賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 賃貸住宅管理業法 問81|中途解約条項——サブリース契約の解除・違約金・予告期間

問題

賃管士 | 賃貸住宅管理業法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

サブリース(特定賃貸借)契約の中途解約に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイです。

サブリース契約においてオーナー(賃貸人)側に高額な違約金を課す条項は、オーナーが消費者契約法上の「消費者」(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合を除く個人・同法第2条第1項)に当たる場合、消費者契約法第9条・第10条により無効となる可能性があります。イは「適用がある場合は…可能性がある」と条件付きで述べており、正しい記述です。

ア・エは誤りです。正当事由(第28条)は賃貸人(オーナー)側からの更新拒絶・解約申入れに必要なもので、サブリース業者(賃借人)からの解約申入れには関係しません(ア)。賃借人からの解約申入れの効力は、中途解約の特約の定め(期間の定めがない場合は民法第617条で申入れから3か月)により、申入れの日に直ちに生じるわけではありません(エ)。

ウは誤りです。業法には中途解約条項を無効とする明示規定はなく、条項の有効性は民法・消費者契約法による判断に委ねられています。

オは誤りです。民法第613条第3項により、賃貸人は賃借人との合意解除を転借人に対抗できない(債務不履行による解除権があった場合を除く)など、必ずしも連動しません。

サブリース契約の中途解約の法律関係:

解約の主体適用法令効果
賃借人(サブリース業者)から中途解約の特約(民法第618条)/期間の定めなし=民法第617条特約の予告期間の経過で終了(期間の定めなし=申入れから3か月)
賃貸人(オーナー)から借地借家法第27条+第28条(正当事由必要)正当事由なければ解約できない(認められれば申入れから6か月で終了)
合意解除民法双方の合意で可

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 繰り返しになりますが、借地借家法第28条の正当事由は賃貸人(オーナー)側からの解約申入れに要求されるもので、賃借人(サブリース業者)が解約申入れをする場面ではオーナーは第28条を理由に拒絶することはできません(借地借家法第27条の「6か月」も賃貸人からの申入れの規定です)。
  • イ(正): オーナーが個人(消費者)の場合、消費者契約法が適用されます。「サブリース業者が解約した場合にオーナーが〇百万円の違約金を支払う」等の条項は、消費者契約法第9条(損害賠償額の予定・違約金の上限)または第10条(消費者の利益を一方的に害する条項は無効)により無効とされる可能性があります。正答です。
  • ウ(誤): 賃貸住宅管理業法には、中途解約条項を直接無効とする規定はありません。中途解約条項の有効性は民法・消費者契約法・借地借家法の解釈に委ねられており、業法上の義務は「重説・成立時書面に解除条件を明記すること」(第30条・第31条)です。
  • エ(誤): 期間の定めのあるサブリース契約で賃借人が中途解約できるのは解約権を留保した特約がある場合で(民法第618条)、その効力は特約の予告期間によります。期間の定めがない場合も、建物の賃貸借は解約申入れの日から3か月を経過して終了します(民法第617条第1項第2号)。「申入れの日から直ちに」という記述は誤りです。
  • オ(誤): 民法第613条第3項は、賃貸人が賃借人との賃貸借を合意解除しても転借人に対抗できない(解除の当時、債務不履行による解除権を有していた場合を除く)と定めています。サブリース業者の解除によって転借人が必ず退去を求められるわけではなく、賃貸人(オーナー)が転借人に対して直接退去を請求できるかは状況によります。

【中途解約条項の有効性判断・消費者契約法の適用・転借人保護の法理・業法成立時書面との連動・実務上の解約条項設計】

消費者契約法の適用と無効条項の判断基準:

サブリース契約においてオーナーが「消費者」(消費者契約法第2条第1項:事業として又は事業のために契約の当事者となる場合以外の個人)に該当する場合、消費者契約法が適用されます。

消費者契約法上、問題になりやすい解約条項のパターン:

条項の類型消費者契約法上の問題判断基準
「オーナーの都合で解約した場合は〇か月分の賃料相当額を違約金とする」第9条第1号(損害賠償の予定等)。平均的損害(サブリース業者の実際の損害)を超える場合はその超過分が無効実際の損害額との比較
「サブリース業者は理由を問わず30日前通知で解約できる」一方「オーナーは正当事由がなければ解約不可」第10条(消費者の権利を制限・義務を加重する条項は無効)民法・借地借家法の規定より消費者に不利かどうか
「解約違約金として物件購入価格の10%」平均的損害を著しく上回る可能性が高く第9条第1号違反通常の解約損害との比較

転借人保護の法理(民法第613条):

サブリース契約が終了した場合の転借人(入居者)の保護は複雑な問題です。

民法第613条第1項は「賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う」と規定しています。転借人はオーナー(賃貸人)に対して直接義務(賃料支払等)を負う一方、次のような保護も受けます。

条文の整理(サブリース終了→転借人保護):

1. 合意解除の場合: 民法第613条第3項本文により、賃貸人は賃借人との合意解除を転借人に対抗できません。

2. サブリース業者の債務不履行による解除: 同項ただし書により、合意解除の当時に賃貸人が債務不履行による解除権を有していたときは、この制限は及びません。

3. 実務上の対応: 業法の締結時書面には「特定賃貸借契約が終了した場合における特定転貸事業者の権利義務の承継に関する事項」(施行規則第47条第7号)を記載するため、終了時の転借人との関係を契約で定め、書面に残しておくことが後日のトラブル防止になります。

業法第31条(契約成立時書面)の解除条項の記載義務との連動:

業法第31条の契約成立時書面には「契約の更新又は解除に関する定めがあるときは、その内容」(第31条第1項第6号)を記載しなければなりません。これは解除条件・予告期間・違約金の計算方法等を明示させることで、後日の紛争を防止することを目的としています。

実務上の解約条項設計のポイント:

1. 解約予告期間の対称性: オーナー・サブリース業者の双方に同程度の予告期間(6か月〜1年)を設定

2. 違約金の計算根拠の明示: 「平均的損害」の範囲内であることを示す計算式を附記

3. 転借人保護条項: サブリース契約終了時に転借人との間でどのように処理するかの条項

4. 解約通知の方法: 書面(または電磁的方法)による通知と到達の要件

これらの条項が業法第30条(重説)と第31条(成立時書面)で明示されることで、消費者契約法や民法の強行規定との整合性が確認でき、後日の無効主張リスクが低減します。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法第28条・民法第613条・第617条・第618条・消費者契約法第2条・第9条・第10条・賃貸住宅管理業法第31条・施行規則第47条 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

この問題の関連トピック

  • 中途解約条項——サブリース契約の解除・違約金・予告期間
  • 頻出度B

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