問題
Aは自己所有の建物をBに賃貸し(期間の定めのある建物賃貸借で、定期建物賃貸借ではない)、BはAの承諾を得てその建物をCに転貸している。A・B間の賃貸借の終了とCとの関係に関する次のア〜オの記述のうち、借地借家法の規定によれば誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエです。
借地借家法34条1項は、建物の転貸借がされている場合に、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときは、賃貸人が転借人に通知をしなければ、その終了を転借人に対抗できないと定めています。同条2項により、通知をすると転貸借は、その通知がされた日から6月を経過することによって終了します。
34条には「期間満了の1年前から6月前まで」のような通知の時期の定めはありません。通知が期間満了の後になっても、通知の日から6月を経過すれば終了を転借人に対抗できます。エは誤りです。
転貸借がある建物賃貸借の終了(A=賃貸人、B=賃借人・転貸人、C=転借人)
| 場面 | 規定 | 根拠 |
|---|---|---|
| 期間満了・解約申入れで終了する | Cに通知しなければ終了をCに対抗できない | 34条1項 |
| 通知をした | B・C間の転貸借は通知の日から6月で終了する | 34条2項 |
| 更新拒絶後にCが使用を継続する | Cの使用継続をBの使用継続とみなす。Aが遅滞なく異議を述べなければ更新したものとみなす | 26条2項・3項 |
| 34条に反する特約 | 転借人に不利なものは無効 | 37条 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 34条1項の条文どおり。
- イ(正): 26条3項により、転借人Cの使用の継続は賃借人Bの使用の継続とみなされ、Aが遅滞なく異議を述べなければ、26条2項により従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされる。
- ウ(正): 34条2項の条文どおり。
- エ(誤・正答): 34条は通知の時期を定めていない。通知の日から6月で転貸借が終了する仕組みなので、期間満了後に通知しても、その日から6月を経過すれば終了をCに対抗できる。
- オ(正): 37条は、34条の規定に反する特約で建物の賃借人又は転借人に不利なものを無効としている。
【建物賃貸借の終了にかかわる3つの「通知」を条文で区別する】
| 通知 | 相手方 | 時期 | 通知しない・遅れた場合 |
|---|---|---|---|
| 更新をしない旨の通知(26条1項) | 賃借人 | 期間満了の1年前から6月前まで | 従前の契約と同一の条件で更新したものとみなす(期間は定めがないものとなる) |
| 定期建物賃貸借の終了の通知(38条6項) | 賃借人 | 期間が1年以上のとき、期間満了の1年前から6月前まで | 終了を対抗できない。通知期間の経過後に通知したときは、通知の日から6月を経過した後は対抗できる |
| 転借人への通知(34条) | 転借人 | 定めなし | 終了を転借人に対抗できない。通知をすれば、転貸借は通知の日から6月で終了する |
エは、26条1項・38条6項の「1年前から6月前まで」を34条に持ち込んだ誤りです。34条2項は「その通知がされた日から六月を経過することによって終了する」と定めるだけで、通知をすべき時期を限っていません。
34条の対象となる終了の原因
34条1項は「期間の満了又は解約の申入れによって終了するとき」に限っています。賃貸人と賃借人の合意による解除は34条ではなく民法613条3項の問題で、賃貸人は合意による解除をもって転借人に対抗できません(その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときを除く)。どの原因で終了するかによって、見るべき条文が変わります。
転借人の使用継続と法定更新(26条3項・27条2項)
26条3項は、転貸借がされている場合、転借人がする建物の使用の継続を賃借人がする使用の継続とみなして、賃借人と賃貸人との間に26条2項を適用します。Aが更新をしない旨の通知をしていても、期間満了後にCが住み続け、Aが遅滞なく異議を述べなければ、A・B間の賃貸借は更新したものとみなされます(イ)。解約の申入れによる終了にも、27条2項で26条2項・3項が準用されます。また、更新拒絶や解約申入れの正当事由を判断する28条は、「賃借人(転借人を含む。)」が建物の使用を必要とする事情を考慮するとしています。
特約で排除することはできない(37条)
37条は、31条・34条・35条の規定に反する特約で建物の賃借人又は転借人に不利なものを無効としています。A・B間の契約に「通知なしにCに終了を対抗できる」と定めても、その特約は無効です(オ)。
サブリースの管理実務
オーナー(A)と特定転貸事業者(B)の間の賃貸借(マスターリース)が期間満了や解約申入れで終わるときは、オーナーは入居者(C)に通知をしなければ入居者に終了を対抗できず、通知をしても入居者との転貸借が終わるのは通知の日から6月後です。マスターリースの終了が決まったら、入居者ごとに通知の日と、そこから6月を経過する日を記録しておくと、明渡しの時期を取り違えません。
根拠: 借地借家法26条・27条・28条・34条・37条・38条6項、民法613条3項(e-Gov 法令検索)。確認日2026-09-30。
- 借地借家法第34条・第26条e-Govで原文を読む
- 民法第613条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法26条・27条・28条・34条・37条・38条6項、民法613条3項(e-Gov 法令検索、現行条文) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-09-30(e-Gov 法令API v2 で借地借家法〈2026-05-21施行の現行版〉と民法の全文を取得して確認) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

