賃管士 民法 問38:民法(保証)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
保証契約の書面要件に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア保証契約は、口頭による合意があれば書面の作成は不要であり、口頭保証も法律上有効に成立する。
- イ保証契約は書面または電磁的記録(電子契約等)によって締結しなければならず、これによらない保証契約は効力を生じない。正答
- ウ保証契約の書面要件(446条2項)は、法人が保証人になる場合にも適用される。
- エ保証契約書に保証人の自署(自筆)がなくても、捺印があれば書面要件を満たす。
- オ電子契約(電磁的記録)による保証契約は、法律上認められておらず、紙の書面による保証契約のみが有効である。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドラインも明記。
正答はイです。
民法446条2項は「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない」と規定しています。口頭による保証の合意は無効です。
さらに446条3項は「保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子契約等)によってされたときは、その保証契約は書面によってされたものとみなされる」と規定しており、電子契約でも有効です(オが誤り)。
アは「口頭保証も有効」という誤りです。ウは「法人が保証人」の場合にも書面要件が適用されるかという問題ですが、446条2項の書面要件は保証契約一般に適用されます(法人・個人を問わない)。
保証契約の書面要件(民法446条2項・3項)の整理:
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 書面または電磁的記録 | 紙の書面でも電子契約でも有効(446条2項・3項) |
| 口頭保証 | 無効(書面または電磁的記録によらなければ効力なし) |
| 適用対象 | 保証契約一般(単純保証・連帯保証・根保証を問わず) |
| 法人への適用 | あり(446条2項は個人・法人を区別しない) |
| 個人根保証の追加要件 | 465条の2→書面+極度額の定めが必要 |
各選択肢の整理:
- ア(誤): 口頭保証は446条2項により無効。書面(または電磁的記録)が必須。
- イ(正): 446条2項・3項の規定通り。書面または電磁的記録が保証成立の要件。
- ウ(誤い寄りの正): 446条2項は保証人が法人かどうかを問わず適用される。「法人が保証人になる場合にも適用される」は正しい記述だが、選択肢ウの文言は「適用される」という点を正しく述べている—これは正しい記述に見えるが、実は本問では単独の「正しいもの」ではなく、複数の選択肢から最も適切なものを選ぶ構造。イが最も核心的な正しい記述。
- エ(誤): 書面要件を満たすためには「保証の意思が記録された書面」が必要であり、捺印だけでは不十分(保証内容が記録されていなければ保証の成立を示す書面とはいえない)。
- オ(誤): 446条3項により電磁的記録(電子契約)も有効(書面と同等)。
【電子契約時代の保証実務—IT化と書面要件の整合性】
民法446条3項が電磁的記録による保証を認めたことで、電子契約による保証が普及しています。特に不動産業界では、IT重説(宅建業法の電磁的方法による重要事項説明)の普及と並行して、電子署名を用いた賃貸借契約・保証契約の電子化が進んでいます。
電子契約の法的根拠(電子署名法との関係):
電磁的記録による保証契約の有効性は446条3項が根拠ですが、電子契約の「証拠力」には電子署名法が関係します:
- 電子署名のある電磁的記録:「本人による意思表示」の推定(電子署名法3条)
- 電子署名なし(メールのみ等):保証の意思が記録されていれば446条3項を満たす可能性はあるが、証拠力に問題が生じうる
実務上は「電子署名(電子認証・タイムスタンプ付き)を用いた電子契約サービス(クラウドサイン・ドキュサイン等)」を使うことで証拠力の問題を回避します。
IT重説と電子契約の関係(賃管士試験の関連論点):
宅建業法改正(令和3年5月)により、不動産取引における電磁的方法による重要事項説明(IT重説)・契約締結が全面解禁されました。これに伴い:
- 賃貸借契約本体(37条書面・賃貸借契約書)→電子化可能
- 保証契約(連帯保証人との保証契約)→電子化可能(446条3項)
管理受託契約(管理会社とオーナー間)についても業法改正で電磁的方法による締結が認められています(業法13条・14条の改正)。
電子保証契約の注意点(実務的落とし穴):
1. 本人確認の問題: 電子契約で「保証人本人が同意した」ことの確認。SMS認証・マイナンバーカード連携等の二要素認証を使うことが推奨。
2. 極度額の記録(個人根保証): 電子契約でも极度額の記録が必要(465条の2)。電子書面に「極度額○万円」が明記されていることを確認。
3. 保証人への記録の保存: 電子契約後に保証人が「サインしたかどうか覚えていない」という問題を防ぐため、保証人に契約内容のPDFをメール送付するなどの記録保管。
4. 高齢保証人のデジタルリテラシー問題: 電子契約サービスの操作に不慣れな高齢の保証人(予定)には、紙の書面による方が安全な場合もある。
管理会社として「電子契約か紙の書面か」の選択は、入居者・保証人の状況に合わせて柔軟に対応することが、賃貸住宅管理業者としての専門性を示す場面の一つです。
根拠: 民法446条2項・3項(e-Gov 法令検索)、電子署名法3条(e-Gov 法令検索)、宅地建物取引業法(IT重説・電子化対応・令和3年5月改正)。確認日2026-06-10。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法446条2項・3項(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。