賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 民法 問25|フローリング・畳の負担区分

問題

賃管士 | 民法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

フローリング・畳の原状回復の負担区分に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。 ア. 通常の生活使用によるフローリングの細かい傷・すり傷は、通常損耗として賃貸人の負担となる。 イ. 賃借人が重い家具(ピアノなど)を引きずって移動させたことによるフローリングの深い傷は、善管注意義務違反として賃借人の負担となる可能性がある。 ウ. 畳の日焼けによる変色は通常損耗として賃貸人の負担となるが、ペットの爪痕による損傷は賃借人の負担となる。 エ. フローリングの全面張替えが必要な場合、その費用は常に全額賃借人が負担しなければならない。 オ. 通常の生活使用による畳表の擦り切れについても、賃借人は畳表の張替え費用を全額負担しなければならない。

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答え合わせ

正解は a
  • a
  • b
  • c
  • d
  • e

自信の3択

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解説

正答はa(アとイとウ)です。

ア(正): 通常歩行で生じる細かい傷は通常損耗として賃貸人負担。

イ(正): ピアノなど重い家具を引きずる行為は通常の使用を超えており、善管注意義務違反として賃借人が費用負担する可能性があります(「引きずらないように台を使うべき」という注意義務)。

ウ(正): 畳の日焼け変色は経年変化として賃貸人負担。ペットの爪痕は通常使用を超えた損傷として賃借人負担。

エ(誤): フローリングの全面張替えが必要であっても、残存価値の計算(耐用年数による減価)が適用されるため、常に全額賃借人負担ではありません。

オ(誤): 通常の使用による畳表の擦り切れは通常損耗であり、賃貸人の負担です(なお、賃借人の故意・過失で畳表を毀損した場合は、畳表は消耗品として経過年数を考慮せず張替え費用を賃借人負担とするのがガイドラインの考え方)。

フローリング・畳の負担区分の整理(ガイドライン基準):

状況分類負担者
通常歩行による細かい傷・すり傷通常損耗賃貸人
日焼けによる色あせ経年変化賃貸人
重い家具の長期設置による凹み通常損耗賃貸人
重い家具を引きずった深い傷善管注意義務違反(通常使用超)賃借人(残存価値減額後)
ペットの爪痕による傷・汚損通常使用超(ペット用法違反含む)賃借人(残存価値減額後)
水漏れ放置による変色・腐食善管注意義務違反(通知義務違反)賃借人
畳の日焼け変色経年変化賃貸人
畳のペット爪痕通常使用超賃借人(残存価値減額後)

エの誤りの理由(残存価値の適用):

フローリングを全体張り替える場合、賃借人が負担すべき損傷があっても、建物の耐用年数に基づく残存価値の割合で費用を負担するのがガイドラインの考え方です(畳表・襖紙・障子紙は消耗品として経過年数を考慮しない)。

  • 例:フローリング全面張替え費用30万円・居住10年(木造建物耐用年数22年)

→ 残存価値 ≈ (22-10)/22 ≈ 55%

→ 賃借人負担 ≈ 30万円 × 55% ≈ 16.5万円(常に全額ではない)

各選択肢の整理:

  • ア(正): 通常歩行での傷→通常損耗→賃貸人負担
  • イ(正): 引きずり傷→通常使用超(善管注意義務違反の可能性)→賃借人負担
  • ウ(正): 日焼け→経年変化→賃貸人負担 / ペット爪痕→通常使用超→賃借人負担
  • エ(誤): 全面張替えでも残存価値計算が適用→全額負担ではない
  • オ(誤): 通常の使用による畳表の擦り切れは通常損耗→賃貸人負担(畳表を経過年数を考慮せず賃借人負担とするのは、故意・過失等による毀損の場合)

【フローリング・畳の「部分補修」問題—張替えの範囲と費用計算の実務論点】

フローリングや畳の損傷において最も争いになりやすいのは「損傷部分のみを補修するか、全体を張り替えるか」という問題です。

ガイドラインの原則(部分補修):

ガイドラインは「毀損箇所の部分補修が原則」として、1枚のフローリング材(板)が傷ついた場合は、その1枚のみの補修・交換が原則であり、部屋全体のフローリングを張り替えることを賃借人に請求することは原則できないとしています。

部分補修が困難なケースの例外:

1. 傷の位置が連続していてそこだけ補修すると見た目が著しく不自然になる

2. 同一の木材・色が入手できない(生産終了等)

3. 1K・1Rのような小さな部屋で全体を張り替えなければ均一な床面にならない

これらの場合は「全体的な張替えが必要」と認められる可能性があります(ただし残存価値計算は適用される)。

畳の耐用年数と負担計算(建物の部材vs独立した耐用年数):

部位耐用年数の考え方
畳表の取替消耗品的性格→経過年数考慮せず補修費の全額が賃借人負担の場合もある
畳床の取替畳表とは扱いが異なる(経過年数の扱いはガイドライン本文で確認)
フローリング(全体)建物の耐用年数(木造22年等)を参照
フローリング(一部損傷・当該箇所)損傷箇所の残存価値に対して賃借人が負担

畳表(たたみおもて)は消耗品としての性格が強いため、賃借人の故意・過失等で毀損した場合の張替え費用は、経過年数を考慮せず賃借人負担とするのがガイドラインの考え方です(襖紙・障子紙も同様)。通常の使用による擦り切れ・日焼けは通常損耗・経年変化として賃貸人負担です。

「引きずり傷」の立証実務:

引きずり傷が「引っ越し時の引きずり」か「居住中の引きずり」かによって責任が異なります:

  • 入居時からあった傷→現状確認書に記録がなければ賃借人が「入居前からあった」と証明困難→賃借人負担とされる可能性
  • 入居時の確認書に記録された傷→退去時の精算から除外

管理会社は入居時に「全箇所の傷・損傷を写真+確認書に記録」し、両者が確認・署名する手続きを徹底することで、退去時の争いを最小化できます。特にフローリングのような傷が付きやすい床材では、入居時の丁寧な記録が最大のトラブル防止策です。

ペット飼育と「ペット可物件」の費用精算の実務:

ペット可物件での退去精算は通常物件より高額になりやすく、特約を適切に設計することが重要です。

推奨される特約の形:

  • 「退去時のハウスクリーニング費用(ペット対応・○万円)は賃借人負担」
  • 「ペットによる損傷(爪痕・臭気等)の原状回復費用は賃借人負担(ただし通常使用・経過年数に基づく減額を適用する)」

負担の範囲・金額を明示し明確に合意しておくことで、有効な特約と認められやすくなります(最判平17.12.16)。

根拠: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(H23)別表1・別表2。確認日2026-06-10。

この問題の根拠根拠: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(H23)別表1・別表2 一次数値: クロスの経過年数6年(参照)、畳の経年変化は別途(国交省ガイドライン)、確認日2026-06-10 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(H23)別表1・別表2 一次数値: クロスの経過年数6年(参照)、畳の経年変化は別途(国交省ガイドライン)、確認日2026-06-10 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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  • フローリング・畳の負担区分(ガイドライン別表・経過年数
  • 頻出度B

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