問題
賃貸借更新後の保証に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエです。
R2改正後の個人根保証では、保証人の責任は極度額が上限です(465条の2)。更新後も引き続き保証は継続する場合がありますが、極度額を超えて保証責任が拡大することはありません。これがエの「極度額を超えて責任が拡大することはない」という正しい記述です。
アは誤りで、期間の定めのある建物賃貸借の保証は、反対の趣旨をうかがわせる特段の事情のない限り、更新後の債務にも及ぶとするのが判例です(最判平成9.11.13)。イも誤りで、黙示の更新で期間満了により消滅する担保から、敷金は除かれています(619条2項ただし書)。
オは誤りで、保証人が一方的に通告するだけで保証責任を免れることはできません。保証人が「離脱」するには原則として賃貸人の同意または条文上の根拠が必要です。
更新後の保証継続の問題の整理:
| 更新の種類 | 保証の継続性(原則) |
|---|---|
| 合意更新 | 期間の定めのある建物賃貸借では、特段の事情のない限り更新後の債務にも保証が及ぶ(最判平成9.11.13) |
| 法定更新(借地借家法26条) | 同上(同判例は「更新後の賃貸借」について判示) |
| 黙示の更新(民法619条) | 619条2項本文は、従前の担保は期間満了で消滅すると定める(敷金は除く:同項ただし書)。建物賃貸借の保証では上記判例の考え方が問題になる |
各選択肢の整理:
- ア(誤): 期間の定めのある建物賃貸借の保証は、反対の趣旨をうかがわせる特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務にも及ぶ(最判平成9.11.13)。「改めて保証契約を締結しなければ責任はない」は誤り。
- イ(誤): 619条2項本文は担保が期間満了で消滅するとしつつ、ただし書で「第六百二十二条の二第一項に規定する敷金については、この限りでない」と定める。敷金は消滅しない。
- ウ(誤): 更新後の賃料についても保証条項が継続していれば連帯保証人の責任は継続。
- エ(正): 個人根保証の極度額(465条の2)が上限→更新後も同じ極度額の範囲内で保証責任が続く。極度額を超えて責任が拡大することはない(正確)。
- オ(誤): 一方的な通告で保証から離脱することはできない(契約的拘束力があるため)。保証からの離脱は賃貸人の同意・契約条項上の合意・または法律上の確定事由(元本確定等)が必要。
【保証の継続性と「保証人の離脱問題」—実務的な保証設計の課題】
賃貸借における個人根保証の最大の問題は「保証契約が長期間継続し、保証人が予期しない多額の責任を負うリスクがある」点でした。R2改正はこの問題に対処するための複数の手当てを設けています。
R2改正前後での保証人リスクの比較:
R2改正前の問題:
- 極度額なしの連帯保証→理論上は無限の保証責任
- 10年間の賃貸借継続後に多額の滞納+原状回復費用を保証人が全額負担した事例
R2改正後:
- 極度額の義務化→保証人の責任は極度額の範囲内に限定
- 元本確定事由(保証人の死亡・破産等)→一定の事由で責任範囲が確定・固定
極度額の設定と保証人の実質的リスク:
極度額を「月額賃料の24ヶ月分」と設定した場合の実質的なリスク:
- 月額賃料8万円→極度額192万円(= 8万円 × 24)
- これが保証人(連帯保証人)の最大責任額
ただし、実際に極度額の上限まで請求が及ぶのは「2年間分の賃料を全額滞納+原状回復費用が多額」という深刻な事態です。通常の管理・督促が機能していれば、保証人が極度額の上限まで責任を負うことは少ないと言えます。
更新後の保証継続と保証人への告知(管理会社の義務):
管理会社が更新業務を行う際に「保証人への告知・確認」を怠ると、保証人が「更新したことを知らなかった」と主張する問題が生じることがあります。
推奨される実務対応:
- 更新時に連帯保証人にも更新の通知を行う
- 更新後の条件(賃料変更等)がある場合は保証人にも確認
- 更新保証契約書(または保証継続確認書)に保証人の署名を取る
これにより「更新後も保証人が責任を持つ」ことを明確化し、後のトラブルを防止できます。
「保証から外れたい」という保証人への対応実務:
保証人から「保証を辞めたい」という申し出があった場合の管理会社の対応:
1. 状況確認: 保証からの離脱を認めるかどうかはオーナーの判断。管理会社は仲介役
2. 代替保証の確保: 新たな保証人の確保または保証会社への切替えを賃借人に求める
3. オーナーへの報告・判断仰ぎ: 保証人離脱をオーナーが認めるかどうかの判断を求める
4. 保証人が離脱を望む場合の法的選択肢: 元本確定事由(死亡・破産等)がない限り、一方的な離脱は法律上できない(ただし実務的な交渉で解決することもある)
管理会社として「保証人からの離脱要求→適切にオーナーに報告・代替保証の確保を検討」という判断フローを確立することが、保証管理の実務の核心です。
根拠: 民法465条の2・619条2項(e-Gov 法令検索)、令和2年4月施行民法改正(個人根保証の極度額規制)。確認日2026-06-10。
- 民法第619条・第465条の2e-Govで原文を読む
- 借地借家法第26条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法465条の2・619条2項(e-Gov 法令検索)、最判平成9.11.13(建物賃貸借の保証人は更新後の債務についても責任を負う) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

