建築・設備32建築基準法

賃管士 建築・設備 問32:建築基準法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

既存不適格建築物(建築基準法3条2項)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 既存不適格建築物とは、建設当時は適法であったが、その後の法改正により現行の建築基準法に適合しなくなった建築物をいう。
  • 既存不適格建築物は、現行法への適合義務が猶予されるため、違反建築物とは区別されており、直ちに是正命令の対象にはならない。
  • 既存不適格建築物の大規模修繕(主要構造部の1/2以上の修繕)を行う場合は、当該部分を現行の建築基準法の基準に適合させなければならない。
  • 既存不適格建築物に増築を行う場合、増築面積が既存の1/5以下かつ50㎡以下であれば、既存部分を現行基準に適合させなくてもよい緩和規定がある。
  • 既存不適格建築物は、建替えを行う際にも現行法に適合させる必要はなく、旧来の仕様・規模のまま建て替えることができる。正答
正答:既存不適格建築物は、建替えを行う際にも現行法に適合させる必要はなく、旧来の仕様・規模のまま建て替えることができる。

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正答(誤っているもの)はオです。

既存不適格建築物を建て替える(全部取り壊して新築する)場合は、新規の建築確認申請が必要となり、現行の建築基準法に適合させなければなりません。オの「現行法に適合させる必要はなく旧来の仕様で建て替えられる」は誤りです。

既存不適格の「適合義務猶予」はあくまで現状を「維持使用する」限りでの猶予であり、新築建替えの際は当然に現行法の適用を受けます。

ア・イ・ウ・エは正しい記述です。特に大規模修繕時の現行基準への適合義務(ウ)と増築の緩和規定(エ)は重要です。

標準試験対策の基準レベル

既存不適格建築物の扱い(建築基準法3条・86条の7):

| 場面 | 現行基準への適合 |

|---|---|

| 現状維持(使用継続) | 不要(猶予) |

| 小規模増築(1/5以下・50㎡以下) | 既存部分は不要(緩和規定) |

| 大規模修繕・増築(1/2超等) | 当該部分を現行基準に適合させる必要 |

| 建替え(全部取り壊し・新築) | 現行基準への完全適合が必要 |

オが誤りの理由:

建替えは「既存建物の廃止+新規建築物の建築」であり、新しい建物を建てる際には新規の建築確認申請が必要です。この段階で現行の建築基準法(用途・構造・防火・耐震等)に適合させる必要があります。

各選択肢:

  • ア(正): 既存不適格の定義(建設当時適法・法改正で不適合)を正確に記述。
  • イ(正): 既存不適格は違反建築物と区別(是正命令の即時対象外)を正確に記述。
  • ウ(正): 大規模修繕時の当該部分の現行基準適合義務を正確に記述。
  • エ(正): 増築の緩和規定(86条の7)を正確に記述。
  • オ(誤・正答): 建替え(新築)は現行法への完全適合が必要。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【既存不適格の成立要件・猶予される範囲の詳細・建替え困難物件の実務・増築緩和の限界・耐震改修との関係】

1. 既存不適格の成立要件(建築基準法3条2項)

既存不適格として扱われるには以下の要件:

1. 建設当時の建築確認を受けた適法建築物であること

2. その後の法改正(新たな基準の施行)によって現行基準に適合しなくなったこと

典型的な既存不適格の例:

  • 新耐震基準(昭和56年6月1日施行)以前の旧耐震建物
  • 接道義務の変更前に建てられた建物(旧来の私道のみに接している等)
  • 防火地域指定後の木造建物

2. 猶予の内容と限界

建築基準法3条2項の猶予は「現状を維持する限り」の適法性保証です:

| 行為 | 猶予の適用 |

|---|---|

| 使用継続(現状維持) | 猶予あり(是正命令なし) |

| 軽微な修繕・模様替え | 猶予あり(確認申請不要の範囲) |

| 大規模修繕(1/2超・主要構造部) | 当該部分を現行適合させる必要 |

| 増築(条件により緩和あり) | 規模次第で猶予あり(86条の7) |

| 建替え(全部新築) | 猶予なし・現行法完全適合 |

3. 「大規模修繕」の判断基準

「主要構造部の1/2以上の修繕・模様替え」が大規模修繕です:

  • 主要構造部:壁・柱・床・梁・屋根・階段
  • 1/2は数量・面積で判断
  • 大規模修繕に該当すると確認申請が必要→現行基準への適合義務発生

例:RC造マンションの外壁塗装(仕上げのみ)は主要構造部の修繕ではないため確認申請不要。外壁コンクリートを大規模に補修する場合は大規模修繕の可能性。

4. 増築緩和の限界(建築基準法86条の7)

増築の緩和(既存部分の現行基準適合不要)の条件:

  • 増築面積が既存建築物の延べ面積の1/5以下
  • かつ増築面積が50㎡以下
  • 既存部分の用途・構造等の変更なし

この緩和は「小規模な増築」限定です。大規模増築(1/5超または50㎡超)では既存部分も含めた現行基準適合が必要になります。

5. 旧耐震建物の建替え困難問題

旧耐震(昭和56年5月31日以前)の既存不適格建物で建替えを考える際:

  • 建替えには現行の新耐震基準・接道義務・容積率等への完全適合が必要
  • 接道義務を満たせない再建築不可物件:旧来の建物は使用継続できるが建替え不可
  • 旧耐震+再建築不可の組み合わせは最も難しいケース(取り壊したら建物が建てられなくなる)

賃貸管理業者としては、このような物件のオーナーに長期的な処遇(リノベーション継続か売却か等)の検討を促す情報提供が重要です。

6. 耐震改修との関係

耐震改修促進法に基づく耐震改修(構造補強工事)は建築基準法上の「大規模修繕」と異なり、耐震改修促進法の規定(法6条:耐震改修計画の認定)に基づく特例があります。耐震改修を行う場合でも、現行の耐震基準への適合を目指すことで、既存不適格解消の効果があります。

<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 建築基準法3条2項(既存不適格の猶予)・86条の7(増築の緩和)確認済。建替え時は現行法完全適合が必要(猶予なし)。正答オ(誤)維持。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築基準法第3条(適用の除外)・第86条の7(既存不適格建築物の増改築の緩和) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 建築基準法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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