問題
管理業法第21条の秘密保持義務に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイです。
管理業者が委託者の同意なく入居者の住所・氏名を第三者に提供した場合、業法第21条の秘密保持義務違反と、個人情報保護法の第三者提供の制限(同法第27条)違反の両方に当たる可能性があります。二つは目的の異なる別の法律で、同じ行為が両方に違反することは問題なく起こりえます。
秘密保持義務は廃業後も続き(第21条第1項後段・ア誤り)、従業者も退職後まで義務を負います(同条第2項・オ誤り)。罰則は親告罪ではありません(エ誤り)。
秘密保持義務(業法第21条)の全体像:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 義務者 | 賃貸住宅管理業者(第1項)、その代理人・使用人その他の従業者(第2項) |
| 義務の範囲 | 業者:業務上取り扱ったことについて知り得た秘密/従業者:業務を補助したことについて知り得た秘密 |
| 義務の期間 | 業者は賃貸住宅管理業を営まなくなった後も、従業者は従業者でなくなった後も継続 |
| 例外 | 正当な理由がある場合(法令に基づく開示、本人の承諾など) |
| 違反の効果 | 30万円以下の罰金(第44条第7号)。告訴を要件とする規定はない。両罰規定(第45条)の対象外 |
各選択肢の整理:
- ア(誤): 賃貸住宅管理業を営まなくなった後も義務は続く(第21条第1項後段)。
- イ(正): 業法第21条違反と個人情報保護法違反が同時に問題となりうる。
- ウ(誤): 裁判所の命令に応じる開示は「正当な理由」に当たりうるが、委託者への事前通知を義務付ける規定はない。
- エ(誤): 告訴を公訴提起の要件とする規定はなく、親告罪ではない。
- オ(誤): 従業者は、従業者でなくなった後も秘密を漏らしてはならない(第21条第2項後段)。
二重適用(イが正しい根拠):
業法第21条の「秘密」には入居者の氏名・住所等の個人情報も含まれます。個人情報保護法も本人の同意のない個人データの第三者提供を原則として制限しており(同法第27条)、同じ漏えい行為が両法の問題になります。
【「秘密」の範囲と管理業務で知り得る情報】
業法第21条の「秘密」は、一般に知られていない事実で、本人が他に知られたくないと考えるものをいいます。管理業務で知り得る代表的なもの:
委託者(オーナー)の情報:
- 物件の取得価格・借入の状況・収支
- 相続・家族関係などの個人的な事情
- 物件の不具合など公表されていない情報
入居者の情報:
- 氏名・連絡先・勤務先
- 家賃の滞納状況
- 家族構成・健康状態・退去理由など
「正当な理由」の例:
1. 法令に基づく開示: 裁判所の文書提出命令、法令に基づく官公庁への報告・資料提出
2. 本人の承諾: 情報の本人(オーナー・入居者)が第三者への提供を承諾した場合
3. 生命・身体の保護のための緊急時の対応: 入居者の急病などで家族や救急機関に情報を伝える必要がある場合
裁判所の命令と委託者への通知(ウの誤りの詳細):
裁判所の文書提出命令に応じる場合に、委託者へ事前に通知することを義務付ける規定は業法にありません。事案によっては委託者に知らせることが望ましい場合もありますが、それは法令上の義務ではありません。
従業者の義務(オの誤りの詳細):
業法第21条第2項は「賃貸住宅管理業者の代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、賃貸住宅管理業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。賃貸住宅管理業者の代理人、使用人その他の従業者でなくなった後においても、同様とする」と定めています。退職者による顧客情報の持ち出しも、この規定の問題となります。宅建業法でも、業者(第45条)と従業者(第75条の3)の秘密保持義務が同じ構造で定められています。
個人情報保護法との関係:
個人情報保護法は、個人データの第三者提供を原則として本人の同意がなければできないとしています(同法第27条)。管理業者は、入居者情報を名簿業者や他の不動産業者に渡すといった行為が、業法第21条と個人情報保護法の両方の問題になることを踏まえ、社内の情報管理のルールと従業者教育を整える必要があります。
確認日: 2026-09-30。出典: 賃貸住宅管理業法第21条・第44条第7号・第45条(e-Gov)、個人情報の保護に関する法律第27条(e-Gov)、宅地建物取引業法第45条・第75条の3(e-Gov)。
- 個人情報の保護に関する法律第27条e-Govで原文を読む
- 宅地建物取引業法第45条e-Govで原文を読む
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第21条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第21条(秘密を守る義務・第1項 業者/第2項 従業者・いずれも業務をやめた後も継続)、第44条第7号(30万円以下の罰金)、個人情報の保護に関する法律第27条(第三者提供の制限) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

