賃管士 建築・設備 問22:給排水設備
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
浄化槽法に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア合併処理浄化槽は、し尿と生活雑排水(台所・洗濯・浴室等)を合わせて処理する浄化槽であり、現在の法律では合併処理浄化槽の設置が原則となっている。
- イ単独処理浄化槽(し尿のみを処理)の新設は、浄化槽法により禁止されており、既存の単独処理浄化槽は合併処理浄化槽への切替えを推進する政策がとられている。
- ウ浄化槽の維持管理(保守点検・清掃・法定検査)は、浄化槽管理者(設置者・所有者等)の義務であるが、実際の業務は浄化槽保守点検業者や清掃業者に委託することが推奨される。
- エ浄化槽の「法定検査」(定期水質検査)は、保守点検や清掃とは別に、都道府県知事が指定する検査機関による水質検査として年1回(11条検査)以上実施することが義務付けられている。
- オ下水道が整備されている地域では、浄化槽を設置して単独で排水処理することが義務付けられているため、公共下水道への接続は認められない。正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドラインも明記。
正答(誤っているもの)はオです。
オは「下水道整備地域では浄化槽設置が義務付けられ、公共下水道への接続は認められない」としていますが、これは逆です。下水道が整備されている地域では、公共下水道への接続が義務付けられており(下水道法11条の3)、浄化槽を使い続けることよりも公共下水道に接続することが法的に求められます。
ア・イ・ウ・エは正しい記述です。合併処理浄化槽の概要(ア)、単独処理の新設禁止(イ)、維持管理義務(ウ)、法定検査の義務(エ)はいずれも正しい内容です。
浄化槽の種類と法的規律:
| 種類 | 内容 | 現在の扱い |
|---|---|---|
| 合併処理浄化槽 | し尿+生活雑排水(全排水)を処理 | 現行の設置標準 |
| 単独処理浄化槽 | し尿のみ処理(雑排水は未処理で放流) | 新設禁止(浄化槽法改正以降) |
| 農業集落排水 | 農村部の集合処理(農林水産省管轄) | — |
オが誤りの理由(下水道法との関係):
下水道法11条の3は「公共下水道の供用が開始された場合、その供用開始から3年以内に、建物の汚水排水施設を公共下水道に接続しなければならない」と定めています。下水道が整備された地域では浄化槽を廃止して公共下水道に接続する義務があり、浄化槽の継続使用が義務付けられているわけではありません。
浄化槽の維持管理義務(浄化槽法):
| 義務 | 根拠 | 内容 |
|---|---|---|
| 保守点検 | 浄化槽法10条 | 資格者による定期点検 |
| 清掃 | 浄化槽法10条 | 年1回以上(市町村の許可業者) |
| 定期検査(11条検査) | 浄化槽法11条 | 都道府県指定検査機関による年1回の水質検査 |
【合併処理浄化槽の普及政策・単独処理からの切替え・維持管理の3義務・下水道との接続関係・賃貸管理業者への影響】
1. 合併処理浄化槽の普及経緯
単独処理浄化槽はし尿のみを処理し、台所・洗濯・風呂等の生活雑排水を未処理のまま河川等に放流していました。これが水質汚濁の原因となっていたため、合併処理浄化槽への転換が推進されました。平成13年(2001年)の浄化槽法改正により単独処理浄化槽の新設が禁止され、既存の単独処理浄化槽の合併処理への切替えが補助金制度とともに進められています。
2. 維持管理の3義務(ウ・エの詳細)
(1) 保守点検(浄化槽法10条):
- 浄化槽保守点検業者(都道府県登録)が実施
- 浄化槽の規模によって頻度が異なる(小型合併処理:年3〜4回)
- 浄化槽の機能維持・消毒・異常の早期発見
(2) 清掃(浄化槽法10条):
- 浄化槽清掃業者(市町村許可)が実施
- 年1回以上(全ばっ気型等は6ヶ月以内に1回)
- 汚泥・スカムの引き抜き・槽内の洗浄
(3) 定期検査(浄化槽法11条:11条検査):
- 都道府県知事が指定した検査機関(指定検査機関)が実施
- 年1回
- 水質・外観・書類確認
- 保守点検・清掃の結果を確認
なお、新設後の最初の検査(7条検査:浄化槽法7条)は使用開始後3〜8ヶ月以内に実施する義務があります。
3. 下水道整備と浄化槽の関係(オが誤りの理由の詳細)
下水道法11条の3:「公共下水道の供用が開始されたときは、当該公共下水道の排水区域内の土地の所有者、使用者または占有者は、遅滞なく、下水を公共下水道に流入させるために必要な排水設備を設置しなければならない」
公共下水道への接続義務の期限:
- 一般家庭:供用開始から3年以内(市町村条例による場合あり)
- 水洗便所への切替え義務も同時に発生
浄化槽から下水道への切替えは、工事費用(接続工事・浄化槽の廃止撤去)が発生しますが、多くの自治体で補助金が用意されています。
4. 賃貸管理業者への影響
- 下水道が整備されていない(集合排水処理なし)の地方物件では浄化槽管理が必要
- 維持管理義務(保守点検・清掃・法定検査)を怠ると環境汚染・法令違反になる
- 浄化槽の費用はオーナー負担(賃借人に転嫁することはできない)
- 下水道整備区域に入った場合は3年以内の接続義務が生じる→オーナーへの通知と接続工事の手配が必要
5. 汲み取りトイレ(くみ取り式)との違い
- くみ取り式:し尿を処理しない・定期的に業者が汲み取る・浄化槽は不要
- 浄化槽式:し尿・雑排水を微生物で処理・放流
- 下水道:公共処理施設で一元処理
農村部・山間部の賃貸住宅では浄化槽・くみ取り式が残っている場合があり、都市部の入居者には説明・告知が必要です。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 浄化槽法(合併処理浄化槽・単独処理新設禁止・維持管理3義務)・下水道法11条の3(公共下水道への接続義務・浄化槽継続義務でない)確認済。正答オ(誤)維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 浄化槽法(昭和58年制定)・浄化槽法第11条(定期検査) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 浄化槽法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=358AC0000000043 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。