問題
既存不適格建築物に関する建築基準法及び同法施行令の規定について、次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答(誤っているもの)はエです。
建築基準法3条2項が適用しないとしているのは、規定の施行・適用の際に「現に存する」建築物(又は工事中の建築物)です。除却して新たに建てる建築物はこれに当たらないので、現行の規定が適用されます。エは誤りです。
アは3条2項のとおりです。イは3条3項3号(増築等をすると既存不適格の扱いが外れる)と86条の7(政令で定める範囲の緩和)のとおりです。ウは2条14号の定義どおりです。オは施行令137条の2第3号のとおりです。
既存不適格の仕組み:
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 3条2項 | 規定の施行・適用の際に現に存する(又は工事中の)建築物が規定に適合しない場合、その規定を適用しない |
| 3条3項3号 | 施行・適用後に着手した増築・改築・移転・大規模の修繕・大規模の模様替に係る建築物には、2項を適用しない |
| 86条の7第1項 | 一定の規定について、政令で定める範囲内の増築等をする場合は、3条3項3号・4号にかかわらず適用しない |
| 施行令137条の2 | 法20条(構造耐力)の緩和の範囲と基準。1号=全ての増改築、2号=20分の1(50㎡)超〜2分の1以下、3号=20分の1(50㎡)以下 |
| 2条14号 | 大規模の修繕=主要構造部の一種以上について行う過半の修繕 |
各選択肢:
- ア(正): 3条2項のとおり。
- イ(正): 3条3項3号と86条の7第1項のとおり。
- ウ(正): 2条14号のとおり。
- エ(誤・正答): 新たに建てる建築物は「現に存する」建築物ではなく、3条2項の対象外。現行の規定が適用される。
- オ(正): 施行令137条の2第3号イのとおり。
【既存不適格が生まれる仕組み・増築等で外れる原則・86条の7の緩和・構造耐力の3区分・賃貸管理での読み方】
1. 既存不適格が生まれる仕組み(3条2項)
法令が改正されたり、都市計画で用途地域などが変わったりすると、それまで適法だった建築物が新しい規定に合わなくなることがあります。3条2項は、規定の施行・適用の際に現に存する建築物(又は現に工事中の建築物)がその規定に適合しない場合、その規定を当該建築物に適用しないと定めています。これが既存不適格で、違反建築物とは区別されます(アは正しい)。
対象は「現に存する」建築物に限られます。既存不適格の建築物を除却して建て替えれば、新しい建築物は施行後の建築なので、現行の規定がそのまま適用されます(エが誤り)。
2. 増築等をすると原則として外れる(3条3項3号)
3条3項3号は、規定の施行・適用後に工事に着手した増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替に係る建築物には3条2項を適用しないとしています。つまり、既存不適格の建築物でも、増築等をすれば原則として現行の規定への適合が必要になります。大規模の修繕は「主要構造部の一種以上について行う過半の修繕」(2条14号・ウは正しい)で、壁・柱・床・はり・屋根・階段のいずれか一種について、その過半に及ぶ修繕をいいます。
3. 86条の7の緩和
ただし86条の7第1項は、構造耐力(20条)をはじめとする一定の規定について既存不適格である建築物に、政令で定める範囲内で増築等をする場合には、3条3項3号・4号にかかわらず、これらの規定を適用しないとしています(イは正しい)。
4. 構造耐力の緩和の3区分(施行令137条の2)
法20条について既存不適格の建築物を増築・改築する場合の範囲と基準は、施行令137条の2が増改築部分の床面積で3つに分けています。
- 3号:増改築部分の床面積の合計が基準時の延べ面積の20分の1(50㎡を超える場合は50㎡)を超えない。増改築部分が構造耐力の規定に適合し、それ以外の部分の構造耐力上の危険性が増大しないこと、などの基準(オは正しい)
- 2号:20分の1(50㎡)を超え、2分の1を超えない。既存部分を含めて耐久性等関係規定と大臣が定める基準に適合すること、などの基準
- 1号:それ以外のすべての増改築。建築物全体の構造計算の規定に適合させる方法や、エキスパンションジョイントなどで既存部分と構造的に切り離す方法など
5. 賃貸管理での読み方
古い賃貸建物が既存不適格かどうかは、増築・大規模な改修・建替えを検討するときに大きな意味を持ちます。増改築の規模によって既存部分に求められる基準が変わり、建替えでは現行の規定がすべて適用されるため、同じ規模の建物が建てられないこともあります。
- 建築基準法第3条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築基準法2条14号・3条2項・3条3項3号・86条の7第1項、建築基準法施行令137条の2第3号(e-Gov 法令API v2・law_id 325AC0000000201・325CO0000000338・2026-09-30取得の現行全文で確認) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201#Mp-At_3 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

