賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 賃貸住宅管理業法 問97|転貸の効果——民法613条の直接履行義務の範囲・賃貸人の権利行使・合意解除の対抗

問題

賃管士 | 賃貸住宅管理業法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

転貸の効果(民法第613条)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

正答はイです。

民法第613条第1項は、転借人が賃貸人に対して賃借人の債務の範囲を限度として直接履行義務を負うこと、及びこの直接請求に対して賃料の前払を理由に対抗できないことを定めています。イはこの内容どおりです。

アは誤りで、直接履行義務は賃借人の債務の範囲が上限です。ウも誤りで、第2項により賃貸人は賃借人への権利行使も引き続きできます。エ・オも誤りで、第3項は原則として合意解除を転借人に対抗できないとしつつ、賃貸人が賃借人の債務不履行解除権を有していた場合はこの限りでない(=対抗できる)という例外を置いています。

民法第613条(転貸の効果)の3項構成:

項内容
第1項転借人は、賃貸人・賃借人間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。賃料の前払をもって賃貸人に対抗できない
第2項第1項の規定は、賃貸人が賃借人に対してその権利を行使することを妨げない(賃貸人は賃借人にも請求できる)
第3項賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗できない。ただし、解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは、この限りでない

各選択肢の整理:

  • ア(誤): 直接履行義務は賃借人の債務の範囲が上限です。
  • イ(正): 第1項どおりです。
  • ウ(誤): 第2項により賃貸人の賃借人への権利行使は妨げられません。
  • エ(誤): 合意解除は原則として転借人に対抗できません(第3項本文)。
  • オ(誤): 賃貸人が債務不履行解除権を有していた場合は例外的に対抗できます(第3項ただし書)。

【613条の趣旨・前払の対抗不可の意味・賃貸人の二重の請求権・合意解除の原則と例外】

第1項——直接履行義務の範囲と前払対抗不可の意味:

転借人は、原賃貸借(賃貸人・賃借人間)に基づく賃借人の債務の範囲を上限として、転貸借に基づく自己の債務を賃貸人に直接履行する義務を負います。例えば、原賃貸借の賃料が月8万円、転貸借の賃料が月10万円の場合、転借人が賃貸人に直接支払う義務の上限は8万円です(転貸借の賃料10万円全額ではありません)。

「賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない」とは、転借人が転貸人(賃借人)に賃料を前払いしていたとしても、そのことを理由に賃貸人からの直接の請求を拒めない、という意味です。

第2項——賃貸人の権利行使は妨げられない:

第1項が転借人への直接請求権を認めたことは、賃貸人が賃借人(転貸人)に対して持つ本来の請求権(賃料請求権・用法遵守請求権等)に影響を与えません。賃貸人は、転借人への直接請求権と、賃借人への請求権の両方を行使できる立場にあります(ただし当然、同一の賃料を二重に取得できるわけではありません)。

第3項——合意解除の転借人への対抗:

賃貸人・賃借人間の賃貸借が合意により解除された場合、賃貸人はその解除を転借人に対抗できないのが原則です。これは、賃貸人・賃借人が結託して合意解除の形をとることで、転借人の地位を一方的に害することを防ぐ趣旨です。

ただし、解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行(賃料不払い等)による解除権をすでに有していた場合は、この限りではありません(対抗できます)。これは、賃借人に解除原因となる債務不履行がある以上、当事者が合意解除という形式をとったとしても、実質的には正当な解除であり、転借人保護を及ぼす必要がないという考え方に基づきます。

サブリース実務への示唆:

マスターリース契約(賃貸人・特定転貸事業者間)と転貸借契約(特定転貸事業者・入居者間)の関係にこの規定を当てはめると、オーナーとサブリース業者が合意によりマスターリースを解除しても、原則として入居者(転借人)には対抗できません。ただしサブリース業者に賃料不払い等の債務不履行があり、オーナーがすでに解除権を有していた場合は、合意解除の形をとっても入居者に対抗できます。

確認日: 2026-09-30。出典: 民法第613条(e-Gov 法令API v2)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法第613条 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索(法令API v2・法令ID 129AC0000000089) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

この問題の関連トピック

  • 転貸の効果——民法613条の直接履行義務の範囲・賃貸人の権利行使・合意解除の対抗
  • 頻出度B

関連する問題

ページの先頭へ