賃管士 賃貸住宅管理業法 問77:賃貸住宅管理業法(サブリース規制)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
賃貸住宅管理業法第31条の特定賃貸借契約の契約成立時書面に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア特定転貸事業者は、特定賃貸借契約の締結に先立ち、契約の相手方(賃貸人)に対し契約成立時書面(業法第31条書面)を交付しなければならない。
- イ特定賃貸借契約の契約成立時書面は、重要事項説明書と同一の内容でなければならず、別途作成することは許されない。
- ウ契約成立時書面は、賃貸人の求めがあった場合にのみ交付すればよく、求めがなければ省略することができる。
- エ特定賃貸借契約の契約成立時書面には、賃料の支払時期及び方法が記載事項として含まれる。正答
- オ契約成立時書面の交付義務は、特定賃貸借契約の更新時には適用されない。
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正答はエです。
特定賃貸借契約の契約成立時書面(業法第31条)の記載事項には、賃料の支払時期及び方法が含まれます(施行規則第47条)。エは正しい記述です。
ア・ウは誤りです。契約成立時書面(業法第31条書面)の交付時期は「契約締結に先立ち」ではなく契約成立後、遅滞なくです。契約締結前に交付するのは重要事項説明書(業法第30条書面)であり、両者の時系列を混同してはいけません(ア)。求めがなくても交付義務があります(ウ)。
イは誤りです。契約成立時書面と重要事項説明書は別々の書面です。重説書面は契約締結前の説明用・成立時書面は締結後の交付義務という時系列の違いがあります。
オは誤りです。特定賃貸借契約の更新時にも契約成立時書面の交付義務が適用されます(同一条件での更新でも原則として書面交付が必要)。
特定賃貸借契約の契約成立時書面(業法第31条)の概要:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠条文 | 業法第31条・施行規則第47条 |
| 交付時期 | 契約成立後、遅滞なく |
| 交付相手 | 特定賃貸借契約の相手方(賃貸人) |
| 任意省略 | 不可(求めなくても必須) |
| 更新時の適用 | 適用あり(同一条件更新でも原則交付)|
施行規則第47条の主な記載事項:
1. 特定賃貸借契約の目的となる賃貸住宅の所在地・種類・数
2. 賃料等及びその支払の時期・方法(エが正しい理由)
3. 維持保全の実施方法
4. 契約期間
5. 契約の解除に関する事項
6. 特定転貸事業者の商号・住所・登録番号
各選択肢の解説:
- ア(誤): 業法第31条の契約成立時書面の交付時期は「契約の締結に先立ち」ではなく「契約が成立したとき遅滞なく」です。「締結に先立ち」交付するのは重要事項説明書(業法第30条)であり、両条文の時系列を混同した記述です。
- イ(誤): 重要事項説明書(第30条)と契約成立時書面(第31条)は別々の書面です。目的・時期・記載事項が異なります。
- ウ(誤): 契約成立時書面の交付は賃貸人の求めを要件としていません。遅滞なく交付することが義務です。
- エ(正): 施行規則第47条第2号に「賃料等及びその支払の時期並びに方法」が明示的に記載されています。正答です。
- オ(誤): 更新時の書面交付については、同一条件での更新でも原則として書面交付が必要とされています(管理受託契約の更新時省略規定のような例外規定は第31条にはありません)。
【契約成立時書面の制度的意義・管理受託成立時書面との対比・電磁的方法・更新時の取扱い・実務上の活用】
「契約成立時書面」制度の位置づけ:
賃貸住宅管理業法は「重要事項説明(事前告知)→ 契約成立時書面(事後確認)」という二段構造で、契約内容の透明化と後日の紛争防止を図っています。この構造は宅建業法の「重説→37条書面」と機能的に類似しており、賃貸住宅分野のオーナー保護を強化する観点から設けられました。
契約成立時書面と重要事項説明書の比較(同一特定転貸事業者が兼業の場合も含む):
| 比較項目 | 重要事項説明書(第30条) | 契約成立時書面(第31条) |
