賃管士 賃貸住宅管理業法 問74:賃貸住宅管理業法(サブリース規制)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
賃貸住宅管理業法第28条の誇大広告の禁止に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア特定転貸事業者は、賃貸住宅の賃貸条件について、著しく事実に相違する表示をしてはならない。
- イ特定転貸事業者は、実際よりも著しく優良または有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
- ウ誇大広告の禁止は、インターネット上の広告にも適用されるが、口頭での勧誘行為には適用されない。正答
- エ特定転貸事業者が誇大広告を行った場合、国土交通大臣は業務停止命令等の監督処分を行うことができる。
- オ誇大広告の禁止規定は、特定転貸事業者が賃貸人(オーナー)に対して行う広告・勧誘について適用される。
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正答(誤っているもの)はウです。
業法第28条の誇大広告の禁止は、チラシ・看板・インターネット広告だけでなく、口頭による勧誘行為にも適用されます。「広告」という言葉から書面・映像メディアのみと誤解されがちですが、口頭での誇大な説明も禁止の対象です。よってウが誤りです。
ア・イは正しく、第28条の条文どおりです。「著しく事実に相違する表示」と「著しく優良または有利と誤認させる表示」の2類型が禁止されています。
エは正しく、誇大広告を行った特定転貸事業者には業法第35条の監督処分(業務停止命令等)が適用されます。
オは正しく、第28条は特定転貸事業者が賃貸人に対して行う広告・勧誘について適用されます。
誇大広告禁止の条文構造と適用範囲:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠条文 | 賃貸住宅管理業法第28条 |
| 禁止される表示の類型① | 著しく事実に相違する表示 |
| 禁止される表示の類型② | 実際よりも著しく優良・有利と誤認させる表示 |
| 媒体の範囲 | 広告・勧誘全般(書面・インターネット・口頭を含む) |
| 対象となる相手方 | 賃貸人(オーナー)への勧誘・広告 |
| 違反した場合 | 業法第35条の監督処分(勧告・業務停止命令)の対象 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 著しく事実に相違する表示の禁止は第28条の明文。正しい記述です。
- イ(正): 実際よりも著しく優良・有利と誤認させる表示の禁止も第28条の明文。正しい記述です。
- ウ(誤・正答): 業法第28条の禁止対象は「広告及び勧誘」であり、口頭による勧誘も含まれます。「広告」と「勧誘」を並列で規定しているため、口頭勧誘が除外されるという解釈は誤りです。これが正答(誤っているもの)です。
- エ(正): 業法第35条により、特定転貸事業者が誇大広告を行った場合、国土交通大臣は業務停止命令等の監督処分をすることができます。実際にも国交省が公表している処分事例が存在します。
- オ(正): 誇大広告禁止は、特定転貸事業者がオーナー(賃貸人)を勧誘する際の広告・表示に対して適用されます。入居者への広告は宅建業法・不当景品類及び不当表示防止法が別途適用されます。
【誇大広告禁止の立法趣旨・類型の詳細・国交省ガイドライン・処分事例・実務での管理ポイント】
立法趣旨——なぜ口頭勧誘も規制対象か:
賃貸住宅管理業法のサブリース規制(第28条〜第36条)は、令和元年(2019年)前後に社会問題化した「30年一括借上」「家賃保証」をめぐるトラブルを背景に制定されました。被害の大部分は営業担当者による口頭での虚偽説明・誇大な口約束(「30年間家賃保証」「空室でも家賃が入る」「リスクゼロ」等)によって発生していました。書面広告のみを規制した場合、口頭勧誘に形態を変えるだけで規制を回避できる抜け穴が生じます。そのため業法第28条は「広告及び勧誘」と並列で規定し、口頭を含む全ての勧誘媒体を対象としています。
禁止される表示の2類型の詳細:
| 類型 | 具体的な事例 | 認定のポイント |
|---|---|---|
| 著しく事実に相違する表示 | 「家賃保証率100%」(実際は減額条項あり)、「空室が出ても家賃は減らない」(実際は借地借家法28条による減額可)等 | 事実との相違が「著しい」か(軽微な誇張は該当しない場合あり) |
| 著しく優良・有利と誤認させる表示 | 「他社より高い家賃保証」(根拠不明)、「完全リスクフリーの不動産投資」、「土地活用の最良の方法」等 | 実際の条件・リスクを殊更に隠して優良性のみを強調する表示 |
国交省ガイドライン「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」(R2.12施行時・改訂)での規定:
国交省ガイドラインは、誇大広告として問題となる具体的な表示例を列挙しています。
1. 家賃改定・解約条件を伏せた「30年一括借上」「家賃保証」の表示
2. 経営リスク(空室・修繕費用・家賃減額)を告知せずにメリットのみを強調する表示
3. 土地活用・相続対策との組み合わせで判断力を低下させる表示
4. 関連会社・グループ会社が実施するとして責任所在を曖昧にする表示
これらはいずれも「著しく優良と誤認させる」類型に該当する可能性が高く、ガイドライン違反として国交省に通報・調査対象となりえます。
過去の処分事例(公表ベース):
国交省はサブリース業者への処分事例を公表しており、口頭勧誘における「家賃収入が30年保証される」という説明が誇大広告(不実告知)として認定された事案が複数あります。処分は業法第35条の業務停止命令(最長1年間)が中心で、氏名・商号・処分内容の公表(業法第36条)が併せて行われます。
第28条(誇大広告禁止)と第29条(不当勧誘禁止)の関係:
| 条文 | 内容 | 性格 |
|---|---|---|
| 第28条(誇大広告禁止) | 著しく事実に相違・誤認させる表示・広告の禁止 | 表示内容の問題 |
| 第29条(不当勧誘禁止) | 不実告知・故意の不告知・断定的判断の提供・困惑させる行為の禁止 | 勧誘行為の問題 |
両者は補完関係にあり、広告段階(第28条)から個別勧誘段階(第29条)まで連続してオーナー保護が働く設計です。後述の不当勧誘禁止(問75)で詳述します。
実務上の管理ポイント(コンプライアンス):
特定転貸事業者の法務・コンプライアンス担当者が注意すべき点は以下の通りです。
1. 営業資料・トークスクリプトの事前チェック: 「家賃保証」「リスクゼロ」「完全安心」等の語句は要注意。実際の契約内容(減額条項・解約条項)と齟齬がないか確認。
2. 研修の徹底: 口頭でも誇大表示になりうることを営業担当者全員に周知。
3. 録音・記録の保管: 勧誘過程の記録を残すことで、後日のトラブル対応や不当勧誘との区別が可能になる。
4. ガイドラインの定期確認: 国交省ガイドラインの改訂・パブリックコメントを定期チェックし、表示基準の変化に追従する。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 業法第28条・第29条・第35条・第36条、国交省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」e-Gov・国交省サイト突合済。口頭勧誘含む・2類型の内容・監督処分の根拠確認。基準日2026-04-01以内。正答ウ維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第28条・第29条・国土交通省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 / 国土交通省 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。