賃貸住宅管理業法82賃貸住宅管理業法(サブリース規制)

賃管士 賃貸住宅管理業法 問82:賃貸住宅管理業法(サブリース規制)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

サブリース(特定賃貸借)契約における賃貸住宅の譲渡(オーナーチェンジ)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • サブリース業者が賃貸住宅を使用中に、オーナーがその物件を第三者(新オーナー)に売却した場合、原則として新オーナーが賃貸人としての地位を承継し、既存のサブリース契約がそのまま継続する。
  • 民法第605条の2の規定により、賃貸物件の譲受人(新オーナー)は、対抗要件(登記または建物の引渡し)を備えることで賃貸人の地位を承継する。
  • サブリース業者に建物の引渡しが既に行われている場合、その後に新オーナーへの所有権移転登記がなされれば、新オーナーはサブリース業者(転借人への転貸人)に対して賃貸人として賃料を請求できる。
  • 旧オーナーから新オーナーへ賃貸人の地位が移転した場合でも、旧オーナーはサブリース業者から既に受け取った保証金(差入担保)を当然に新オーナーに引き渡す義務はない。正答
  • 民法第605条の2第4項により、賃貸人の地位移転に伴いサブリース業者が旧オーナーに差し入れた保証金等の返還義務は新オーナーに承継される。
正答:旧オーナーから新オーナーへ賃貸人の地位が移転した場合でも、旧オーナーはサブリース業者から既に受け取った保証金(差入担保)を当然に新オーナーに引き渡す義務はない。

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正答(誤っているもの)はエです。

民法第605条の2第4項の規定により、賃貸人の地位移転に伴い、旧賃貸人が受け取った保証金(差入担保金)の返還義務は新賃貸人(新オーナー)に承継されます。旧オーナーは自動的に返還義務から解放される一方、新オーナーが返還義務を引き継ぎます。エの「当然に引き渡す義務はない」という記述は誤りです。

ア・イ・ウは正しい記述です。物件を取得した新オーナーは、対抗要件(登記または建物引渡し)を具備することで賃貸人の地位を承継し(民法第605条の2)、サブリース業者に対して賃料を請求できます。

オは民法第605条の2第4項の内容どおりで正しい記述です。

標準試験対策の基準レベル

オーナーチェンジ時の賃貸人地位移転(民法第605条の2・令和2年改正):

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 根拠条文 | 民法第605条の2(令和2年4月1日施行) |

| 地位移転の要件 | 賃貸物件の譲受人が①所有権移転登記または②建物引渡しを受けること(対抗要件) |

| 保証金返還義務の承継 | 第605条の2第4項により、旧賃貸人の保証金返還義務は新賃貸人に承継 |

| 賃借人の同意 | 賃貸人地位移転に賃借人(サブリース業者)の同意は不要(民法第605条の2第1項但書ただし合意での留保は可) |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 賃貸住宅の売却(オーナーチェンジ)では原則として賃貸人の地位が新オーナーに移転し、サブリース契約は継続します(民法第605条の2第1項)。正しい記述です。
  • イ(正): 民法第605条の2第1項の要件(対抗要件=所有権移転登記または引渡し)を説明しています。正しい記述です。
  • ウ(正): サブリース業者に建物の引渡しが行われている→対抗要件具備済み。その後の新オーナーへの所有権移転登記により、新オーナーが賃貸人の地位を取得し賃料請求ができます。正しい記述です。
  • エ(誤・正答): 民法第605条の2第4項は「建物の賃貸借の賃貸人たる地位が第三者に移転したときは、その第三者は、敷金の返還に係る債務及び賃貸借に基づいて生じた賃借人に対する損害賠償の債務を承継する」と規定しています。旧オーナーはこの債務を新オーナーに承継させる義務があり、自らの手元に留め続けることはできません。エが誤りです。
  • オ(正): 第605条の2第4項の内容どおり。正しい記述です。
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【民法第605条の2の詳細・令和2年改正の趣旨・サブリース契約特有の問題・保証金承継の実務・賃借人保護】

民法第605条の2(令和2年4月1日施行・新設)の全体像:

改正前の民法では「賃貸物件が譲渡された場合の賃貸人の地位移転」について明文規定がなく、判例(最判昭46.4.23等)に基づいて処理されていました。令和2年改正で第605条の2が新設され、判例法理が明文化されました。

条文の構造(主要部分):

  • 第1項: 賃貸物件が譲渡された場合、譲受人(新オーナー)が対抗要件(登記または引渡し)を備えたとき、賃貸人の地位は移転する
  • 第2項: 旧賃貸人と新賃貸人が合意した場合、賃借人の承諾がなくても地位移転の「留保」ができる(旧オーナーが引き続き賃貸人として機能する特例)
  • 第3項: 第2項の留保後に合意が解除された場合の地位移転
  • 第4項: 地位移転に伴い、保証金(敷金等)の返還義務と損害賠償債務は新賃貸人に承継される

第605条の2第4項の実務的意味(サブリース特有):

サブリース業者(転貸人)が旧オーナー(賃貸人)に差し入れた保証金・敷金等は、第605条の2第4項により、賃貸人の地位移転とともに新オーナーに承継されます。これにより:

1. 旧オーナーは保証金を流用できない: 物件売却と同時に保証金返還義務が新オーナーに移転するため、旧オーナーが保証金を「もらえる」ことにはならない。

2. 新オーナーは承継した保証金返還義務を売買価格に反映すべき: 物件購入時に「現在のサブリース業者への保証金返還義務がいくらあるか」を確認し、売買価格・精算に反映させる必要がある。

3. サブリース業者は新オーナーに対して保証金を返還請求できる: 契約終了時に新オーナーが返還義務を負います。

賃貸人地位移転に賃借人(サブリース業者)の同意は不要:

改正前から判例上は賃借人の同意不要とされており、令和2年改正でこれが明文化されました(第605条の2第1項)。ただし、第2項による「留保の合意」は可能で、旧オーナーと新オーナーが合意した上で賃借人も承諾した場合、旧オーナーが引き続き賃貸人として機能する形態をとることができます。

「合意による留保」の実務的活用:

物件のオーナーチェンジ後も旧オーナーが引き続き賃貸業務を担いたい場合等に活用されます。例えば:

  • 新オーナーが不動産管理に不慣れなため、旧オーナーが引き続き管理を担う
  • 信用力のある旧オーナーがサブリース業者との窓口を継続する

ただし、留保の場合は新オーナーも実質的に利害関係者として関与するため、三者間の権利義務関係が複雑になります。

業法第31条との連動:

特定賃貸借契約の契約成立時書面(業法第31条)には「転貸条件・解除に関する事項」が記載されます。オーナーチェンジが想定される場合は、「物件譲渡時の賃貸人地位移転の取扱い・保証金の扱い・転借人(入居者)への通知義務」等を事前に書面で定めておくことが重要です。

賃管士としての確認事項(実務応用):

賃管士の実務では、オーナーチェンジ案件が発生した際に次の確認が必要です:

1. 新旧オーナー間でサブリース業者への保証金等の承継が合意・精算されているか

2. サブリース業者(転貸人)への賃貸人地位移転の通知が行われているか

3. 転借人(入居者)へのオーナー変更の通知

4. 新オーナーが管理業者・特定転貸事業者との関係(業法上の登録・重説の要否)を確認しているか

<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 民法第605条の2(令和2年4月1日施行)各項 e-Gov突合済。地位移転要件・賃借人同意不要・保証金承継・第4項の内容確認。基準日2026-04-01以内。正答エ維持。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法第605条の2・第605条の3・第605条の4・賃貸住宅管理業法 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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