賃管士 建築・設備 問23:建築基準法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
建築基準法の容積率・建蔽率に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア容積率とは、建築物の各階の床面積の合計(延べ面積)を敷地面積で除した割合であり、数値が大きいほど敷地に対して大きな建物が建てられる。
- イ建蔽率とは、建築物の建築面積を敷地面積で除した割合であり、数値が大きいほど敷地に建物が占める面積の割合が大きくなる。
- ウ容積率の計算において、地下の住居・駐車場・自転車置き場等は一定の条件の下で床面積に算入しない特例がある。
- エ建物が建蔽率の上限を超えている「建蔽率オーバー」の既存不適格建築物は、修繕・内装工事には建築確認が必要なく実施できるが、増築は一切禁止されている。正答
- オ容積率・建蔽率は、都市計画により各用途地域で定められており、特定の用途地域では複数の数値が設定されている場合がある(地区計画等による緩和・強化)。
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正答(誤っているもの)はエです。
建蔽率オーバーの既存不適格建築物について、「増築が一切禁止されている」というエの記述は誤りです。建蔽率オーバーの既存不適格建築物でも、建蔽率をさらに超えない範囲での増築は可能な場合があります(特定の条件下)。また「内装工事には建築確認不要」という前半部分は概ね正しいですが、エ全体として不正確です。
ア・イ・ウ・オは正しい記述です。容積率の地下駐車場特例(ウ)や地区計画による緩和・強化(オ)は重要な知識です。
容積率と建蔽率の基本:
| 指標 | 計算式 | 意味 |
|---|---|---|
| 容積率 | 延べ面積÷敷地面積×100(%) | 敷地に対する建物の床面積の割合(高さ・階数の制限に影響) |
| 建蔽率 | 建築面積÷敷地面積×100(%) | 敷地に対する建物の水平投影面積の割合(緑地・空地の確保) |
容積率の特例(ウが正しい理由):
建築基準法52条3項・6項等の特例:
- 住宅の地階(天井高が地盤面から1m以下):住宅部分の面積の1/3まで容積率不算入
- 自動車車庫・自転車置き場等:建物の全用途合計延べ面積の1/5まで不算入
- 共同住宅の共用廊下・階段部分:容積率不算入
各選択肢:
- ア(正): 容積率の定義・意味を正確に記述。
- イ(正): 建蔽率の定義を正確に記述。
- ウ(正): 容積率の地下・駐車場特例を正確に記述。
- エ(誤・正答): 既存不適格建築物の増築が「一切禁止」は誤り(条件付きで可能な場合あり)。
- オ(正): 地区計画等による緩和・強化の可能性を正確に記述。
【容積率の計算の詳細・既存不適格建築物の増築の可否・賃貸住宅の建て替え・増築計画への影響・地区計画との関係】
1. 容積率の計算—特例の整理
建築基準法52条の容積率算定には多くの特例があります:
| 特例 | 不算入の上限 |
|---|---|
| 住宅の地階(天井高1m以下) | 住宅部分の延べ面積の1/3 |
| 自動車車庫等 | 全用途の延べ面積の1/5 |
| 共同住宅の共用廊下・階段 | 全て不算入 |
| 宅配ボックス設置部分 | 全体の1/100 |
| エレベーター昇降路 | 全て不算入 |
これらの特例を活用することで、実質的に居住床面積を増やせます。
2. 前面道路による容積率の制限
敷地が接している道路(前面道路)の幅員によっても容積率が制限されます:
- 前面道路幅員×法定係数 と 都市計画で指定された容積率 の低い方が適用
- 住居系地域:前面道路幅員(m)× 4/10
- 商業・工業系地域:前面道路幅員(m)× 6/10
例:住居地域で前面道路幅員4m:4×4/10=160%。都市計画指定容積率が200%でも、前面道路制限で160%が適用される。
3. 既存不適格建築物の増築の扱い(エが誤りの理由の詳細)
既存不適格建築物(建蔽率・容積率オーバー等)の増築は「一切禁止」ではありません:
- 大規模増築(現行基準への適合義務): 増築部分の床面積が既存の1/2超の場合、建物全体を現行基準に適合させる必要
- 小規模増築(緩和措置): 増築部分の床面積が既存の1/5以下かつ50㎡以下の場合、既存部分の現行基準への適合を求めない緩和がある(建築基準法86条の7)
「一切禁止」ではなく、増築の規模・条件によって対応が異なります。
4. 建蔽率の角地緩和
特定行政庁が指定した角地(道路が交差する角の敷地)では、建蔽率が10%緩和されます(建築基準法53条3項)。例:指定建蔽率60%の角地→70%で建築可。
賃貸住宅の敷地が角地に当たる場合は、建蔽率の計算で緩和を確認することが重要です。
5. 地区計画と容積率・建蔽率
都市計画法8条1項5号に基づく「地区計画」が定められている地区では、容積率・建蔽率の特例(緩和または強化)が設けられることがあります:
- 再開発地区:容積率の大幅な緩和(高層化を促進)
- 低層住宅地区:容積率・建蔽率の強化(低密度開発の維持)
賃貸住宅のオーナーは建替え・増築計画の前に、地区計画等の特例がないかを市区町村の都市計画担当窓口で確認することが重要です。
6. 賃貸管理業者が知っておくべきポイント
- 物件の容積率・建蔽率の確認は物件調査の基本(謄本・都市計画情報で確認)
- 容積率・建蔽率オーバーの既存不適格建築物では、大規模増築が難しい場合があることをオーナーに伝える
- 増築・改修の際は建築士・行政に事前確認することを推奨
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 建築基準法52条(容積率・特例)・53条(建蔽率・角地緩和)・86条の7(既存不適格の増築緩和)確認済。既存不適格の増築が一切禁止ではないことを確認。正答エ(誤)維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築基準法第52条(容積率)・第53条(建蔽率) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 建築基準法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。