問題
集合住宅の給湯設備に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答(誤っているもの)はエです。
局所式給湯設備(ガス給湯器)の設置工事は、「施工内容にかかわらず専門のガス事業者・有資格者でなければ実施できない」としているエは誤りです。資格者の関与が法律で求められるのは、ガスふろがまや一定能力を超えるガス湯沸器(特定ガス消費機器)の設置・変更工事で、ガス消費機器設置工事監督者が実地に監督します(特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律3条)。対象外の小型機器の工事や、ガスに関係しない付帯工事まで一律に有資格者に限られるわけではありません。
ア・イ・ウ・オは正しい記述です。ヒートポンプ式(エコキュート)の省エネ効果(ウ)は重要な知識です。
給湯方式の比較:
| 方式 | 特徴 | 主な採用場面 |
|---|---|---|
| 局所式(瞬間ガス) | 各所設置・短配管・低湯待ち | 一般住宅・賃貸住宅 |
| 局所式(電気) | 深夜電力利用・タンク式 | 電気オール化住宅 |
| 局所式(ヒートポンプ) | 空気熱利用・省エネ | 新築・リノベ |
| 中央式 | 大型熱源・長配管 | ホテル・病院・大規模施設 |
エが誤りの理由:
ガス給湯器の設置に関して、「施工内容にかかわらず全て有資格者が必要」は過剰な記述です:
- 特定ガス消費機器の設置・変更工事(ガスふろがま、ガス消費量12kW超のガス瞬間湯沸器、7kW超のその他のガス湯沸器、これらの排気筒・排気扇):ガス消費機器設置工事監督者が実地に監督(特監法3条・同法施行令1条)
- LPガスの配管・器具接続等の工事:液化石油ガス法の資格者(液化石油ガス設備士)が行う仕組みがある
- 上記に当たらない工事(対象外の小型機器、ガスに関係しない付帯工事など):一律に有資格者に限られるわけではない
「施工内容にかかわらず」という一律の記述が誤りです。
各選択肢:
- ア(正): 局所式給湯の配管距離・湯待ち時間の特徴を正確に記述。
- イ(正): 中央式給湯の特徴・採用場面を正確に記述。
- ウ(正): ヒートポンプ式(エコキュート)の省エネ特性を正確に記述。
- エ(誤・正答): 資格者の監督が法律で必要なのは特定ガス消費機器の設置・変更工事等で、施工内容にかかわらず一律ではない。
- オ(正): 瞬間式給湯器の特徴(衛生性・スペース・供給量の限界)を正確に記述。
【給湯設備の法的規制・ガス工事の資格要件・ヒートポンプの原理と省エネ性能・中央式の管理課題・賃貸管理での選択基準】
1. ガス給湯器の設置工事と資格規制
特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律(特監法):
- 対象は「特定ガス消費機器」=ガスふろがま、ガス瞬間湯沸器(ガス消費量12kW超)、その他のガス湯沸器(7kW超)と、これらの排気筒・排気扇(同法施行令1条)
- その設置・変更工事(特定工事)は、ガス消費機器設置工事監督者の資格者に実地に監督させるか、資格を持つ事業者が自ら実地に監督しなければならない(同法3条)
- 都市ガス(ガス事業法)とLPガス(液化石油ガス法)の両方の機器が対象
LPガスの場合:
- 液化石油ガス法は、供給設備・消費設備の設置・変更工事(液化石油ガス設備工事)が技術上の基準に適合するようにしなければならないと定める(38条の2)
- 配管・器具接続等の作業は液化石油ガス設備士が行う仕組みがある
エが「施工内容にかかわらず全て専門有資格者のみ」としているのは過剰な規制描写であり、誤りです。
2. ヒートポンプの仕組みと省エネ性能
ヒートポンプ式給湯器(代表例:エコキュート)の原理:
- 大気中の熱(低温熱)を冷媒が吸収
- コンプレッサーで冷媒を圧縮して高温化
- 高温になった冷媒が水を加熱
省エネ効率:
- 投入した電力エネルギーの約3倍の熱エネルギーを取り出せる(COP≒3)
- 従来の電気温水器(COP≒1)に比べて約1/3の電力で同量の湯が作れる
深夜電力を利用した深夜加熱方式が多く、ランニングコストが低い。
3. 中央式給湯の管理課題
大規模施設の中央式給湯では:
- レジオネラ菌リスク:貯湯槽・配管内での滞留水にレジオネラ属菌が繁殖するリスクがある(55℃以上の維持が必要)
- 配管の腐食・スケール(水垢):長い配管での腐食や水垢蓄積による流量低下
- 熱損失:長い配管での放熱ロス
賃貸住宅(集合住宅)では中央式はほとんど採用されず、局所式(各戸ガス給湯器または電気温水器)が主流です。
4. 賃貸管理での給湯設備の選択基準
| 考慮事項 | 局所式ガス | 電気(ヒートポンプ) |
|---|---|---|
| 初期コスト | 低(ガス配管既設の場合) | 中(本体が高い) |
| ランニングコスト | ガス代による | 深夜電力でコスト低 |
| 修繕コスト | 定期的な本体交換(10〜15年) | 本体10〜15年・タンクの点検 |
| 入居者ニーズ | 瞬間式・湯量問題なし | 省エネ・静音(深夜稼働) |
オール電化物件ではヒートポンプ式が標準、ガス物件では瞬間式ガス給湯器が標準です。管理会社としては、給湯器の設置年数・型番を台帳管理し、10年を超えた給湯器の交換提案をオーナーに行うことが重要です(故障による緊急対応コストの回避)。
5. 給湯器故障時の対応
入居者から給湯器故障の連絡があった場合:
- 緊急性の確認(冬季・乳幼児・高齢者がいる場合は優先対応)
- ガス元栓・電源の確認(誤操作による場合が多い)
- 修理・交換の手配(リース物件の場合はリース会社への連絡も必要)
- 代替措置の提案(銭湯・入浴施設の案内等)
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律第3条・同法施行令第1条・液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第38条の2 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000033 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