|---|---|---|
| 交付時期 | 契約締結前 | 契約成立後、遅滞なく |
| 目的 | 賃貸人の判断材料提供 | 合意内容の確認・証拠化 |
| 説明義務 | あり(書面交付+説明) | 書面交付のみ(口頭説明の義務規定なし) |
| 省略 | 不可 | 不可(求めなくても必須) |
| 電磁的方法 | 要件充足で可 | 要件充足で可 |
| 記載事項の根拠 | 施行規則第46条 | 施行規則第47条 |
| 更新時の特則 | 同一条件更新でも原則必要 | 同一条件更新でも原則必要 |
更新時の書面交付義務の解釈:
管理受託契約(第13条・第14条)については、施行規則に「同一条件での更新時は重説省略可」という特則が設けられています。しかし、特定賃貸借契約の成立時書面(第31条)については類似の省略規定が存在しません。
実務的には、同一条件の更新時にも契約書を取り交わすことが一般的であり、業法第31条の成立時書面はその契約書と兼用する形で処理される場合が多いです。ただし書面の内容が施行規則第47条の全記載事項を含んでいることが必要です。
電磁的方法による書面交付の要件:
業法第31条の契約成立時書面も、相手方の承諾を得て電磁的方法(PDF等)での交付が認められます(令和4年改正対応)。電磁的方法を用いる場合の要件は重説(第30条)と同様です。
- 相手方から電磁的方法による承諾を得ること
- 記載事項が電磁的記録に記録されていること
- 相手方がファイルにアクセスできること
施行規則第47条の全記載事項(詳細版):
| 号 | 記載事項 |
|---|---|
| 第1号 | 特定賃貸借契約の目的となる賃貸住宅(所在地・種類・住戸数等) |
| 第2号 | 賃料等及びその支払の時期・方法(試験頻出) |
| 第3号 | 賃料の変動に関する事項(改定条項等) |
| 第4号 | 契約期間 |
| 第5号 | 賃貸住宅の維持保全の実施方法 |
| 第6号 | 維持保全費用の分担 |
| 第7号 | 損害賠償額の予定・違約金 |
| 第8号 | 転借人の資格 |
| 第9号 | 転貸条件 |
| 第10号 | 契約の更新・解除に関する事項 |
| 第11号 | 特定転貸事業者の商号・住所・登録番号(登録がある場合) |
実務上の活用ポイント:
特定転貸事業者が書面を交付する際の実務チェックリストとしては以下が有効です。
1. 施行規則第47条の全記載事項が漏れなく記載されているか
2. 賃料変動条項(借地借家法第32条による減額可能性)が明示されているか
3. 解約条件(予告期間・違約金等)が具体的に記載されているか
4. 電磁的方法を使用する場合、相手方の承諾記録があるか
これらが整備されていれば、後日「聞いていなかった」「説明を受けていない」という主張への対抗力が強まり、第29条(不当勧誘)の故意の不告知を理由とする責任追及を回避できます。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 業法第31条・施行規則第47条 e-Gov突合済。記載事項・交付義務・更新時の取扱い・電磁的方法の要件確認。基準日2026-04-01以内。
監修再確認 2026-06-10(legal-reviser・再監修): アとエが共に正しい記述で問題設計上の二重正答リスクあり。standardレベル解説で問題の趣旨(条文密着的な正答選定)を明確化し、誤解を防止。正答エ維持。本問は出題形式上の改善余地あり(次wave再作問推奨)。
監修確定 2026-06-10(legal-reviser・追加精読): 上記の二重正答リスク(ア・エ共に正)を根本解消するため、選択肢アを「契約成立後遅滞なく」→「契約の締結に先立ち」に変更。これにより業法第30条(重説・締結前)と第31条(成立時書面・成立後遅滞なく)の時系列を混同した誤り選択肢となり、エが単独正答として確定。e-Gov業法第30条・第31条突合済。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第31条・施行規則第47条 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。