賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 賃貸住宅管理業法 問76|特定賃貸借契約の重要事項説明——業法30条・説明事項14項目

問題

賃管士 | 賃貸住宅管理業法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

特定賃貸借契約(マスターリース契約)の重要事項説明(業法第30条)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答(誤っているもの)はオです。

特定賃貸借契約の重説(業法第30条)と、管理受託契約の重説(業法第13条)は別々の制度であり、書面・説明内容の共通化は義務づけられていません。両者の記載事項は条文上も異なります。「共通化が義務づけられている」という記述が誤りです。

ア・ウ・エは正しい記述です。特定賃貸借契約の重説は、①契約締結前に、②書面を交付して行うことが必要で(ア・ウ)、記載事項には維持保全の実施方法も含まれます(エ)。

イも正しい記述です。法令上は同日でも禁止されていませんが、国交省の「解釈・運用の考え方」は説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましいとしています。

特定賃貸借契約の重要事項説明の概要(業法第30条):

項目内容
根拠条文業法第30条・施行規則第45条
実施時期特定賃貸借契約の締結前
方法書面交付+説明(相手方の承諾を得て電磁的方法による提供も可・第30条第2項)
相手方特定賃貸借契約の相手方となろうとする者(オーナー)。特定転貸事業者・賃貸住宅管理業者・宅建業者等の専門家は除く(施行規則第44条)
管理受託重説との関係別制度・書面共通化義務なし

特定賃貸借契約の重要事項説明の主な記載事項(施行規則第45条・全14号から抜粋):

1. 特定転貸事業者の商号・名称又は氏名及び住所(第1号)

2. 家賃の額・支払期日・支払方法等の賃貸の条件並びにその変更に関する事項(第3号)

3. 特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法(第4号)

4. 維持保全に要する費用の分担に関する事項(第5号)

5. 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項(第7号)

6. 契約期間に関する事項(第9号)

7. 転借人の資格その他の転貸の条件に関する事項(第10号)

8. 特定賃貸借契約の更新及び解除に関する事項(第12号)

各選択肢の解説:

  • ア(正): 業法第30条第1項の文言どおり。契約締結前の説明義務。正しい記述です。
  • オ(誤・正答): 管理受託契約の重説(第13条・施行規則第31条の11号)と特定賃貸借契約の重説(第30条・施行規則第45条の14号)は別々の制度です。同一の特定転貸事業者が管理受託とマスターリースを兼ねる場合でも、両重説を「共通化」する義務はなく、それぞれ別の書面・説明が必要です。これが正答です。
  • ウ(正): 第30条第1項が「書面を交付して説明しなければならない」と規定しています。第2項により、相手方の承諾を得て電磁的方法で提供することもできます。
  • エ(正): 施行規則第45条第4号に「特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法」が明記されています。
  • イ(正): 業法上は同日でも禁止されませんが、国交省の「解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版)は「説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましい」としています。賃貸人が内容を理解・検討できない状況での説明は第29条(不当勧誘)や民法上の意思表示瑕疵の問題を生じさせるおそれがあります。

【特定賃貸借契約重説の全体像・管理受託重説との対比・電磁的方法・実務上の落とし穴】

業法上の重説制度は2種類存在する:

賃貸住宅管理業法には重要事項説明(重説)の義務が2箇所あります。これが受験生が最も混同しやすい論点です。

比較項目管理受託契約の重説(第13条)特定賃貸借契約の重説(第30条)
義務者賃貸住宅管理業者(登録事業者)特定転貸事業者
相手方管理受託契約の委託者(オーナー)特定賃貸借契約の賃貸人(オーナー)
根拠条文第13条第30条
施行規則の記載事項根拠第31条(11号)第45条(14号)
説明者の要件法令上の資格者要件なし(業務管理者や一定の実務経験者など専門的知識のある者に行わせることを国交省が推奨)法令上の資格者要件なし(一定の実務経験を有する者や賃貸不動産経営管理士などが行うことが望ましい=解釈・運用の考え方)
書面の電磁的提供承諾を得て可(第13条第2項)承諾を得て可(第30条第2項)

特定賃貸借契約重説の記載事項(施行規則第45条)の詳細:

施行規則第45条は次の14号を定めています。

1. 特定転貸事業者の商号、名称又は氏名及び住所

2. 特定賃貸借契約の対象となる賃貸住宅

3. 家賃の額、支払期日及び支払方法等の賃貸の条件並びにその変更に関する事項

4. 特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法

5. 維持保全に要する費用の分担に関する事項

6. 相手方に対する維持保全の実施状況の報告に関する事項

7. 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項

8. 責任及び免責に関する事項

9. 契約期間に関する事項

10. 転借人の資格その他の転貸の条件に関する事項

11. 転借人に対する第4号の事項の周知に関する事項

12. 特定賃貸借契約の更新及び解除に関する事項

13. 特定賃貸借契約が終了した場合の特定転貸事業者の権利義務の承継に関する事項

14. 借地借家法その他特定賃貸借契約に係る法令に関する事項の概要

このうち最も重要なのは第3号の「家賃…の変更に関する事項」です。30年一括借上の広告で「家賃保証」と宣伝しながら、実際の契約に家賃減額条項・解約条項が含まれているケースがトラブルの温床でした。重説で家賃変動リスクを明示することが第29条(不当勧誘)の不実告知防止にも直結します。

電磁的方法による説明の要件:

業法第30条の重説は、賃貸人(相手方)の承諾を得た場合に電磁的方法(メール・クラウド共有等)による書面提供が認められます(第30条第2項。法律の制定時からある規定です)。手続は施行令第3条に定められています。

  • あらかじめ、用いる電磁的方法の種類及び内容を相手方に示すこと
  • 書面その他の方法(書面等)で相手方の承諾を得ること
  • 承諾後に相手方から書面等で電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、電磁的方法で提供しないこと

管理受託重説との共通化が義務づけられない理由:

同一の特定転貸事業者が管理受託業者(賃貸住宅管理業の登録事業者)とサブリース業者(特定転貸事業者)を兼ねる場合、オーナーに対して①管理受託の重説(第13条)と②特定賃貸借の重説(第30条)の2つを行う必要があります。これらは目的・内容・義務者の根拠法条が異なる別個の義務であり、一方が他方を代替することはできません。

実務では、同じオーナーへの説明場面で2通の書面を使い分ける煩雑さを避けようとする傾向がありますが、法令上の義務を省略することはできません。管理受託の重説(施行規則第31条・11号)には「登録年月日及び登録番号」「報酬の額並びにその支払の時期及び方法」「委託者への報告に関する事項」等が、特定賃貸借の重説(同第45条・14号)には「家賃…の変更に関する事項」「借地借家法その他の法令に関する事項の概要」等がそれぞれ含まれ、記載事項が一致しない構造となっています。

同日説明・同日契約の問題:

業法第30条は「当該特定賃貸借契約を締結するまでに」説明すると規定していますが、同日説明・同日締結を明文で禁止していません。ただし国交省の「解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版)は「説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましい」としています。賃貸人が内容を検討できない状況で締結させた場合は、勧誘の態様によっては第29条(不当な勧誘等の禁止。施行規則第43条の困惑させる行為等)の問題も生じます。特に高齢・判断能力低下のオーナーを相手とした「即日説明即日署名」は後日のトラブルリスクが高いといえます。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第30条・施行規則第45条・国土交通省「解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 / 国土交通省 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。