第7条)。営業所又は事務所ごとに業務管理者を確実に選任すると認められない者は登録を拒否されます(業法第6条第1項第11号)。
確認日: 2026-09-30。出典: 賃貸住宅管理業法第6条・第12条・第44条(e-Gov)、同法施行規則第7条・第13条・第14条(e-Gov)、国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版)。
- 宅地建物取引業法e-Govで原文を読む
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第6条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第12条第1項(営業所又は事務所ごとに1名以上)・第3項(他の営業所又は事務所の業務管理者となることができない)、国土交通省「解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版・営業所又は事務所に該当しない施設) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

