民法43民法(賃貸人の地位移転・相続)

賃管士 民法 問43:民法(賃貸人の地位移転・相続)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

令和2年4月施行の改正民法で新設された賃貸人の地位の移転(民法605条の2)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 賃貸不動産が売却された場合、売主(旧オーナー)が賃借人に「所有者が変わりました」と通知した時点で賃貸人の地位が移転する。
  • 賃貸不動産が売却された場合、賃借人の対抗要件(建物の引渡し等)があれば、買主(新オーナー)は当然に賃貸人の地位を承継し、移転の登記が賃借人への対抗に必要である。正答
  • 賃貸人の地位の移転には、賃借人の同意が必要である。
  • 賃貸不動産が売却された場合、旧オーナーと新オーナーの合意により、旧オーナーが引き続き賃貸人の地位を留保することができる(地位の留保特約)。
  • 賃貸人の地位が移転した場合でも、旧オーナーが積んでいた敷金は新オーナーには承継されない。
正答:賃貸不動産が売却された場合、賃借人の対抗要件(建物の引渡し等)があれば、買主(新オーナー)は当然に賃貸人の地位を承継し、移転の登記が賃借人への対抗に必要である。

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正答はイです。

民法605条の2(R2改正新設)は「賃貸不動産が売却・譲渡された場合、賃借人が対抗要件(建物の引渡し等)を備えていれば、新たな所有者(買主・新オーナー)は当然に賃貸人の地位を承継する」と規定しています。

賃借人の同意は不要(ウが誤り)です。また地位移転に際して新オーナーから賃借人への対抗には移転の登記が必要です(605条の2第3項)。

エの「地位の留保特約」(旧オーナーが引き続き賃貸人の地位を保持できる特約)は605条の2第2項で認められています(正しい記述)が、本問ではイが最も核心的な正しい記述です。

標準試験対策の基準レベル

605条の2の構造(賃貸人の地位移転):

| 項目 | 内容 | 条文 |

|---|---|---|

| 移転の要件 | 賃借人が対抗要件を備えている+不動産の譲渡 | 605条の2第1項 |

| 賃借人の同意の要否 | 不要(当然に移転) | 605条の2第1項 |

| 留保特約 | 旧オーナーと新オーナーが合意して旧オーナーが地位を留保できる | 605条の2第2項 |

| 対抗の登記 | 新オーナーが賃借人に賃貸人の地位を主張するには登記が必要 | 605条の2第3項 |

| 敷金・担保の承継 | 地位移転に伴い敷金・担保は新オーナーに承継 | 605条の2第4項 |

各選択肢の整理:

  • ア(誤): 通知は対抗要件ではなく、移転は「対抗要件を備えている賃借人」に対して当然に生じる(登記不要で移転するが、対抗には登記が必要)。
  • イ(正): 对抗要件があれば当然に承継(賃借人の同意不要)+賃借人への対抗には登記が必要。
  • ウ(誤): 賃借人の同意は不要(605条の2第1項)。
  • エ(正の内容・だが本問の最も正しい選択肢ではない): 地位の留保特約(605条の2第2項)は認められる(旧オーナーがマスターリース等で賃貸人地位を留保する場面)。
  • オ(誤): 605条の2第4項で敷金は新オーナーに承継される。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【オーナーチェンジと賃貸管理業の実務—地位移転・敷金・保証の三点整理】

賃貸不動産の売買(オーナーチェンジ)は、賃貸住宅管理業者にとって最も複雑な局面の一つです。605条の2のR2改正による明文化により、法的関係は整理されましたが、実務的には多くの確認事項があります。

オーナーチェンジ時の「三点セット」確認事項:

1. 賃貸人の地位移転(605条の2)

- 賃借人が対抗要件(建物引渡し)を備えていれば当然移転

- 移転の登記(所有権移転登記)が新オーナーから賃借人への対抗の要件

- 賃借人の同意不要

2. 敷金の承継(605条の2第4項)

- 敷金は新オーナーが当然承継

- 旧オーナーが敷金を費消していた場合でも新オーナーが返還義務を負う

- 売買代金に敷金相当額の控除を組み込むことが売買実務での対応

3. 個人保証の継続(605条の2・保証の附従性)

- 保証は主債務に附従するため、賃貸人の地位移転(賃貸人が変わる)だけでは保証は消滅しない

- ただし個人根保証の元本確定事由(例:保証人の死亡)があれば別問題

留保特約(605条の2第2項)の実務的活用(マスターリース構造):

R2改正で条文化された「留保特約」は、以下の場面で実務的に重要です。

サブリース(マスターリース)の構造:

  • オーナー(所有者)→売買により新オーナーに
  • オーナーとサブリース業者の間のマスターリース契約(旧オーナーが賃借人)
  • オーナーチェンジ後の処理:

- 留保特約なし→サブリース業者(旧賃借人のまま)の地位はどうなるか

- 留保特約あり→旧オーナーが引き続きマスターリース契約の賃貸人として機能し、入居者との直接関係はサブリース業者が維持

留保特約を活用することで、オーナーチェンジ後もサブリース業者が中間者として存在する構造を維持できます。

対抗要件(登記)と賃借人保護の関係:

605条の2第3項は「新賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について登記をしなければ、賃借人に対抗することができない」と規定しています。

これは「新オーナーが賃借人に賃料を要求するには登記が必要」という意味です。未登記の状態では賃借人は旧オーナーと新オーナーのどちらに賃料を払っても問題ないという立場を取れます。

管理会社として「物件の売買があった場合は速やかに登記状況を確認し、登記が完了したら賃借人に新オーナーへの賃料支払いを案内する」という手順を整備することが重要な実務対応です。

根拠: 民法605条の2(e-Gov 法令検索)、令和2年4月施行民法改正。確認日2026-06-10。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法605条の2(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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