賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 民法 問24|クロス汚損の負担区分

問題

賃管士 | 民法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

Aは賃貸アパートに5年間居住した後退去した。居室のクロス(壁紙)は全体的に日焼けしているほか、一部にタバコのヤニによる著しい変色がある。クロスの耐用年数の目安は6年とする。この場合における費用負担の説明として、最も適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は b
  • a
  • b
  • c
  • d
  • e

自信の3択

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解説

正答はbです。

本問では2種類の損傷が混在しています:

1. 日焼け(全体的な変色): 通常損耗・経年変化 → 賃貸人負担

2. タバコのヤニ汚れ: 通常の使用を超える損傷 → 賃借人Aの負担

ただしヤニ汚れについても「居住年数(5年)に応じた残存価値」を考慮して減額されます。耐用年数6年で5年経過の場合の残存価値は約17%(=1/6)程度なので、実際の賃借人負担は修繕費の17%程度になります。

cの「ほぼ1円」は6年経過後の話。5年では若干の残存価値(約17%)が残ります。eは誤りで、耐用年数に関係なく賃借人の故意・過失による損傷は負担義務があります。

本問の費用負担の整理(6年耐用年数・5年居住):

損傷の種類負担者理由
クロスの日焼け(全体的な変色)賃貸人通常損耗・経年変化
ヤニによる著しい変色部分賃借人A(減額後)通常の使用を超える損傷

ヤニ汚れの残存価値計算(ガイドライン別表2):

  • 耐用年数6年(6年)
  • 居住年数:5年
  • 残存価値割合:(6-5)/6 ≈ 17%

→ クロス張替え費用が仮に10万円の場合:

賃借人A の負担 ≈ 10万円 × 17% ≈ 1.7万円

各選択肢の整理:

  • a(誤): 日焼け(通常損耗)は賃貸人負担。「全て賃借人負担」は誤り。
  • b(正): 日焼け→賃貸人負担、ヤニ→賃借人負担(残存価値で減額)という区分と計算が正確。
  • c(誤): 5年経過での残存価値は1/6≈17%(1円ではない)。1円相当になるのは6年経過後。
  • d(誤): ヤニ汚れは特約の有無にかかわらず「通常の使用を超える損傷」として賃借人負担。禁煙特約がなくても賃借人負担とするのがガイドラインの立場。
  • e(誤): 耐用年数に近くなっても、賃借人の故意・過失による損傷の負担義務は残る(ただし残存価値が低いため実際の負担額が少なくなるだけ)。

【ヤニ汚れの原状回復—禁煙特約・耐用年数計算・臭い問題の実務論点】

タバコのヤニ汚れは原状回復のトラブル件数が最も多い論点の一つです。複数の観点から整理します。

ヤニ汚れの費用負担範囲(ガイドライン解釈):

1. クロス(壁紙)の交換: ヤニで変色した部分のクロス張替え費用→耐用年数に基づく残存価値分が賃借人負担

2. エアコンの清掃: ヤニ汚れによる機能低下の清掃費用→賃借人負担(エアコン清掃は通常損耗に含まない)

3. 臭いの消臭工事: クロス・建材に染み込んだ煙草臭の消臭費用→ヤニ汚れの延長線上として賃借人負担の可能性

「臭い」の費用負担(特別論点):

ヤニ汚れは「目に見える変色」だけでなく「建材に染み込んだ臭い」も問題となります。消臭工事・クリーニングが必要な場合の費用負担について:

  • 通常のハウスクリーニングで消臭できる範囲:賃貸人負担(特約なければ)
  • 煙草による特別な消臭工事が必要な場合:賃借人負担(通常の清掃を超える対応)

実務では「消臭工事の費用が適正か(過剰請求でないか)」が争いになることがあります。

禁煙特約の有効性と禁煙可物件の注意:

禁煙特約がある物件での喫煙は特約違反(用法違反)として、ヤニ汚れに加えて「特約違反による損害賠償」も請求できる場合があります。

禁煙特約がない(喫煙可または不明)物件での喫煙によるヤニ汚れは、「ガイドラインにより通常使用を超える損傷→賃借人負担」となりますが、喫煙を明示的に許可した物件での通常的な喫煙による汚れについては、賃借人負担の範囲が限定的に解釈される余地があるという議論もあります(実務では賃借人負担とする取り扱いが一般的)。

「残存価値計算」の適用が複雑になるケース:

ヤニ汚れで「クロスを全面張替えする場合」と「部分的に張り替える場合」では残存価値の適用が異なります。

原則(ガイドライン):

  • 損傷部分のみの補修を原則
  • 部分補修では色・柄が合わない場合の全面張替えは「賃借人の不注意による損傷」と認められる部分の費用のみが賃借人負担

ヤニ汚れの場合は「部分的なヤニ汚れ」でも全部屋のクロスが変色していることが多く、「全面張替えが必要」という判断になりやすいです。この場合、残存価値計算に基づいて費用を按分することになります。

賃管士試験での注意点:「5年居住・耐用年数6年→残存価値約17%→賃借人負担は修繕費の17%」という計算のロジックを把握しておくことが重要です。

根拠: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(H23)別表2。

一次数値: クロスの経過年数6年(国交省ガイドライン別表2)出典: 国土交通省、確認日2026-06-10。

この問題の根拠根拠: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(H23)別表2 一次数値: クロスの経過年数6年(国交省ガイドライン別表2)出典: 国土交通省、確認日2026-06-10 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(H23)別表2 一次数値: クロスの経過年数6年(国交省ガイドライン別表2)出典: 国土交通省、確認日2026-06-10 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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