賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 民法 問41|保証人の更新拒絶・主債務者情報提供義務

問題

賃管士 | 民法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

店舗・事務所など事業用建物の賃貸借で、賃借人が事業のために負担する賃料債務等の保証を個人に委託する場合における、主たる債務者(賃借人)の情報提供義務違反(民法465条の10)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

民法465条の10第1項は、事業のために負担する債務の保証を委託するときに、主たる債務者(賃借人)が委託を受ける者に提供すべき情報として「①財産及び収支の状況、②主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況、③主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容」を規定しています(居住用の賃料債務の保証には適用されません)。

アの「他の負担(住宅ローン・自動車ローン等)の状況が含まれる」は②に対応する正しい記述です。

エは誤りで、情報提供義務違反の場合の救済手段は「取消権」(465条の10第2項)であり、損害賠償のみではありません。

465条の10(主債務者の情報提供義務)の内容:

提供すべき情報内容
①財産及び収支の状況預貯金・不動産・収入・支出の概要
②他の債務の額・履行状況住宅ローン・自動車ローン・カードローン等
③担保の状況主債務に関して提供している(提供予定の)担保の内容

情報提供義務違反の効果(465条の10第2項):

条件効果
主債務者が情報提供義務に違反(虚偽・不提供)—
+ 債権者(賃貸人)がそれを知り・または知ることができた場合保証人は保証契約を取り消せる
債権者が知らず、知ることもできなかった場合取消不可

各選択肢の整理:

  • ウ(誤): 「無効」ではなく「取り消せる」(取消権)。また取消には賃貸人の知情(認識可能性)要件もある(465条の10第2項)。
  • イ(誤): 「知り、または知ることができた場合」に取消可能(465条の10第2項)。知ることができた(認識可能性)があれば取消可能。「知らなければ取り消せない」という断定は、「知ることができた」場合を除外しており誤り。
  • ア(正): 465条の10第1項2号「主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況」→住宅ローン・自動車ローン等の他の負担が含まれる。
  • エ(誤): 「損害賠償のみ」は誤り。取消権(465条の10第2項)が主要な救済手段。
  • オ(誤): 保証委託後(保証契約締結後)でも、465条の10第2項の要件を満たせば取り消せる。「一旦締結した後は取り消せない」は誤り。

【情報提供義務の実務運用と管理会社の知情問題】

465条の10の情報提供義務は、事業のために負担する債務の保証の委託に限って課される「主たる債務者(賃借人)→保証人(予定)への義務」で(居住用の賃料債務の保証や、保証人が法人の場合には適用されない:同条1項・3項)、この義務違反が保証取消につながる要件として「債権者(賃貸人)の知情(認識可能性)」が問われます。

管理会社が「知ることができた」と評価されるリスク:

管理会社は入居審査として賃借人の「収入証明書・確定申告書・銀行通帳のコピー」等を取得します。この過程で「賃借人が多額の負債を抱えている事実」を把握できる立場にあります。

問題事例(仮定):

  • 管理会社が審査書類から「賃借人がすでに借金を多数抱えており財政困難」と認識できた
  • 保証人に対してその情報を伝えなかった(または賃借人に情報提供を促さなかった)
  • 後に賃借人が賃料を滞納・保証人が取消権を主張
  • 「管理会社は知ることができたのに何も言わなかった=賃貸人(オーナー)も知ることができた」とみなされる可能性

→ 保証人の取消権が認められる可能性

管理会社のリスク軽減策(実務):

1. 入居申込書に「保証人への情報共有の同意欄」を設ける: 賃借人が入居申込時に「保証人に財務状況を開示することに同意する」旨の署名をもらう

2. 保証委託確認書の活用: 保証人が「賃借人から財産・収支・他の債務の状況についての情報提供を受けた」ことを確認・署名する書面を用意

3. 保証会社を活用: 個人保証を減らし保証会社に切り替えることで、情報提供義務違反の問題を回避

取消権の行使期間(除斥期間):

取消権の行使は「追認をすることができる時から5年間」・「行為の時から20年間」の期間制限があります(民法126条)。「追認できる時から5年」とは「保証人が情報提供義務違反の事実を知った時から5年」と解釈されます。

保証人が後になって「実は賃借人が多額の借金を抱えていたのに知らされなかった」と気づいた場合に取消権が行使されるため、管理会社にとっては「どの時点で保証人が事実を知ったか」が重要な問題になります。

情報提供義務と個人情報保護法の関係:

賃借人の財産・収支状況は個人情報(個人情報保護法2条)であり、賃借人の同意なしに管理会社が保証人に開示することは個人情報保護法違反のリスクがあります。

解決策:

  • 入居申込書・保証委託依頼書に「賃借人が保証人に財産・収支状況を自ら開示することに同意する旨の署名欄」を設ける
  • 開示は賃借人自身が行う(管理会社が代理開示するのではない)形を取る

根拠: 民法126条・465条の10(e-Gov 法令検索)、個人情報保護法2条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-06-10。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法465条の10(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

この問題の関連トピック

  • 保証人の更新拒絶・主債務者情報提供義務(民法465条の10
  • 頻出度B

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