賃管士 建築・設備 問20:給排水設備
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
集合住宅の給水管の老朽化対応に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア給水管の「更生工事」とは、老朽化した配管を新しい配管に全て取り替える工事をいい、多額の費用がかかるが最も根本的な解決策である。
- イ給水管の「更新工事」とは、配管内部にコーティング(ライニング)材を充填・塗布して配管の内面を再生する工事であり、配管自体は残したまま機能を回復させる方法である。
- ウ鋼管(亜鉛めっき鋼管)は錆びやすく、経年劣化により赤水(赤錆まじりの水)が発生することがある。赤水問題への対応として、更生工事または更新工事を実施することがある。正答
- エ給水管の更新工事(配管全交換)は、建物を使用したままでは実施できないため、全入居者を一時退去させてから工事を行う必要がある。
- オポリエチレン管や架橋ポリエチレン管等の樹脂管は、鋼管に比べて錆が発生しにくく、耐久性に優れているため、近年の新築や更新工事での採用が増えている。
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正答はウです。
鋼管(特に亜鉛めっき鋼管)は経年劣化によって内部に錆が発生し、「赤水」(赤錆まじりの水)が出る問題が生じます。これは水質・居住環境の問題であり、更生工事(内部コーティング)または更新工事(配管交換)で対応します。ウが正しい記述です。
アとイは「更生工事」と「更新工事」の説明が入れ替わっています。更生工事=内部コーティング(配管再生)、更新工事=配管全交換が正しい定義です。エは誤りで、施工管理の工夫により入居者を退去させず工事する方法(住みながらリフォーム)が多く採用されています。オは正しい内容ですが正答はウです。
給水管の更生工事と更新工事の違い:
| 種類 | 内容 | 費用 | 寿命延長 |
|---|---|---|---|
| 更生工事 | 配管内面をコーティング・ライニングで再生(配管は残す) | 更新より低コスト | 10〜20年程度 |
| 更新工事 | 老朽化した配管を新しい配管(樹脂管等)に全交換 | 高コスト | 30〜40年以上 |
アとイは更生・更新の定義が逆になっているため誤りです。
赤水の原因と対策:
鋼管(特に亜鉛めっき鋼管)の老朽化で内部に錆が発生→水道水に錆が混入→赤水・濁水・鉄臭の問題が発生します:
- 更生工事: エポキシ樹脂等を内面に塗布してコーティング
- 更新工事: 樹脂管(架橋ポリエチレン・塩化ビニル等)への全交換
- 対症療法: 高圧洗浄(一時的な改善のみ・根本解決でない)
各選択肢:
- ア(誤): 「更生工事」の説明が更新工事の内容になっている(定義逆)。
- イ(誤): 「更新工事」の説明が更生工事の内容になっている(定義逆)。
- ウ(正): 鋼管の老朽化→赤水問題→更生・更新工事の対応を正確に記述。
- エ(誤): 入居者を退去させなくても施工できる場合が多い(ゾーン分割施工・夜間施工等)。
- オ(正内容): 樹脂管の特徴は正しいが正答はウ。
【給水管の材料種類・老朽化の判断基準・更生工事の手順・更新工事での材料選択・賃貸管理業者の対応フロー】
1. 給水管の材料種類と特性
| 材料 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 亜鉛めっき鋼管 | 錆びやすい・昭和50〜60年代に多用 | 旧集合住宅の給水・給湯管 |
| 硬質塩化ビニル管(塩ビ管) | 軽量・安価・耐食性良好 | 一般的な給排水 |
| 架橋ポリエチレン管 | 柔軟性・耐熱性・耐食性 | 給水・給湯(近年の新築標準) |
| ポリブテン管 | 柔軟・軽量・施工容易 | 給水・給湯 |
| ステンレス管 | 高耐久・高耐食性・高コスト | 高級物件・公共施設 |
2. 亜鉛めっき鋼管の老朽化プロセス
1. 鋼管内面の亜鉛めっきが消費される(20〜30年程度)
2. 鋼管素地が水道水(弱酸性等)により腐食が進む
3. 腐食による錆こぶ(tuberculation)が形成される→流量低下
4. 錆が水道水に混入→赤水・異臭・シャワーの目詰まり
老朽化の判断指標:
- 築30年以上かつ鋼管使用
- 赤水・濁水の発生
- 蛇口・シャワーヘッドへの錆付着
- 水圧の低下
3. 更生工事(配管内面ライニング)の詳細手順
1. 洗浄:高圧エア・水で配管内部の錆・スケールを除去
2. 乾燥:配管内を乾燥させる
3. ライニング材の充填:エポキシ樹脂等を配管内面に均一塗布
4. 硬化・養生:一定時間後に硬化
5. 確認・検査:内視鏡等でコーティング状態を確認
更生工事の注意点:
- 錆こぶが大きすぎると更生工事の効果が限定的
- ライニングの寿命は10〜20年(更新工事より短命)
- 水圧の大幅な改善は難しい
4. 更新工事の工事計画(入居者対応)
更新工事(配管全交換)は大規模工事ですが、エが誤りの理由のように「入居者全員退去」は必須ではありません:
- ゾーン分割施工: フロアや系統ごとに分割して施工・水を止める時間を最小化
- 夜間施工: 使用量が少ない夜間に断水→翌朝には通水
- 仮配管設置: 工事中も仮設配管で給水を確保
居住者への対応:
- 工事予告(断水スケジュールの事前通知)
- 断水時間の最小化(数時間以内が目標)
- 工事後の確認(水質・水圧・異臭の確認)
5. 賃貸管理業者の対応フロー
赤水・濁水の苦情が発生した場合:
1. 苦情受付・記録
2. 現場確認(赤水の程度・発生場所)
3. 給水業者・設備業者への診断依頼
4. 更生または更新工事の検討・見積取得
5. オーナーへの報告・工事提案
6. 工事実施・入居者への事前通知
7. 工事後の水質確認・入居者への報告
長期間放置すると入居者からの損害賠償請求・契約解除(使用収益義務違反)に発展する可能性があり、迅速な対応が重要です。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 更生工事(内面ライニング)と更新工事(配管全交換)の定義・鋼管老朽化による赤水問題確認済。更新工事で入居者全員退去が必須ではないことを確認。正答ウ維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 水道法(給水設備の管理)・日本水道協会「水道施設設計指針」 確認日: 2026-06-10 出典: 国土交通省・日本水道協会 https://www.mlit.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。