民法25民法(敷金・原状回復)

賃管士 民法 問25:民法(敷金・原状回復)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

フローリング・畳の原状回復の負担区分に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**の組み合わせはどれか。 ア. 通常の生活使用によるフローリングの細かい傷・すり傷は、通常損耗として賃貸人の負担となる。 イ. 賃借人が重い家具(ピアノなど)を引きずって移動させたことによるフローリングの深い傷は、善管注意義務違反として賃借人の負担となる可能性がある。 ウ. 畳の日焼けによる変色は通常損耗として賃貸人の負担となるが、ペットの爪痕による損傷は賃借人の負担となる。 エ. フローリングの全面張替えが必要な場合、その費用は常に全額賃借人が負担しなければならない。 オ. 畳表の傷みが激しく、通常の生活使用を超えた損傷がある場合、賃借人は新品への取替え相当の費用を全額負担しなければならない。

  • aアとイとウ正答
  • bアとウのみ
  • cイとウとエ
  • dアとイのみ
  • eウとオ
正答:aアとイとウ

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正答はa(アとイとウ)です。

ア(正): 通常歩行で生じる細かい傷は通常損耗として賃貸人負担。

イ(正): ピアノなど重い家具を引きずる行為は通常の使用を超えており、善管注意義務違反として賃借人が費用負担する可能性があります(「引きずらないように台を使うべき」という注意義務)。

ウ(正): 畳の日焼け変色は経年変化として賃貸人負担。ペットの爪痕は通常使用を超えた損傷として賃借人負担。

エ(誤): フローリングの全面張替えが必要であっても、残存価値の計算(耐用年数による減価)が適用されるため、常に全額賃借人負担ではありません。

オ(誤): 畳も耐用年数による残存価値の減額が適用され、全額負担ではありません。

標準試験対策の基準レベル

フローリング・畳の負担区分の整理(ガイドライン基準):

| 状況 | 分類 | 負担者 |

|---|---|---|

| 通常歩行による細かい傷・すり傷 | 通常損耗 | 賃貸人 |

| 日焼けによる色あせ | 経年変化 | 賃貸人 |

| 重い家具の長期設置による凹み | 通常損耗 | 賃貸人 |

| 重い家具を引きずった深い傷 | 善管注意義務違反(通常使用超) | 賃借人(残存価値減額後) |

| ペットの爪痕による傷・汚損 | 通常使用超(ペット用法違反含む) | 賃借人(残存価値減額後) |

| 水漏れ放置による変色・腐食 | 善管注意義務違反(通知義務違反) | 賃借人 |

| 畳の日焼け変色 | 経年変化 | 賃貸人 |

| 畳のペット爪痕 | 通常使用超 | 賃借人(残存価値減額後) |

エ・オの誤りの理由(残存価値の適用):

フローリング・畳いずれも、賃借人が負担すべき損傷がある場合でも「耐用年数に基づく残存価値の割合」でのみ費用を負担することになります。

  • 例:フローリング全面張替え費用30万円・居住10年(木造建物耐用年数22年)

→ 残存価値 ≈ (22-10)/22 ≈ 55%

→ 賃借人負担 ≈ 30万円 × 55% ≈ 16.5万円(常に全額ではない)

各選択肢の整理:

  • ア(正): 通常歩行での傷→通常損耗→賃貸人負担
  • イ(正): 引きずり傷→通常使用超(善管注意義務違反の可能性)→賃借人負担
  • ウ(正): 日焼け→経年変化→賃貸人負担 / ペット爪痕→通常使用超→賃借人負担
  • エ(誤): 全面張替えでも残存価値計算が適用→全額負担ではない
  • オ(誤): 畳も残存価値による減額が適用→全額負担ではない
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【フローリング・畳の「部分補修」問題—張替えの範囲と費用計算の実務論点】

フローリングや畳の損傷において最も争いになりやすいのは「損傷部分のみを補修するか、全体を張り替えるか」という問題です。

ガイドラインの原則(部分補修):

ガイドラインは「毀損箇所の部分補修が原則」として、1枚のフローリング材(板)が傷ついた場合は、その1枚のみの補修・交換が原則であり、部屋全体のフローリングを張り替えることを賃借人に請求することは原則できないとしています。

部分補修が困難なケースの例外:

1. 傷の位置が連続していてそこだけ補修すると見た目が著しく不自然になる

2. 同一の木材・色が入手できない(生産終了等)

3. 1K・1Rのような小さな部屋で全体を張り替えなければ均一な床面にならない

これらの場合は「全体的な張替えが必要」と認められる可能性があります(ただし残存価値計算は適用される)。

畳の耐用年数と負担計算(建物の部材vs独立した耐用年数):

| 部位 | 耐用年数の考え方 |

|---|---|

| 畳表の取替 | 消耗品的性格→経過年数考慮せず補修費の全額が賃借人負担の場合もある |

| 畳床の取替 | 建物の部材として耐用年数(概ね10〜15年程度)で考慮 |

| フローリング(全体) | 建物の耐用年数(木造22年等)を参照 |

| フローリング(一部損傷・当該箇所) | 損傷箇所の残存価値に対して賃借人が負担 |

畳表(たたみおもて)は「消耗品」的な性格があり、1回の入退去での表替え費用は経過年数を考慮せずに賃借人負担とする考え方もあります(ガイドライン別表2の解釈が複雑な部分)。

「引きずり傷」の立証実務:

引きずり傷が「引っ越し時の引きずり」か「居住中の引きずり」かによって責任が異なります:

  • 入居時からあった傷→現状確認書に記録がなければ賃借人が「入居前からあった」と証明困難→賃借人負担とされる可能性
  • 入居時の確認書に記録された傷→退去時の精算から除外

管理会社は入居時に「全箇所の傷・損傷を写真+確認書に記録」し、両者が確認・署名する手続きを徹底することで、退去時の争いを最小化できます。特にフローリングのような傷が付きやすい床材では、入居時の丁寧な記録が最大のトラブル防止策です。

ペット飼育と「ペット可物件」の費用精算の実務:

ペット可物件での退去精算は通常物件より高額になりやすく、特約を適切に設計することが重要です。

推奨される特約の形:

  • 「退去時のハウスクリーニング費用(ペット対応・○万円)は賃借人負担」
  • 「ペットによる損傷(爪痕・臭気等)の原状回復費用は賃借人負担(ただし通常使用・経過年数に基づく減額を適用する)」

金額明示+明確な合意によって、最判17.12.16の3要件を満たした有効な特約となります。

根拠: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(H23)別表1・別表2。確認日2026-06-10。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(H23)別表1・別表2 一次数値: KEIKA_NENSUU_CROSS=6(参照)、畳の経年変化は別途(国交省ガイドライン)、確認日2026-06-10 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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