賃管士 借地借家法 問12:借地借家法(借家契約の基本)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
借地借家法36条(居住用建物の賃借権の譲渡又は転貸の許可)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア借地借家法36条は、居住用建物の賃借権の転貸・譲渡について、裁判所が賃貸人の承諾に代わる許可を与えることができる制度である。正答
- イ借地借家法36条は、事業用建物(店舗・オフィス)の賃貸借にも適用される。
- ウ借地借家法36条は、賃借人が死亡した場合に適用される。
- エ借地借家法36条に基づく裁判所の許可は、賃借人の申立てがなくても職権で行うことができる。
- オ借地借家法36条の許可の申立てが認められた場合、賃貸人には異議申立ての機会がない。
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正答はアです。
借地借家法36条は、居住用建物の賃借人が「賃貸人に無断で賃借権を譲渡・転貸したい事情がある場合(例:離婚で配偶者に家を残したい等)」に、裁判所が賃貸人の承諾に代わる許可を与えることができる制度です。
これは民法612条の「賃貸人の承諾なく転貸禁止」という原則に対する例外です。
イは誤りで、36条は「居住用建物」に限定されています(事業用不可)。
ウは誤りで、36条は「賃借人が死亡した場合」ではなく「生存中の賃借人が転貸・譲渡を希望する場合」の制度です(死亡時は同条の別の規定・旧36条の前半規定)。
借地借家法36条の概要:
36条には以下の2つの異なる規定があります(注意):
- 36条前半(相続人なし死亡時の承継): 居住用建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合の同居者の権利義務承継(前問shakuchi_11等参照)
- 36条後半(裁判所による転貸・譲渡の許可): 居住用建物の賃借人が賃借権の転貸・譲渡の承諾を求め、賃貸人が正当な理由なく拒絶した場合に裁判所が許可を与える制度
本問はこの「裁判所による転貸・譲渡許可」の規定(36条後半・借地借家法36条2項〜)についての問いです。
各選択肢の整理:
- ア(正): 居住用建物の賃借権の転貸・譲渡について、裁判所が承諾に代わる許可を与えられる制度(36条後半)の正確な説明。
- イ(誤): 居住用建物のみに適用(事業用は対象外)。
- ウ(誤): 賃借人の生存中に転貸・譲渡を希望する場合の規定(死亡時は36条前半の相続人なし死亡の規定)。
- エ(誤): 賃借人の申立てに基づいて裁判所が判断する(職権での許可はできない)。
- オ(誤): 賃貸人には手続きへの参加・意見陳述・異議申立ての機会が認められる(適正手続き保障)。
【36条「転貸・譲渡許可」制度の立法趣旨と実務活用場面—離婚・相続・事業承継での応用】
借地借家法36条後半の「裁判所による転貸・譲渡許可」は、実務上あまり頻繁には使われませんが、以下の場面で重要な選択肢となります。
36条許可が活用される典型的な場面:
1. 離婚時の居住継続: 夫名義の賃貸借契約で妻と居住していた場合、離婚後も妻が居住を続けたい。夫は「賃借権を妻に譲渡したい」と思っているが、賃貸人が承諾しない場合→36条許可申立て。
2. 事業承継(法人設立)の住居: 個人事業主が居住用として賃借していた建物を、後継者に継続させたい場合。
3. 相続後の複数相続人の処理: 相続人の一部が当該建物での居住を継続したい場合(賃借権の一部譲渡等)。
36条の手続きの概要(裁判所への申立て):
1. 申立権者:賃借人
2. 相手方:賃貸人
3. 申立ての要件:賃貸人が「正当な理由なく」承諾を拒絶していること
4. 裁判所の判断:転貸・譲渡を許可するかどうか(賃貸人の利益を害しないかどうかの判断)
5. 許可の効果:承諾に代わる→賃借人は許可の範囲で転貸・譲渡が可能
実務上の活用の注意点:
- 36条の申立ては家庭裁判所(生活基盤の確保という家事事件的性格)または地方裁判所への申立てが必要
- 賃貸人への通知・意見聴取等の手続きが必要
- 裁判所が許可を与える場合でも、賃貸人への「補償金(財産上の給付)」を条件とすることがある
管理会社の役割(36条案件への対応):
管理会社が「賃借人から賃借権の譲渡・転貸の許可を求められた」場合:
1. オーナー(賃貸人)への相談・意向確認
2. 承諾の可否の判断(承諾する場合は民法612条の通常の手続き)
3. 承諾しない場合の理由の整理(拒絶の正当な理由があるかの確認)
4. 赤字書き:賃借人が36条申立てを行う可能性について弁護士に相談を促す
「正当な理由のない拒絶」をオーナーが続けた場合、裁判所に許可が下りる可能性があります。管理会社として「拒絶には合理的な理由が必要」であることをオーナーにアドバイスすることが重要な実務です。
根拠: 借地借家法36条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-06-10。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法36条(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。