問題
次の人物ア〜オのうち、賃貸住宅管理業法第6条第1項の欠格事由に該当しない者として、正しいものはどれか(いずれも業務管理者の実務経験その他の要件は満たしているものとする)。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はアです。
刑法第27条第1項により、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは効力を失います。Aは猶予期間(3年)を新たな犯罪なく経過しているため、そもそも「拘禁刑以上の刑に処せられ」た状態ではなくなり、業法第6条第1項第4号の欠格事由に該当しません。
Bは猶予期間中であり、刑の言渡しはなお効力を有するため該当します(イ)。Cは復権を得ていないため第2号に該当します(ウ)。Dは執行終了から5年を経過していないため第4号に該当します(エ)。Eも暴力団員でなくなった日(3年前)から5年を経過していないため第5号に該当します(オ)。該当しないのはアのみです。
各人物の欠格事由該当性の判定:
| 人物 | 事由 | 判定の根拠 | 該当性 |
|---|---|---|---|
| A | 拘禁刑1年・執行猶予3年(4年前)→猶予期間を経過(1年前) | 刑法第27条第1項により刑の言渡しが効力を失う=「拘禁刑以上の刑に処せられ」た状態ではなくなる | 該当しない |
| B | 拘禁刑6月・執行猶予2年(2年前)→猶予期間中 | 猶予期間中は刑の言渡しがなお効力を有する(業法第6条第1項第4号) | 該当する |
| C | 破産手続開始の決定(6年前)→未復権 | 第2号は「復権を得ない者」に限定・期間の定めなし | 該当する |
| D | 業法違反の罰金刑(3年前)→執行終了 | 第4号は執行終了等から5年経過が必要。3年しか経過していない | 該当する |
| E | 暴力団員でなくなった(3年前) | 第5号は「なくなった日から5年を経過しない者」。3年しか経過していない | 該当する |
各選択肢の整理:
- ア(正): 刑法第27条第1項により、猶予期間経過で刑の言渡しの効力が失われ、業法第6条第1項4号の前提(拘禁刑以上の刑に処せられたこと)自体が消滅する。
- イ(誤): 猶予期間中は刑の言渡しの効力が継続しており、第4号に該当したままである。
- ウ(誤): 破産による欠格は期間の定めがなく、復権まで継続する。
- エ(誤): 罰金刑による欠格期間(5年)を経過していない。
- オ(誤): 暴力団員でなくなった日から5年を経過していないため、第5号の欠格事由に該当する。
【刑法第27条第1項の効果が業法第6条第1項第4号に与える影響】
業法第6条第1項第4号は「拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者」を欠格事由とします。この規定が前提とするのは「刑に処せられた」という事実が現に存在していることです。
刑法第27条第1項は「刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う」と規定しています。これは、単に「刑の執行が終わった」ことを意味するのではなく、刑の言渡し自体がなかったことになるという、より強い法的効果です。したがって、執行猶予付き判決を受けた者が、猶予期間中に新たな犯罪を犯すことなく(かつ猶予を取り消されることなく)猶予期間を経過した場合、その者は法律上「刑に処せられたことがない者」として扱われることになります。
「執行猶予満了日から5年」という誤解への注意:
「執行猶予が満了した日を起算点として、そこからさらに5年の欠格期間が続く」と取り違えやすい点です。しかし、刑法第27条第1項の効果を正しく理解すれば、猶予期間の経過によって刑の言渡しそのものが効力を失うため、業法第6条第1項第4号の「刑に処せられ…5年を経過しない者」という要件の前提が失われ、猶予期間経過のその時点から直ちに欠格事由に該当しなくなる(5年の欠格期間を別途起算する必要はない)というのが正確な理解です。
猶予期間中(B)との違い:
これに対し、猶予期間がまだ経過していない者(B)は、刑の言渡しがなお有効な状態にあるため、業法第6条第1項第4号の「拘禁刑以上の刑に処せられ」た者に該当し、欠格事由が継続しています。猶予期間の経過を待たずに欠格事由から解放されることはありません。
破産(第2号)・罰金刑(第4号)との比較:
破産による欠格(第2号)は「復権を得ない者」に限定され、期間の定めなく継続する点で、期間の経過で解消する拘禁刑以上の刑(第4号)とは性質が異なります。また、罰金刑にも、50万円以下の罰金の言渡しであれば執行猶予を付すことができます(刑法第25条第1項)。Dは罰金の刑の執行を終えているので、第4号どおり執行を終わった日から5年を数えます。
猶予期間中に更に罪を犯した場合:
刑法第27条第2項は、猶予期間内に更に犯した罪(罰金以上の刑に当たるもの)について公訴が提起されているときは、猶予期間が経過しても刑の言渡しがなお効力を有する場合があると定めています。本問のAは、猶予期間中に新たな罪を犯しておらず、猶予の言渡しも取り消されていないので、第1項どおり刑の言渡しが効力を失います。
確認日: 2026-09-30。出典: 賃貸住宅管理業法第6条、刑法第27条(e-Gov 法令API v2)。
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第6条e-Govで原文を読む
- 刑法第27条・第25条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第6条第1項第2号・第4号・第5号、刑法第27条第1項 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

