賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 賃貸住宅管理業法 問65|管理受託契約における利害相反・コンフリクト

問題

賃管士 | 賃貸住宅管理業法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

管理業者がオーナー(委託者)と入居者(賃借人)の双方の利益を調整する場面での利害相反・コンフリクトに関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイです。

業法第1条は、「賃貸住宅の入居者の居住の安定の確保及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の公正かつ円滑な実施を図る」ことを目的に掲げています。管理業者はオーナーから委託を受けて業務を行う一方、入居者の居住の安定にも配慮した対応が求められます(イ正)。

「常にオーナー優先」(ア)は誤り。違法行為を実行した管理業者が責任を免れることはありません(ウ誤り)。入居者からの苦情の発生状況・対応状況は定期報告の記載事項であり、オーナーに報告しなければなりません(エ誤り)。

管理業者の「二つの側面」と利害の調整:

側面内容
オーナーへの義務管理受託契約の受任者としての善管注意義務(民法第644条)、定期報告(業法第20条)など
入居者への配慮業法第1条の「入居者の居住の安定の確保」、秘密保持(第21条)、苦情処理(施行規則第13条第7号)、自力救済の禁止など
双方の調整修繕要求・家賃交渉・立退き等の場面で両者の利益を調整

利害相反が生じやすい場面と適切な対応:

場面適切な対応
修繕要求賃貸人の修繕義務(民法第606条)をオーナーに伝え、必要な修繕を促す。苦情の発生・対応状況は定期報告で報告する
立退き交渉借地借家法の正当事由などの法的枠組みを踏まえ、違法な圧力をかけない
家賃滞納の督促適法な方法で督促する。自力救済は行わない

各選択肢の整理:

  • ア(誤): 「常にオーナー優先」は業法第1条の趣旨に反する。
  • イ(正): 業法第1条の目的どおり。
  • ウ(誤): 違法行為を実行した管理業者は自ら不法行為責任(民法第709条)を負う。
  • エ(誤): 管理業務報告書には入居者からの苦情の発生状況及び対応状況を記載する(施行規則第40条第1項第3号)。オーナーの意向にかかわらず報告は必要。
  • オ(誤): 第1条は法律全体の目的規定であり、個別の契約上の責任を免除する根拠にはならない。

【管理業法の目的と受任者としての義務のバランス】

業法第1条は、入居者の居住の安定の確保と、賃貸住宅の賃貸に係る事業の公正かつ円滑な実施を並べて掲げています。管理業者は「オーナーの代理人」であるだけでなく、入居者の住環境に直接かかわる事業者として位置付けられています。

民法上、受任者(管理業者)は委任者(オーナー)に対し、委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって事務を処理する義務(民法第644条)を負います。しかしこれは第三者(入居者)を違法に害してよいという意味ではなく、公序良俗(民法第90条)や不法行為法(民法第709条)の範囲内で機能します。

「オーナーの指示」と管理業者の責任(ウ誤りの詳細):

オーナーから「入居者に嫌がらせをして早く退去させろ」と指示されても、管理業者はその指示に従ってはなりません。

1. 嫌がらせによる退去の強要は、自力救済にあたり不法行為(民法第709条)となりうる。行為の態様によっては刑事責任が問われることもある

2. オーナーの指示があっても、実行した管理業者が不法行為責任の主体になる

3. 業務処理の原則(業法第10条:信義を旨とし、誠実にその業務を行う)にも反し、業務改善命令(第22条)等の対象となりうる

オーナーと管理業者の共同不法行為(民法第719条)として、双方が連帯して損害賠償責任を負うこともあります。

修繕の要求・苦情とオーナーへの報告(エの詳細):

民法第606条は賃貸人に修繕義務を課しています。入居者から修繕の要求があった場合の管理業者の対応は、

1. オーナーへの報告: 要求の内容を速やかにオーナーに伝える(受任者としての報告義務・民法第645条)。定期報告では入居者からの苦情の発生状況及び対応状況を必ず記載する(施行規則第40条第1項第3号)

2. 法的な見通しの説明: 修繕が必要なのに行われない場合、賃借人が自ら修繕できる場合があること(民法第607条の2)や、賃料の減額が問題となる場合があること(民法第611条)をオーナーに伝える

3. 緊急時の対応: 管理受託契約の権限の範囲内で、緊急の対応を行う

「オーナーが拒否したから何も伝えない」という対応は、受任者としての義務や定期報告のルールに反します。

確認日: 2026-09-30。出典: 賃貸住宅管理業法第1条・第10条・第20条・第22条、同法施行規則第13条・第40条(e-Gov)、民法第90条・第606条・第607条の2・第611条・第644条・第645条・第709条・第719条(e-Gov)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第1条(目的)・第20条(委託者への定期報告)、同法施行規則第13条第7号・第40条第1項第3号(入居者からの苦情の発生状況及び対応状況)、民法第606条・第644条・第709条 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。