問題
管理受託契約に基づく業務の再委託(業法第15条)における、再委託先への監督責任に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイです。
国交省「解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版)は、再委託について「再委託先は賃貸住宅管理業者である必要はないが、賃貸住宅管理業者が再委託先の業務の実施について責任を負う」としています。管理業者は受任者として善良な管理者の注意義務を負うため(民法第644条)、再委託先の業務を確認・監督し、問題があれば是正する必要があります(イ正)。
再委託先が登録業者である必要はありません(ウ誤り)。再委託しても委託元の責任は消えません(ア・エ・オ誤り)。
再委託先への監督責任:
| 義務・責任 | 内容 |
|---|---|
| 再委託先の資格 | 賃貸住宅管理業者である必要はない(同考え方) |
| 委託元の責任 | 再委託先の業務の実施について賃貸住宅管理業者が責任を負う(同考え方) |
| 選定・監督 | 受任者の善管注意義務(民法第644条)として、適切な業者を選び、業務を確認・監督する |
| 業法上の義務 | 分別管理(第16条)・定期報告(第20条)等は委託元が引き続き負う |
| 全部の再委託 | 禁止(第15条)。複数の者に分割して自らは管理業務を一切行わないことも違反(同考え方) |
各選択肢の整理:
- ア(誤): 再委託後も委託元の管理業者が責任を負う。
- イ(正): 再委託先の業務の確認・監督と是正は、委託元が責任を負う以上当然に求められる。
- ウ(誤): 再委託先は賃貸住宅管理業者である必要はない。
- エ(誤): 選定や監督に落ち度があれば、委託者に対する債務不履行責任(民法第415条)を負いうる。
- オ(誤): 再委託先の従業者の不法行為について、選定・監督に落ち度があれば委託元も責任を問われうる。
【再委託先への監督の法的根拠】
民法第644条は「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と定めています。管理受託契約(委任・準委任)の受任者である管理業者は、業務の一部を再委託してもこの注意義務から解放されません。国交省「解釈・運用の考え方」が、再委託先の業務の実施について賃貸住宅管理業者が責任を負うとしているのも、この構造を前提としています。
再委託先を選ぶ際の注意として、①業者の信用・実績の確認、②業務品質の基準の設定、③業務の実施状況を確認する体制の構築などが考えられます。
「信用のない業者への委託」による損害賠償リスク(エの詳細):
管理業者が費用を抑えるために信頼性の低い業者を選び、その業者が入居者の物を壊したり修繕を不完全に行ったりした場合、管理業者は選定・監督の注意義務違反として、委託者(オーナー)に対し債務不履行責任(民法第415条)を負う可能性があります。「委託先の選定は自由だ」という主張は、合理的な基準で選んだことを示せない限り責任逃れになりません。
再委託先の不法行為と委託元の責任:
再委託先の従業者が入居者に不法行為(プライバシー侵害・無断立入り・器物損壊等)をした場合:
1. 再委託先: 自社の従業者の使用者として責任(民法第715条)
2. 委託元の管理業者: 再委託先の選定・監督に落ち度があれば、オーナーに対する債務不履行責任(民法第415条)
3. 共同不法行為(民法第719条): 委託元の監督の懈怠と再委託先の不法行為が共同して損害を生じさせた場合
被害を受けた入居者は、事案によっては委託元の管理業者に対しても、選定・監督の過失を理由とする不法行為責任(民法第709条)を主張しうると考えられます。
管理業法上の監督処分のリスク:
再委託先の業務を全く確認せず問題を放置していた場合、国土交通大臣は、賃貸住宅管理業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは業務改善命令(第22条)を出すことができます。
- 再委託した清掃業者が適切な清掃を行わず、入居者からの苦情が多発している
- 管理業者が再委託先の業務を確認していない
- 定期報告(第20条)でオーナーに正確な状況が報告されていない
このような状況は、業務改善命令等につながるおそれがあります。
確認日: 2026-09-30。出典: 賃貸住宅管理業法第15条・第16条・第20条・第22条(e-Gov)、民法第415条・第644条・第709条・第715条・第719条(e-Gov)、国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版)。
- 民法第644条・第415条・第715条・第719条・第709条e-Govで原文を読む
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第15条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第15条(再委託の禁止)、国土交通省「解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版・第15条関係:再委託先は賃貸住宅管理業者である必要はないが、賃貸住宅管理業者が再委託先の業務の実施について責任を負う)、民法第644条(受任者の注意義務) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

