賃管士 民法 問42:民法(保証)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
令和2年4月施行の民法改正における保証の規制(保証に関する改正事項)を整理した次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- アすべての保証契約(単純保証・連帯保証・根保証を問わず)は、書面または電磁的記録によらなければ効力を生じない(446条2項・3項)。
- イ個人根保証契約は、極度額を定めなければ効力を生じない(465条の2)。これは賃貸借の保証にも適用される(令和2年4月1日以降の契約)。
- ウ主たる債務者(賃借人)は、保証委託前に保証人(予定)に対して財産・収支・他の負担等の情報を提供する義務がある(465条の10)。
- エ個人根保証の保証人は、主たる債務者(賃借人)が期限の利益を喪失した場合でも、そのことを通知される必要はない。正答
- オ個人根保証の元本確定事由の一つとして、保証人の死亡が規定されている(465条の4)。
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正答はエです。
「期限の利益を喪失した場合でも通知される必要はない」という記述が誤りです。
民法458条の3は「主たる債務者が期限の利益を失ったとき、債権者(賃貸人)は遅滞なく保証人に通知しなければならない」と規定しています。通知を怠った期間については、保証人は期限の利益喪失後の遅延損害金を負担しない(通知した時点から遅延損害金の責任が始まる)という効果があります。
アからウ、オはいずれもR2改正の正確な記述です。保証制度全体が「保証人保護」の方向で改正されたことを押さえましょう。
R2改正保証制度の改正点まとめ(賃貸借保証に関連する主要規定):
| 条文 | 内容 | 賃貸借への適用 |
|---|---|---|
| 446条2項・3項 | 保証の書面要件(口頭保証は無効)・電磁的記録でも可 | 全保証契約に適用 |
| 465条の2 | 個人根保証の極度額義務化 | 賃料等の個人保証に適用(R2/4/1以降) |
| 465条の4 | 元本確定事由(死亡・破産等) | 賃料保証の個人保証に適用 |
| 465条の6 | 事業用融資保証の公正証書要件 | 一般的な賃料保証は対象外 |
| 465条の10 | 主債務者の情報提供義務 | 賃借人が保証委託前に適用 |
| 458条の2 | 債権者の履行状況通知義務(保証人の請求時) | 賃料滞納状況の通知に適用 |
| 458条の3 | 期限の利益喪失の通知義務(遅滞なく) | 賃料滞納で期限の利益喪失時に適用 |
各選択肢の整理:
- ア(正): 446条2項・3項の規定通り。保証の種類を問わず書面要件あり。
- イ(正): 465条の2の規定通り。賃貸借保証にも適用(R2/4/1以降)。
- ウ(正): 465条の10の規定通り。
- エ(誤): 458条の3により、期限の利益喪失時は遅滞なく保証人への通知義務あり(「通知不要」は誤り)。
- オ(正): 465条の4第2号「主たる債務者又は保証人が死亡したとき」が元本確定事由。
【R2改正の全体像と「保証人保護」の立法趣旨—賃管士が把握すべき改正の背景】
R2民法改正における保証制度の改革は、「個人保証人の過大なリスク負担からの保護」という一貫した立法趣旨のもとに設計されています。
改正の背景(立法趣旨):
1. 連帯保証人の無限責任問題: 改正前は個人根保証の極度額規制がなく、「賃貸借が長期間続き、保証人の責任が際限なく拡大する」ケースがありました。
2. 情報の非対称性問題: 保証人(予定)は主債務者(賃借人)の財産状況を知らないまま保証してしまい、後で「こんな状況とは知らなかった」という問題が多発。
3. 期限の利益喪失の隠蔽問題: 主債務者(賃借人)の滞納が進んでいるのに保証人に知らせないでいた結果、延滞損害金が積み重なって保証人の責任が急増するケース。
これらの問題に対して、①極度額規制、②情報提供義務、③通知義務が「三点セット」として整備されたのがR2改正の保証改正の核心です。
「保護される保証人」の範囲(個人限定):
R2改正の保証制度強化は「個人の保証人」を保護対象としており、法人(会社等)が保証人になる場合は適用されません。
個人の連帯保証人→改正規定の適用対象
会社(法人)が保証人→原則として改正規定の対象外(ただし446条の書面要件は法人にも適用)
これにより、個人保証の利用が減少し、保証会社(法人)の利用が増加する社会的趨勢が生じています。
管理会社の「デュアル・チェック」義務(新旧法確認):
管理会社が使用する契約書フォームが「R2改正対応済みかどうか」の確認は、管理受託業務の基本的な義務となっています。
チェックリスト(R2改正対応の確認項目):
1. 保証契約書に「極度額」の記載欄があるか(465条の2)
2. 保証委託確認書に「情報提供の確認」欄があるか(465条の10)
3. 滞納発生時の「期限の利益喪失通知」フローが整備されているか(458条の3)
4. 更新時の「極度額付き保証継続確認」書式が準備されているか
これらのチェックを怠った場合、保証が無効になったり保証人に取消権が生じたりするリスクがあり、最終的にオーナー(賃貸人)に損害賠償責任が及ぶ可能性があります。賃管士として「保証管理のコンプライアンス」は最重要な管理業務の一つです。
根拠: 民法446条・458条の2・458条の3・465条の2・465条の4・465条の6・465条の10(e-Gov 法令検索)、令和2年4月施行民法改正(全体)。確認日2026-06-10。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法446条・458条の3・465条の2・465条の4・465条の10(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。