賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 民法 問39|公正証書による保証意思宣明

問題

賃管士 | 民法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

令和2年4月施行の改正民法で新設された「公正証書による保証意思宣明」(民法465条の6)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウです。

公正証書による保証意思宣明(465条の6)は、主として「事業用融資の保証(事業のための借金の個人保証)」について設けられた規定です。

賃貸住宅の賃貸借における保証(賃料・原状回復費用等の担保)は「貸金等債務の保証」ではないため、465条の6の公正証書要件は原則として適用されません。

したがってアとイは誤り。一般的な賃貸住宅の連帯保証人は公正証書は不要です(書面要件のみ必要)。

エは「取り消すことができる」ではなく「無効」となります(465条の6違反は効力を生じない)。

465条の6の適用範囲(事業用融資への限定):

保証の種類公正証書要件(465条の6)
事業のための借入(貸金等債務)の個人保証必要(465条の6)
賃貸借の賃料等の保証原則不要(465条の6の対象外)
事業用物件(店舗・事務所)の賃料保証賃料債務は貸金等債務ではない→465条の6の対象外(ただし事業のための債務の保証として465条の10の情報提供義務の対象になる)
法人が保証人個人ではないため465条の6の対象外

各選択肢の整理:

  • ア(誤): すべての保証が対象ではない。「貸金等債務」の個人保証が対象。
  • イ(誤): 一般的な賃貸住宅の保証は「貸金等債務」ではないため原則対象外。
  • ウ(正): 465条の6は「主たる債務に貸金等債務が含まれる」場合の個人保証に適用。一般の賃料保証には原則不要。
  • エ(誤): 公正証書要件を欠く保証契約は「取り消すことができる」(取消)ではなく「効力を生じない」(無効)。
  • オ(誤): 一般の賃貸住宅の保証には公正証書要件がない(不要)。費用負担の問題自体が生じない。

【465条の6の立法趣旨と賃貸借保証への影響—「貸金等債務」の射程問題】

465条の6が「事業用融資の個人保証」を対象とした理由は、経営者の親族等が「よく内容を理解しないまま保証人になり、企業倒産で多額の連帯保証責任を負う」という社会問題への対応でした。

「貸金等債務」の定義(465条の6の射程):

「貸金等債務」は「金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務」(465条の3第1項で定義)です。

  • 消費貸借(金銭の貸付)による債務→貸金等債務
  • 賃貸借による賃料債務→貸金等債務ではない(不動産を「借りる」対価であり金銭の貸付ではない)

したがって一般的な賃貸住宅の賃料保証は、465条の6の対象外です。

「事業用物件の賃料保証」はどうなるか(グレーゾーン):

商業テナント(飲食店・小売店等)の賃料保証について、保証人が「事業を行う個人」の場合に465条の6が適用されるかという問題があります。

  • 商業テナントの賃料は「貸金等債務」ではない(不動産賃貸借の賃料)
  • → 465条の6の対象外(公正証書不要)。ただし事業のための債務の保証であるため、主たる債務者の情報提供義務(465条の10)の対象にはなる

ただし、「経営者個人の事業用資産に関する保証」全般について当事者間で公正証書を作成することが、トラブル防止の観点から有益な場合もあります。

実務上の確認ポイント(管理会社の実務チェックリスト):

賃貸住宅の保証に関して管理会社が確認すべき書面要件のチェックリスト:

確認項目内容
書面要件(446条2項)保証契約書が紙または電磁的記録で存在するか
個人根保証の極度額(465条の2)極度額が書面に明記されているか
極度額の適切性月額賃料の12〜24ヶ月分程度の合理的な金額か
公正証書の要否(465条の6)一般的な賃料保証には不要。貸金等債務が含まれる場合は必要
元本確定事由の把握保証人の死亡・破産等があった場合の対応方針
更新後の保証継続の確認更新後も保証が有効か・保証人への通知・確認を行ったか

この確認リストを管理受託業務の「保証管理チェックシート」として整備することが、賃貸住宅管理業者としての専門的な管理業務の一環です。

根拠: 民法446条・465条の2・465条の6(e-Gov 法令検索)、令和2年4月施行民法改正。確認日2026-06-10。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法465条の6(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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