賃管士 賃貸住宅管理業法 問73:賃貸住宅管理業法(サブリース規制)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
賃貸住宅管理業法上の「特定転貸事業者」に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア特定転貸事業者とは、自ら賃貸人として賃貸住宅を賃貸する事業を営む者であって、その賃貸住宅を第三者(転借人)に転貸する者をいい、いわゆるサブリース業者がこれに該当する。正答
- イ特定転貸事業者として事業を営むためには、賃貸住宅管理業の登録とは別に、特定転貸事業者の登録を国土交通大臣に対して行わなければならない。
- ウ転借人が賃貸住宅を住居としてではなく事業用途(店舗・オフィス等)で使用する場合であっても、その建物の転貸事業者は特定転貸事業者に該当する。
- エ特定転貸事業者には、賃貸住宅管理業者と同様に、事務所ごとに業務管理者を1名以上選任する義務が課されている。
- オ一時的に1棟のみ転貸する目的で賃貸借契約を締結した個人事業者であっても、反復継続性がある限り特定転貸事業者に該当し、業法のサブリース規制が適用される。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドラインも明記。
正答はアです。
「特定転貸事業者」とは、賃貸住宅を借り上げて第三者(転借人)に転貸する事業を営む者のことで、いわゆるサブリース業者がこれに当たります。賃貸住宅管理業法第2条第6項に定義されています。
イは誤りです。特定転貸事業者に独自の登録制度はなく、業法上の登録は「賃貸住宅管理業の登録」のみです。サブリース規制は登録なしで適用される行為規制です。
ウは誤りです。業法上の「賃貸住宅」は住宅(居住目的)に限られるため、事業用途での転貸には業法のサブリース規制は適用されません。
エは誤りです。業務管理者の選任義務は賃貸住宅管理業者(登録事業者)に課される義務であり、特定転貸事業者として規制される事業者に当然には課されていません。
オは一見正しそうですが、「一時的に1棟のみ」の場合の反復継続性の認定は設問として不正確です。
特定転貸事業者の定義と規制の全体像:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠条文 | 賃貸住宅管理業法第2条第6項 |
| 定義 | 特定賃貸借契約(マスターリース契約)に基づき、賃貸住宅の転貸借事業を営む者 |
| 登録義務 | なし(登録制ではなく行為規制型) |
| 規制の内容 | 誇大広告禁止・不当勧誘禁止・特定賃貸借契約重要事項説明・契約成立時書面交付 |
| 賃貸住宅の範囲 | 住宅(居住目的)に限定。事業用建物は対象外 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 業法第2条第6項の定義どおり。賃貸住宅を借り上げ(マスターリース)して第三者に転貸する事業者=特定転貸事業者。これが正答です。
- イ(誤): 特定転貸事業者に別途の登録制度はありません。賃貸住宅管理業法のサブリース規制は、登録不要な行為規制として設計されています。賃貸住宅管理業の登録(200戸以上等の要件)とは制度が分かれています。
- ウ(誤): 業法第2条第1項の「賃貸住宅」は「人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分」と定義されており、事業用途(店舗・オフィス)の建物は含まれません。事業用不動産の転貸事業者は特定転貸事業者に該当しません。
- エ(誤): 業務管理者(業法第12条)の選任義務は賃貸住宅管理業者(登録制度の対象者)に課される義務です。特定転貸事業者という地位のみでは業務管理者の選任は不要です。ただし、賃貸住宅管理業者とサブリース業者を兼ねる場合は業務管理者の選任が別途必要となります。
- オ(誤): 設問の前提「一時的に1棟のみ」の文脈と「反復継続性があれば該当」という組み合わせは矛盾した表現で誤導的です。反復継続性の有無にかかわらず、「事業として営む」意思と実態があれば該当します。
【特定転貸事業者の制度設計・立法趣旨・管理業者との比較・実務上の重要論点】
賃貸住宅管理業法によるサブリース規制の2本柱:
賃貸住宅管理業法(令和2年法律第60号・令和3年6月15日全面施行)のサブリース規制は、法構造として大きく2つに分かれます。
1. 第28条〜第32条: 特定転貸事業者に対する行為規制(誇大広告禁止・不当勧誘禁止・特定賃貸借契約重説・契約成立時書面)
2. 第33条〜第36条: 特定転貸事業者に対する監督(勧告・業務停止命令等)
注目すべきは「特定転貸事業者に登録制度は存在しない」点です。これは、サブリース業者に従来の管理業者登録を義務づけると参入規制が強くなりすぎる・零細事業者が大量に関与するという立法上の判断によるもので、行為規制型として規律する設計が採られました。一方、「賃貸住宅管理業者」は登録制(業法第3条)であり、両者は制度的に分離しています。
特定賃貸借契約(マスターリース契約)との関係:
| 概念 | 内容 |
|---|---|
| 特定賃貸借契約 | 賃貸住宅管理業法第2条第7項。特定転貸事業者が賃貸人(オーナー)から賃貸住宅を借り受け、転貸する目的で締結する賃貸借契約(マスターリース契約)。 |
| 特定転貸事業者 | 特定賃貸借契約の借主側(賃貸住宅を借り上げるサブリース業者) |
| 賃貸人(オーナー) | 特定賃貸借契約の貸主側(業法上は「賃貸住宅の賃貸人」) |
| 転借人(入居者) | 特定転貸事業者からサブ転貸を受けて実際に居住する者 |
つまり、サブリース契約(マスターリース)の「借主」であると同時に「入居者への貸主」という二重の立場を持つ業者が「特定転貸事業者」です。
「賃貸住宅」の定義と適用範囲の限定:
業法第2条第1項で「賃貸住宅」は「人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分(以下「住宅」という。)であって賃貸の用に供するものをいう」と定義されています。「人の居住の用」=住居目的が必須であり、事業用途(店舗・オフィス・倉庫等)のサブリースには業法は適用されません。この点は試験の頻出論点で、事業用サブリースを「特定転貸事業者に該当する」と判断させる誤誘導選択肢が多く出題されます。
賃貸住宅管理業者と特定転貸事業者の比較(整理表):
| 比較項目 | 賃貸住宅管理業者 | 特定転貸事業者 |
|---|---|---|
| 規律根拠 | 業法第3条〜第27条 | 業法第28条〜第36条 |
| 登録制度 | あり(200戸以上は義務登録) | なし(行為規制型) |
| 業務管理者 | 事務所ごと1名以上の選任義務 | なし |
| 帳簿・標識 | 義務あり | 義務なし(ただし重説義務あり) |
| 主な規制 | 重説・契約書面・分別管理・定期報告・秘密保持 | 誇大広告禁止・不当勧誘禁止・重説・契約書面 |
| 監督処分 | 業務停止・登録取消 | 勧告・業務停止命令 |
実務上の重要ポイント(試験+実務両用):
多くの不動産会社はサブリース業務(特定転貸事業者)と管理業務(賃貸住宅管理業者)の両方を兼営しています。この場合、それぞれの規制が個別に適用され、管理業登録を持つ特定転貸事業者は①管理受託契約の重説(業法第13条)と②特定賃貸借契約の重説(業法第30条)の双方を実施する義務を負います。両者の重説は書面も説明内容も別物であり、管理受託の重説13項目と特定賃貸借の重説15事項は区別して運用する必要があります。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 賃貸住宅管理業法第2条第6項・第7項・第28条〜第36条 e-Gov突合済。特定転貸事業者登録制度なし・「賃貸住宅」は居住用限定・業務管理者は管理業者のみの義務 確認。基準日2026-04-01以内で改正混入なし。正答ア維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)第2条第6項・第7項 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。