問題
集合住宅の修繕積立金に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答(誤っているもの)はエです。
分譲マンションで修繕積立金が不足した場合でも「修繕する法的義務がなくなる」わけではありません。区分所有者は全員で建物の管理を行う団体(管理組合)を構成し(区分所有法3条)、管理組合はマンションを適正に管理するよう努めなければならない(マンション管理適正化法5条1項)ため、積立金不足の場合は「一時金の徴収」「融資(管理組合ローン)」「修繕計画の見直し」等の対応が求められます。エが誤りです。
ア・イ・ウ・オは正しい記述です。大規模修繕の周期12〜15年(ウ)、賃料収入からの内部留保(イ)、長期修繕計画による経営判断の精度向上(オ)は重要な知識です。
修繕積立金の基本(国交省ガイドライン):
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 積立の目的 | 大規模修繕(12〜15年周期)に備えた計画的積立 |
| 分譲マンション | 管理組合が積み立て・管理 |
| 賃貸住宅 | オーナー(または管理会社)が内部留保 |
| 積立不足の場合 | 一時金徴収・融資・修繕計画見直し |
エが誤りの理由(積立不足と修繕義務の関係):
積立金が不足していても、分譲マンション(管理組合)は修繕義務を免れるわけではありません:
- 区分所有者は全員で管理を行う団体を構成し(区分所有法3条)、管理組合は適正な管理に努める義務を負う(マンション管理適正化法5条1項)
- 積立不足時の対応:不足分の一時金徴収・修繕工事の借入(金融機関による管理組合ローン)・工事の分割実施
- 積立金不足による修繕の先送りは建物の老朽化加速・資産価値の低下につながる
「法的に修繕義務がなくなる」は明らかな誤りです。
各選択肢:
- ア(正): 分譲マンションの修繕積立の基本を正確に記述。
- イ(正): 賃貸住宅の内部留保推奨を正確に記述。
- ウ(正): 大規模修繕の12〜15年周期を正確に記述。
- エ(誤・正答): 積立不足でも修繕義務は継続(一時金・融資等で対応)。
- オ(正): 長期修繕計画による経営判断の精度向上を正確に記述。
【国交省ガイドラインの修繕積立金の目安額・積立不足マンションの実態・賃貸住宅オーナーの修繕資金計画・管理業法との関係】
1. 国交省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(平成23年4月策定・令和6年6月改定)
ガイドラインは、計画期間全体での修繕積立金の平均額の目安(機械式駐車場分を除く・専有面積1㎡当たり月額)を次のように示しています:
| 地上階数/建築延床面積 | 平均値 | 事例の3分の2が包含される幅 |
|---|---|---|
| 20階未満・5,000㎡未満 | 335円 | 235〜430円 |
| 20階未満・5,000㎡以上10,000㎡未満 | 252円 | 170〜320円 |
| 20階未満・10,000㎡以上20,000㎡未満 | 271円 | 200〜330円 |
| 20階未満・20,000㎡以上 | 255円 | 190〜325円 |
| 20階以上 | 338円 | 240〜410円 |
例:20階未満・5,000㎡未満のマンションで専有70㎡の住戸なら、平均値で月約23,450円(335円×70㎡)。
ただし、これはあくまで目安で、幅に収まらないからといって直ちに不適切とされるわけではありません(同ガイドライン)。
2. 積立不足が生じる理由(同ガイドライン)
- 分譲時に修繕積立金の当初月額が著しく低く設定される例がある
- 当初を低く抑えて段階的に値上げする「段階増額積立方式」は、増額時に区分所有者間の合意ができず不足する事例がある
- ガイドラインは、将来にわたり安定的に積み立てる観点から「均等積立方式」が望ましいとしている
積立不足の対応策:
1. 修繕積立金の値上げ(総会の決議で見直す)
2. 修繕時に一時金を徴収(臨時徴収)
3. 管理組合ローンの活用(金融機関からの借入)
4. 工事の優先順位付けと先送り(一部の工事を次回に延期)
3. 賃貸住宅の修繕資金計画
賃貸住宅オーナーの修繕資金計画のポイント:
(1) 長期修繕計画の作成:
- 30年程度の計画期間
- 建物の各部位(屋根・外壁・給排水管・電気設備等)の耐用年数と修繕周期を設定
- 各年の修繕費用を試算
(2) 修繕資金の確保方法:
- 毎年の賃料収入から、長期修繕計画で試算した修繕費に見合う額を修繕準備金として積み立て
- 賃貸用不動産向けの修繕ローン・リフォームローンの活用
- 建物損害保険の活用(突発的な火災・漏水被害等)
(3) 賃貸住宅管理業法との連携:
- 管理受託契約において修繕計画の作成支援・定期報告が管理業者の業務に含まれる場合
- オーナーへの修繕提案・工事発注のコーディネートも管理業者の付加価値業務
4. 修繕積立金の税務処理(賃貸オーナー)
賃貸住宅オーナーが修繕費用を支出した場合:
- 修繕費(必要費): その年の必要経費として一括計上可
- 資本的支出(耐用年数延長・価値向上): 減価償却資産として計上・数年にわたって償却
内部留保(積立段階)では税務上は費用に計上できません。修繕を実施した際に費用計上されます。
5. 賃貸管理業者の提案機会
修繕積立金不足・老朽化の問題は、管理業者がオーナーにアプローチする重要な機会です:
- 定期的な建物調査・報告
- 長期修繕計画の更新提案
- 修繕業者の紹介・見積もり取得の支援
- 修繕工事後の入居者への改善点の告知(ブランディング効果)
適切な修繕が行われた物件は入居率が高く、賃料も維持できます。修繕投資への提案はオーナーの資産価値保全に直接貢献します。
- 建物の区分所有等に関する法律第3条e-Govで原文を読む
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律第5条e-Govで原文を読む
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)・区分所有法第3条・マンション管理適正化法第5条第1項 確認日: 2026-09-30 出典: 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001747009.pdf 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

