賃管士 建築・設備 問14:給排水設備
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
集合住宅の給湯設備に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア局所式給湯設備は、使用場所ごとに個別の給湯器を設置する方式であり、配管距離が短く、湯待ち時間が少ない。
- イ中央式給湯設備は、機械室等に設置した大型のボイラーや熱交換器で湯を作り、配管を通じて各戸・各所に供給する方式であり、大規模施設(ホテル・病院等)に多く採用される。
- ウヒートポンプ式給湯器(エコキュート等)は、空気中の熱を利用して湯を作るため、電気エネルギーの消費量が従来の電気温水器より大幅に少なく、省エネ効果が高い。
- エ局所式給湯設備(ガス給湯器)の設置工事は、施工内容にかかわらず、専門のガス事業者・有資格者でなければ実施できない。正答
- オ瞬間式給湯器(ガス・電気)は、タンクに湯を貯めず使用時に瞬間的に湯を作るため、衛生的でスペースが小さいが、多量の給湯が必要な場面では供給量に限界がある。
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正答(誤っているもの)はエです。
局所式給湯設備(ガス給湯器)の設置工事は、「施工内容にかかわらず専門のガス事業者・有資格者でなければ実施できない」としているエは誤りです。正確には、ガス管の接続や都市ガス器具の設置は、ガス事業法で定められた有資格者(ガス工事士等)が行う必要がありますが、給湯器の本体設置(ガス管接続を伴わない給湯器の架台設置等)は工事内容によって一般の施工業者でも対応できる部分があります。
ア・イ・ウ・オは正しい記述です。ヒートポンプ式(エコキュート)の省エネ効果(ウ)は重要な知識です。
給湯方式の比較:
| 方式 | 特徴 | 主な採用場面 |
|---|---|---|
| 局所式(瞬間ガス) | 各所設置・短配管・低湯待ち | 一般住宅・賃貸住宅 |
| 局所式(電気) | 深夜電力利用・タンク式 | 電気オール化住宅 |
| 局所式(ヒートポンプ) | 空気熱利用・省エネ | 新築・リノベ |
| 中央式 | 大型熱源・長配管 | ホテル・病院・大規模施設 |
エが誤りの理由:
ガス給湯器の設置に関して、「施工内容にかかわらず全て有資格者が必要」は過剰な記述です:
- 都市ガス器具接続・ガス管延長工事:ガス機器設置スペシャリスト資格等が必要
- LPガス器具の設置工事:LP法に基づく液化石油ガス設備士の資格が必要
- 給湯器本体の「壁掛け設置のみ」:内装工事の一環として一般業者でも対応可能(接続部は有資格者)
「施工内容にかかわらず」という一律の記述が誤りです。
各選択肢:
- ア(正): 局所式給湯の配管距離・湯待ち時間の特徴を正確に記述。
- イ(正): 中央式給湯の特徴・採用場面を正確に記述。
- ウ(正): ヒートポンプ式(エコキュート)の省エネ特性を正確に記述。
- エ(誤・正答): 施工内容によっては一般業者でも可能(有資格者が必要な部分とそうでない部分がある)。
- オ(正): 瞬間式給湯器の特徴(衛生性・スペース・供給量の限界)を正確に記述。
【給湯設備の法的規制・ガス工事の資格要件・ヒートポンプの原理と省エネ性能・中央式の管理課題・賃貸管理での選択基準】
1. ガス給湯器の設置工事と資格規制
都市ガス(一般ガス事業)の場合:
- ガス管・配管の接続工事:ガス主任技術者・ガス機器設置スペシャリスト等の関与が求められる
- ガス事業法施行規則で「特定ガス工作物の工事」は有資格者
- 接続を伴わない本体設置(壁掛けブラケット取付等):一般工事業者でも可
LPガスの場合:
- 液化石油ガス設備士(LP法に基づく):ガス配管・器具接続工事に必要
- 器具の単純な交換(同型・同容量):既存配管を利用する場合は一般業者でも可能な場合あり
エが「施工内容にかかわらず全て専門有資格者のみ」としているのは過剰な規制描写であり、誤りです。
2. ヒートポンプの仕組みと省エネ性能
ヒートポンプ式給湯器(代表例:エコキュート)の原理:
- 大気中の熱(低温熱)を冷媒が吸収
- コンプレッサーで冷媒を圧縮して高温化
- 高温になった冷媒が水を加熱
省エネ効率:
- 投入した電力エネルギーの約3倍の熱エネルギーを取り出せる(COP≒3)
- 従来の電気温水器(COP≒1)に比べて約1/3の電力で同量の湯が作れる
深夜電力を利用した深夜加熱方式が多く、ランニングコストが低い。
3. 中央式給湯の管理課題
大規模施設の中央式給湯では:
- レジオネラ菌リスク:貯湯槽・配管内での滞留水にレジオネラ属菌が繁殖するリスクがある(55℃以上の維持が必要)
- 配管の腐食・スケール(水垢):長い配管での腐食や水垢蓄積による流量低下
- 熱損失:長い配管での放熱ロス
賃貸住宅(集合住宅)では中央式はほとんど採用されず、局所式(各戸ガス給湯器または電気温水器)が主流です。
4. 賃貸管理での給湯設備の選択基準
| 考慮事項 | 局所式ガス | 電気(ヒートポンプ) |
|---|---|---|
| 初期コスト | 低(ガス配管既設の場合) | 中(本体が高い) |
| ランニングコスト | ガス代による | 深夜電力でコスト低 |
| 修繕コスト | 定期的な本体交換(10〜15年) | 本体10〜15年・タンクの点検 |
| 入居者ニーズ | 瞬間式・湯量問題なし | 省エネ・静音(深夜稼働) |
オール電化物件ではヒートポンプ式が標準、ガス物件では瞬間式ガス給湯器が標準です。管理会社としては、給湯器の設置年数・型番を台帳管理し、10年を超えた給湯器の交換提案をオーナーに行うことが重要です(故障による緊急対応コストの回避)。
5. 給湯器故障時の対応
入居者から給湯器故障の連絡があった場合:
- 緊急性の確認(冬季・乳幼児・高齢者がいる場合は優先対応)
- ガス元栓・電源の確認(誤操作による場合が多い)
- 修理・交換の手配(リース物件の場合はリース会社への連絡も必要)
- 代替措置の提案(銭湯・入浴施設の案内等)
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): ガス事業法・LP法(液化石油ガス設備士の資格要件)確認済。「施工内容にかかわらず全て有資格者」は不正確(接続部は有資格者・本体設置は工事内容による)。正答エ(誤)維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: ガス事業法・液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(LP法) 確認日: 2026-06-10 出典: 経済産業省 ガス事業法 https://www.meti.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。