賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 賃貸住宅管理業法 問67|管理受託契約の解除・違約金・損害賠償

問題

賃管士 | 賃貸住宅管理業法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

管理受託契約の解除と違約金・損害賠償に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はオです。

管理受託契約は民法上の委任・準委任です。管理業者が管理業法の義務を著しく違反した場合は、管理受託契約上の債務不履行に当たりえます。この場合、オーナーは相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がなければ民法第541条により契約を解除できます。解除条項がなくても解除できます(エ誤り)。

民法第651条第1項によりいつでも解除できますが、相手方に不利な時期の解除などは損害賠償の対象です(同条第2項・ア誤り)。委託者が消費者なら違約金条項は消費者契約法の規律を受けます(ウ誤り)。

管理受託契約の解除の根拠と損害賠償:

解除の根拠解除できる者損害賠償
民法第651条第1項(委任の解除)委任者(オーナー)・受任者(管理業者)のどちらも、いつでも①相手方に不利な時期に解除したとき、②委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く)をも目的とする委任を解除したときは損害賠償(同条第2項)。ただしやむを得ない事由があったときは不要
民法第541条(催告による解除)債務不履行の相手方別途、損害賠償請求が可能(民法第415条・第545条第4項)
約定解除条項条項で定めた当事者・要件による違約金条項による場合あり

各選択肢の整理:

  • ア(誤): 民法第651条第2項の場合(不利な時期の解除など)は、やむを得ない事由がない限り損害賠償義務を負う。
  • イ(誤): 管理受託契約の解除について国土交通大臣への届出を求める規定はない。廃業等の届出(業法第9条)は別問題。
  • ウ(誤): 委託者が消費者(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合を除く個人)に当たる契約であれば、違約金条項は消費者契約法第9条第1項第1号の規律を受ける。
  • エ(誤): 解除条項がなくても民法第541条の解除は可能。
  • オ(正): 著しい義務違反=債務不履行→催告後の解除(民法第541条)。

【民法第651条と第541条の「二つの解除権」】

管理受託契約の解除には、「委任の解除(民法第651条)」と「債務不履行による解除(民法第541条)」という二つの根拠があります。

民法第651条の特徴:

  • 第1項:「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる」
  • 第2項:解除した者は、①相手方に不利な時期に解除したとき、②委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したときは、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない

民法第541条の特徴:

  • 相手方の債務不履行を前提とし、相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行がないときに解除できる
  • ただし、期間経過時の不履行が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは解除できない(同条ただし書)
  • 解除しても損害賠償の請求は妨げられない

管理業者が管理業法の義務を著しく違反した場合(例:家賃等を分別管理せず流用する、定期報告を全く行わない等)は、管理受託契約上の義務の不履行として、オーナーは第541条の解除権を行使できます。

消費者契約法との関係(ウの詳細):

消費者契約法の「消費者」は、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいいます。賃貸住宅のオーナーが消費者に当たるかは事案によりますが、消費者に当たる契約であれば、「当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、…当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」は、その超える部分が無効となります(消費者契約法第9条第1項第1号)。

違約金条項の設計:

違約金条項を設ける場合は、次の観点から合理的に設計することが重要です。

1. 算定根拠の明示: 「管理手数料〇か月分」などの根拠を示す

2. 損害との釣り合い: 解除によって管理業者に実際に生じる損害を合理的に反映する

3. 消費者との契約: 平均的な損害の額を超える部分は無効となりうる

4. 解除理由による区別: 管理業者の義務違反による解除と、オーナーの都合による解除とで扱いを分ける

確認日: 2026-09-30。出典: 民法第415条・第541条・第545条・第651条(e-Gov)、消費者契約法第2条・第9条(e-Gov)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法第541条(催告による解除)、民法第651条(委任の解除・損害賠償)、消費者契約法第9条第1項第1号(損害賠償の額を予定する条項等の無効) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。