問題
民法458条の2(主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はアです。
458条の2の条文には、保証人が法人である場合を適用除外とする文言はありません。一方、458条の3は第3項で「前二項の規定は、保証人が法人である場合には、適用しない」と明記しています。465条の10(契約締結時の情報提供義務)も第3項に同様の法人適用除外があります。アは「458条の2も同様に法人には適用されない」としており、条文にない限定を付け加えているため誤りです。
イ・ウ・エ・オはいずれも458条の2の条文どおりの正しい記述です。
保証関係の情報提供義務3類型(法人保証人への適用の有無):
| 義務の種類 | 根拠条文 | 法人保証人への適用除外 |
|---|---|---|
| 契約締結時の情報提供義務(主債務者→保証人予定者) | 465条の10 | あり(3項) |
| 履行状況に関する情報の提供義務(債権者→保証人。請求時) | 458条の2 | なし |
| 期限の利益喪失の通知義務(債権者→保証人) | 458条の3 | あり(3項) |
各選択肢の整理:
- イ(正): 458条の2は「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合」に限定される。
- ア(誤・正答): 458条の2に法人適用除外の規定はない。法人保証人であっても458条の2の請求権を有する。
- ウ(正): 458条の2は「保証人の請求があったとき」に義務が生じる構造で、債権者の自発的な定期通知義務は定めていない。
- エ(正): 458条の2の条文(元本・利息・違約金・損害賠償等の不履行の有無・残額・弁済期到来額)どおり。
- オ(正): 賃料債務の受託連帯保証人は458条の2の請求権を持つ。
【458条の2・458条の3・465条の10—法人保証人への適用の有無を条文ごとに確認する】
令和2年4月施行の民法改正で整備された保証人保護のための情報提供義務は、条文ごとに「保証人が法人である場合」への適用の有無が異なっており、この違いを正確に押さえることが重要です。
458条の2(履行状況に関する情報提供義務)の構造:
条文は「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない」と定めています。要件は「①受託保証人であること」「②保証人からの請求があること」の2つで、法人保証人を除外する規定はありません。家賃債務保証会社(法人)が賃借人の委託を受けて保証をしている場合、当該保証会社も458条の2に基づき賃貸人(債権者)に履行状況の情報提供を請求できます。
458条の3(期限の利益喪失の通知義務)の構造:
条文は「主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない」(1項)とした上で、3項で「前二項の規定は、保証人が法人である場合には、適用しない」と明記しています。通知を怠った場合、債権者は喪失時から通知までの遅延損害金相当額に係る保証債務の履行を請求できません(2項)。
465条の10(契約締結時の情報提供義務)の構造:
主たる債務者が、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証等の委託をする際に、保証人予定者へ財産・収支状況等の情報を提供する義務を定めた規定で、こちらも3項で法人保証人への適用除外を明記しています。
条文の書き分けを押さえる:
法人を除く明文があるのは458条の3(3項「保証人が法人である場合」)と465条の10(3項「保証をする者が法人である場合」)で、458条の2にはこの種の規定がありません。458条の2で限定されているのは「主たる債務者の委託を受けて保証をした」保証人であることと「保証人の請求があったとき」であることの2点だけです。したがって、委託を受けて保証をした者であれば、個人の連帯保証人でも家賃債務保証会社(法人)でも、458条の2に基づいて債権者(賃貸人)に情報の提供を求めることができます。
賃貸住宅管理の実務では、賃貸人の代わりに照会を受ける管理会社が、①照会してきた保証人が賃借人の委託を受けた保証人かを確かめ、②委託を受けた保証人であれば、法人か個人かを問わず、未払賃料の有無・残額・弁済期が到来している額を遅滞なく回答する、という順で対応することになります。一方、期限の利益喪失の通知(458条の3)は、保証人が法人であれば不要です。
根拠: 民法458条の2・458条の3・465条の10(e-Gov 法令検索)。確認日2026-09-30。
- 民法第458条の2e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法458条の2・458条の3(e-Gov 法令検索、令和2年4月1日施行改正後の現行条文) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-09-30(e-Gov 法令API v2で458条の2・458条の3の現行条文を取得して確認) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

