問題
賃貸住宅管理業法のサブリース規制(第28条〜第36条)が適用されない場面に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はアです。
業法の「賃貸住宅」とは「人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分」であり、住居目的の建物に限られます(業法第2条第1項)。倉庫・工場等の事業用建物はこの定義に含まれないため、その転貸事業にはサブリース規制は適用されません。アが正しい記述です。
イは誤りです。「賃貸する」ことが特定賃貸借契約の要件であり、無償の使用貸借(賃貸ではない)では特定転貸事業者には該当しません。
ウは誤りです。国交省は、社宅として借り上げた企業が社内規定等に基づき従業員に利用させる場合、その企業は「転貸する事業を営む者」に該当せず特定転貸事業者に当たらないとしています。
エは誤りです。「事業を営む」とは営利の意思を持って反復継続的に転貸することで、個人が事情により一時的に第三者に転貸する場合は特定賃貸借契約に当たりません(解釈・運用の考え方)。
オは誤りです。登録事業者であっても、特定転貸事業(サブリース)を兼業する場合は第28条〜第36条が別途適用されます。
サブリース規制の適用対象の限定(業法第2条の定義):
| 要件 | 内容 | 適用除外となる例 |
|---|---|---|
| 「賃貸住宅」 | 居住目的の家屋・家屋の部分(第2条第1項) | 事業用建物(倉庫・工場・店舗・オフィス等)、旅館業法の許可施設・住宅宿泊事業の用に供されている住宅等(施行規則第1条) |
| 「事業を営む」 | 営利の意思を持って反復継続的に転貸(解釈・運用の考え方) | 個人が事情により一時的に転貸する場合、社宅として企業が従業員に利用させる場合 |
| 「賃貸する」 | 有償の賃貸借 | 無償の使用貸借(賃貸ではない) |
各選択肢の解説:
- ア(正): 業法第2条第1項「賃貸住宅」の定義が「人の居住の用に供する家屋」に限定されているため、倉庫・工場等の事業用建物をサブリースする場合は適用除外となります。正答です。
- イ(誤): 使用貸借(無償での使用貸与)は「賃貸する」行為に該当しないため、反復継続性があっても特定転貸事業者には当たりません。特定賃貸借契約は「賃貸借」を前提としています。
- ウ(誤): 国交省の賃貸住宅管理業法ポータルサイト「よくある質問」は、社宅代行業者から借り上げた企業が従業員に社宅を提供する場合について、社内規定等に基づき従業員等に利用させるのが一般的であるため、その企業は「転貸する事業を営む者」に該当せず特定転貸事業者に該当しないとしています。社宅として従業員に利用させるだけでサブリース規制が適用されるわけではありません。
- エ(誤): 特定転貸事業者は転貸する「事業を営む」者で、解釈・運用の考え方は「営利の意思を持って反復継続的に転貸すること」としています。個人が賃借した賃貸住宅を事情により一時的に第三者に転貸する場合は特定賃貸借契約に該当しない、とも明記されています。
- オ(誤): 賃貸住宅管理業の登録(登録制度・第3条)とサブリース規制(第28条〜)は別個の規制体系です。登録事業者がサブリース事業も兼営する場合は、両方の規制が独立して適用されます。
【「賃貸住宅」の定義の詳細・事業用・社宅・民泊の取扱い・「事業として」の解釈・国交省解釈運用の考え方・業規制体系全体の整理】
「賃貸住宅」の定義の詳細(業法第2条第1項):
業法第2条第1項の「賃貸住宅」の定義:
「賃貸の用に供する住宅(人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分をいう。…)をいう。ただし、人の生活の本拠として使用する目的以外の目的に供されていると認められるものとして国土交通省令で定めるものを除く。」
3つの要素の分析:
1. 「人の居住の用に供する」: 居住目的の利用が必要。事業用途(店舗・事務所・倉庫・工場等)は含まない。
2. 「家屋又は家屋の部分」: 区分所有(マンションの一室)も含む。
3. 「賃貸の用に供する」: 有償の賃貸借であること。使用貸借は除外。
除外される住宅と社宅の扱い(施行規則・国交省の解釈):
| 類型 | 業法の適用 | 根拠 |
|---|---|---|
| 旅館業法の許可に係る施設である住宅 | 賃貸住宅から除外 | 施行規則第1条第1号 |
| 国家戦略特区の認定事業の用に供されている住宅 | 賃貸住宅から除外 | 施行規則第1条第2号 |
| 住宅宿泊事業(民泊)の用に供されている住宅 | 賃貸住宅から除外 | 施行規則第1条第3号 |
| 社宅として企業が従業員に利用させる | その企業は特定転貸事業者に当たらない | 国交省「よくある質問」 |
| 社宅代行業者が所有者から借り上げ企業に転貸 | 社宅代行業者は特定転貸事業者に当たる | 国交省「よくある質問」 |
| 事業用オフィス転貸 | 対象外 | 居住目的でない(第2条第1項) |
「事業を営む」の解釈基準:
解釈・運用の考え方(令和5年3月31日施行版)は、「事業を営む」とは「営利の意思を持って反復継続的に転貸すること」をいい、営利の意思の有無は客観的に判断するとしています。国交省の「よくある質問」は、営利の意思を持って反復継続的に転貸を行う場合は「その規模によらず規制が課されます」としています。
一方で「個人が賃借した賃貸住宅について、事情により、一時的に第三者に転貸するような場合は、特定賃貸借契約に該当しない」と明記されています。
業規制体系の全体整理(登録制vs行為規制):
業法のサブリース規制と管理業登録は独立した2本柱:
| 規制体系 | 対象者 | 規制方法 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 賃貸住宅管理業登録 | 200戸以上の管理業者 | 登録制・業務管理者・重説・分別管理等 | 第3条〜第27条 |
| サブリース規制 | 全ての特定転貸事業者 | 行為規制(サブリース規制自体に登録制度はない) | 第28条〜第36条 |
この二本柱設計により、「200戸未満の小規模なサブリース業者」でも第28条〜第36条のサブリース規制は適用され、誇大広告禁止・不当勧誘禁止・重説義務が課されます。小規模事業者だからといってサブリース規制を逃れることはできません。
なお解釈・運用の考え方は、特定転貸事業者は一般に本来賃貸人が行うべき維持保全を賃貸人からの依頼により賃貸人に代わって行っており、その場合は賃貸住宅管理業を営んでいるものと解されるとしています。したがって管理戸数が200戸以上のサブリース業者は、賃貸住宅管理業の登録も必要になります。
逆に、「大規模な管理業者(200戸以上・登録済み)がサブリースも兼業」する場合は、管理業登録の義務(第3条)と特定転貸事業者としての規制(第28条〜)の両方が課されます。
この並列適用の正確な理解が、賃管士試験の業法分野における最重要論点の一つです。
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第2条第1項・第4項・第5項、同法施行規則第1条、国土交通省「解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行版)・賃貸住宅管理業法ポータルサイト「よくある質問」 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 / 国土交通省「解釈・運用の考え方」 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

