賃管士 建築・設備 問19:電気設備
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
集合住宅の電気設備に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア単相2線式は、100Vを供給する方式で、一般的な小規模住宅に用いられる。単相3線式は、100Vと200Vの両方を供給でき、エアコン・IHコンロ等の200V機器を使用する際に必要となる。
- イ契約アンペア(電流の上限値)は、一般的に10A・20A・30A・40A・50A・60A等から選択し、設定した契約アンペアを超えると電流遮断器(アンペアブレーカー)が作動して回路が遮断される。
- ウ電気の幹線(分電盤から引き込まれる主回路)の容量は、将来の負荷増加を見込んで余裕のある容量を設計することが望ましいが、既存の幹線容量を上回る工事(幹線の更新)は法的に一切認められない。正答
- エ漏電遮断機(漏電ブレーカー)は、回路から漏電(地絡電流)が発生した場合に自動的に電流を遮断する保護装置であり、感電・電気火災の防止に有効である。
- オアンペアブレーカーが頻繁に作動(ブレーカーが落ちる)する場合は、契約アンペアが不足しているか、使用している電気機器の合計消費電力が大きい可能性があり、契約アンペアのアップを検討する必要がある。
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正答(誤っているもの)はウです。
電気の幹線(分電盤への引込みや主要回路)の更新(容量アップ)工事は法的に「一切認められない」わけではありません。電気工事士法で定められた有資格者(第一種・第二種電気工事士等)が適切に施工することで、幹線の更新・容量アップは可能です。「法的に一切認められない」というウの記述は誤りです。
ア・イ・エ・オは正しい記述です。単相2線式・3線式の違い(ア)、契約アンペアの仕組み(イ)、漏電ブレーカーの機能(エ)は重要な基礎知識です。
住宅の電気供給方式の比較:
| 方式 | 供給電圧 | 用途 | 電線本数 |
|---|---|---|---|
| 単相2線式(1φ2W) | 100Vのみ | 小規模住宅 | 2本 |
| 単相3線式(1φ3W) | 100V・200V両対応 | 一般住宅(現在の標準) | 3本 |
| 三相3線式(3φ3W) | 200V(動力) | 大型空調・エレベーター | 3本 |
ウが誤りの理由:
幹線の更新(容量アップ)工事は「第一種電気工事士」等の資格者が行う工事として認められています。法的に「一切認められない」は明らかな誤りです。住宅のリノベーション・大型機器の設置に伴う幹線容量の増強は一般的な工事です。
各選択肢:
- ア(正): 単相2線式・3線式の特徴を正確に記述。
- イ(正): 契約アンペアの選択肢・ブレーカー作動の仕組みを正確に記述。
- ウ(誤・正答): 幹線更新は法的に可能(有資格者による施工が条件)。
- エ(正): 漏電ブレーカーの機能・目的を正確に記述。
- オ(正): ブレーカー頻作動の原因・対策を正確に記述。
【電気供給方式の詳細・スマートメーター導入の影響・電気工事の資格・漏電の検知と対応・集合住宅の電気設備管理】
1. 単相3線式が現在の標準
現在の新築住宅では単相3線式(1φ3W・100V/200V両対応)が標準です。理由:
- エアコン・IHコンロ・電気自動車充電器等の200V機器の普及
- 単相2線式(100Vのみ)では対応できない機器が増加
集合住宅の各戸への供給は通常単相3線式で設計されています。
2. スマートメーターとアンペアブレーカーの廃止
東京電力等の多くの電力会社ではスマートメーター(通信機能付き電力メーター)への切替えが進んでいます:
- スマートメーターは計量と遮断機能を一体化
- 従来の「アンペアブレーカー(アンペアのコントロールブレーカー)」が不要になるエリアが拡大
- 契約アンペアの変更が遠隔でできる(工事不要)
3. 電気工事士の資格と幹線工事(ウが誤りの理由の詳細)
電気工事士法では、電気工事を行うためには資格が必要です:
| 資格 | 工事の範囲 |
|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般住宅・600V以下の工事 |
| 第一種電気工事士 | 最大電力500kW未満の一般用電気工作物を超える設備 |
幹線(分電盤への引込み・主回路)の更新・容量アップも電気工事士が施工できる範囲内であり、「一切認められない」は誤りです。
4. 漏電の検知と対応(エの詳細)
漏電ブレーカー(漏電遮断機)は地絡電流(漏電)が発生したときに自動遮断します:
- 設定感度電流:30mA(人体への安全基準)
- 漏電発生→0.1秒以内に自動遮断
- 漏電が続くと電気火災(絶縁劣化→発火)のリスクがある
漏電の主な原因:
- 電気機器の絶縁劣化(古い機器)
- 濡れた場所での使用
- 電線の傷・断線
5. 集合住宅の電気設備管理(賃貸管理業者)
| 管理項目 | 対応 |
|---|---|
| 分電盤の点検 | 定期的な目視確認・ブレーカーの動作確認 |
| 配線の劣化 | 築30年以上の建物は配線の絶縁劣化リスクあり→電気工事士による点検推奨 |
| 入居者への説明 | 契約アンペアの確認・ブレーカー位置・対応方法の説明 |
| アンペアアップの依頼 | 入居者から大型家電設置に伴うアンペアアップの依頼→電力会社への手続き支援 |
6. 電気自動車充電設備の設置(近年の新論点)
電気自動車(EV)の普及に伴い、集合住宅への充電設備設置が増えています:
- 普通充電(3kW・200V)→単相3線式の幹線で対応可能
- 急速充電(50kW・三相3線式)→大規模な幹線工事が必要
- 駐車場の分電盤から配線延長→電気工事士による施工が必要
EV充電設備の設置は今後の賃貸住宅の競争力に関わる投資として、管理業者がオーナーに提案する場面が増えることが予想されます。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 電気事業法・電気工事士法(幹線工事は有資格者が可能・「一切認められない」は誤り)確認済。正答ウ(誤)維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 電気事業法・内線規程(JEAC8001) 確認日: 2026-06-10 出典: 経済産業省 電気事業法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=339AC0000000170 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。