問題
賃貸住宅管理業法第12条第1項に規定する管理受託契約(管理業務の委託を受けることを内容とする契約)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はイです。
管理受託契約は「管理業務の委託を受けることを内容とする契約」です(業法第12条第1項)。管理業務は賃貸住宅の賃貸人から委託を受けて行う業務なので(第2条第2項)、委託者はオーナー(賃貸人)であり、入居者(賃借人)との契約ではありません(ア誤り)。
管理業務の全部の委託に限られません(ウ誤り)。契約を締結したときは遅滞なく書面を交付する義務があります(第14条・エ誤り)。サブリース(特定賃貸借契約)は賃貸借契約で、第28条以下の別の規律を受けます(オ誤り)。
管理受託契約の基本構造:
| 当事者 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 賃貸人(オーナー) | 委託者(第14条第1項) | 管理業務を管理業者に委託する側 |
| 賃貸住宅管理業者 | 受託者 | 委託を受けて管理業務を行う側 |
| 賃借人(入居者) | 当事者ではない | 管理の対象となる住宅の入居者 |
管理受託契約と特定賃貸借契約(サブリース)の違い:
| 比較点 | 管理受託契約 | 特定賃貸借契約(サブリース) |
|---|---|---|
| 法的性質 | 委任・準委任(管理業務の委託) | 賃貸借(オーナーから転貸目的で借り上げる) |
| 定義 | 業法第12条第1項 | 業法第2条第4項 |
| 主な規律 | 第13条〜第21条(締結前・締結時の書面、再委託の禁止、分別管理、定期報告等) | 第28条〜第36条(誇大広告・不当勧誘の禁止、締結前・締結時の書面等) |
各選択肢の整理:
- ア(誤): 委託者は賃貸人(オーナー)であり入居者ではない。
- イ(正): 賃貸人から管理業者への管理業務の委託(第2条第2項・第12条第1項)。
- ウ(誤): 定義は「管理業務の委託を受けることを内容とする契約」で、全部の委託に限られない。
- エ(誤): 契約自体は合意で成立するが、締結したときは遅滞なく書面を交付しなければならない(第14条第1項・違反は第44条第4号の罰金)。
- オ(誤): 特定賃貸借契約は賃貸借契約であり、管理受託契約(委任型)とは別の契約・別の規律。
【管理受託契約の法的性質(委任型)と実務上の意義】
管理受託契約は、民法上は委任又は準委任(民法第643条・第656条)と解されます。管理業者は受任者として、善良な管理者の注意をもって管理業務を処理する義務を負います(民法第644条)。
これに対してサブリース(特定賃貸借契約)は賃貸借契約(民法第601条)であり、特定転貸事業者が借主としてオーナーから住宅を借り上げ、入居者に転貸します。特定転貸事業者は借主として家賃を支払う義務を負い、転貸の成否にかかわらずこの義務は生じます。この「委任型(管理受託)」と「賃貸借型(サブリース)」の違いが、業法上の規律の違い(書面の種類・記載事項等)につながっています。
書面交付義務(業法第14条):
業法第14条第1項は「賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結したときは、管理業務を委託する賃貸住宅の賃貸人(以下「委託者」という。)に対し、遅滞なく」書面を交付しなければならないと定め、記載事項として①管理業務の対象となる賃貸住宅、②管理業務の実施方法、③契約期間に関する事項、④報酬に関する事項、⑤契約の更新又は解除に関する定めがあるときはその内容、⑥その他国土交通省令で定める事項を挙げています。施行規則第35条は、④に報酬の額・支払の時期・方法を含むこと、⑥として管理業者の商号・登録年月日・登録番号、管理業務の内容、再委託に関する定め、責任及び免責に関する定め、委託者への報告に関する事項、入居者への周知に関する事項を定めています。
「一部の委託」と管理業務の定義の関係:
管理受託契約は管理業務の一部だけを委託する内容でも構いません。ただし、そもそも「管理業務」に当たるかは第2条第2項で判断されます。
- 家賃等の金銭の管理だけを受託する場合:金銭の管理は維持保全と「併せて行うものに限る」ため、管理業務に当たらない
- 清掃だけ・点検だけを受託する場合:維持保全は点検・清掃その他の維持と必要な修繕を行うことをいい、国交省「解釈・運用の考え方」は維持又は修繕の一方のみを行う場合は維持保全に該当しないとしている
なお、管理業者が受託した管理業務の全部を他の者に再委託することは禁止されています(第15条)。
管理受託と特定賃貸借が重なる場合:
特定転貸事業者が賃貸人に代わって維持保全を行う場合は賃貸住宅管理業を営むものと解されています(同考え方)。このように両方の性格をもつ事業者は、第2章(賃貸住宅管理業)と第3章(特定賃貸借契約)の双方の規律を受けることがあります。
確認日: 2026-09-30。出典: 賃貸住宅管理業法第2条・第12条・第14条・第15条・第28条〜第36条・第44条、同法施行規則第35条(e-Gov)、民法第601条・第643条・第644条・第656条(e-Gov)、国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版)。
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第12条・第2条e-Govで原文を読む
- 民法第643条・第644条・第601条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第2条第2項(賃貸住宅管理業・管理業務の定義)・第12条第1項(管理受託契約の定義)・第14条(管理受託契約の締結時の書面の交付) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

